トラック5 エピローグ♪ あ、目が覚めた……って言ったらおかしいかな? ここは夢の中、だもんね。 うん。現実にいるあなたは今、初エッチを終えたリリカと、繋がり合ったまますやすや〜ってしてるよ。 えへへ。ここに来たら、思い出した…でしょ? 人間は夢の中で起きた出来事を、現実世界に持ち帰ることはできない。だけど夢に入ったら、また思い出す。 だからあなたは、知ってるよね。 わたしたちは、ここで。 ……この夢の世界で、すご〜く長い時間を、一緒に過ごしてきたこと。 それこそ、わたしが物心ついた時から。 一緒に遊んで、笑いあって、辛いことがあったら慰め合って……長い時間を過ごすうち、わたしたちは恋人同士になって…… リリカの友達みんなから、早く別れた方がいいって言われたよね。 サキュバスは夢の世界の生き物で、人間は現実世界の生き物だから。 向こうのあなたは、夢の中でリリカっていう恋人がいることも知らないから……幸せになんてなれるわけがない。 そもそも人間と恋仲になるだなんて変わってるとか、淫魔のくせに色んな男のせーしを飲みたがらないのはヘンだとか、いろいろ言われたな… でも、諦めるだなんてできなかったの。 あなたのことが大好きで、あなた以外の男の子なんて、絶対に嫌だったから。 サキュバスとしては落第だけど、リリカはこの気持ち、本当に誇りに思ってる。 でも不安は……やっぱり現実のあなたのことだった。 リリカのことを覚えてないとはいえ、恋人なんて作ってほしくないもん。 だからリリカ、いっぱい勉強したんだよ。 サキュバスの学校で、書庫にあるふる〜い本を読み漁って、ようやく見つけた… 夢の住人であるサキュバスが、現実世界で体を持つ方法。 複雑な魔術、大量の精液、そして一番の問題は、人間の体に取り憑く必要があって…… 現実での体の動かし方を実感として学ばなければ、儀式は成功しないって、書いてあった。 誰かの体の自由を奪うだなんて、そんなひどいことはできないって思ったけど……ふふ、ここに来てるあなたは、もう思い出してるよね? そうだよ。自分の体を使えばいいって、言ってくれたの。 いきなり変な奴に取り憑かれたら、びっくりされて、嫌われちゃうってリリカは反対したんだけど…… たとえ記憶になくても、リリカは大好きな女の子だから……嫌うだなんてあり得ない。 迷ってないで、俺の体に取り憑いてみろ、そうしたらうまくいくからー、って言ってきて。 結果はご存じのとおり。 あなたは驚きこそしたけれど、憑依したわたしに出ていけなんて、絶対に言わなかった。 ……わたし、あなたのことを好きになって、本当に良かった。 記憶にない約束でも守ってくれるあなたに、愛してもらえて……わたし、本当に幸せだよ。 だから……ちょっぴり真面目なトーンで、一言だけ。 わたしと出会ってくれて、ありがとう。 あ……もうすぐ夢が終わるね。朝になって、向こうのあなたが目を覚ます時間が来ちゃった。 えへへ……サキュバスらしく、あなたよりちょっぴり早く起きて、朝フェラしちゃおっかな〜♪ ……え? お手柔らかに? んふふ、手加減は、できないよぉ♪ だってリリカがえっちなことをしたいのは、それだけあなたのことがだいすき〜っ♪ てことなんだから♪ ……ね、だからこれからも、リリカのこと、よろしくね? 夢の世界だけじゃなく、現実の世界でも、いっぱいいっぱい、愛してね? あ・な・た♪