◆トラック5 それでは、次は耳かきをしていきますね。 では、耳かきがしやすいように、 また膝枕をしてもよろしいでしょうか? ありがとうございます。 では、私の太ももの上に、頭を預けてくださいね。 左耳が上になるように、身体を横にしていただけますか? どうでしょう? 姿勢は楽ですか? 肩や首など、痛くはございませんか? 良かったです。 では、こちらの竹耳かきで、お耳を綺麗にしていきますね。 耳かき棒を、お耳の中へ、ゆっくり入れていきますよ。 あまり緊張せずに、どうかリラックスしていてくださいね。 かりかり……かりかり……。 かりかり……かりかり……。 まずは耳の穴の入口の方を、綺麗にしていきますよ。 耳垢と一緒に、耳の穴に溜まった邪気を、 しっかり取り除いていきますね。 かりかり……かりかりかり……。 かりかり……かりかりかり……。 竹耳かきの感触はいかがでしょう? 固さや痛さは感じませんか? ……感触、心地よいですか? それなら、良かったです。 この耳かき棒は、神社の裏手で採れた清らかな竹を、 職人さんが一本一本、手作業で加工した特別な耳かき棒なんです。 肌に当たったときの感触が柔らかく、 それでいて、耳垢はしっかりと掻き出すことができるんです。 かりかり……かりかり……。かりかり……かりかり……。 かりかり……かりかり……。かりかり……かりかり……。 古くから、竹は神聖な植物と信じられてきました。 竹は、節を重ねて、 天に向かって『まっすぐ・まっすぐ』伸びますよね。 竹はその姿から、成長や生命力の象徴として考えられました。 入学式や卒業式、 成人式や結婚式などを人生の節目と言いますよね。 あの人生の節目という言い方も、 実は竹の節目に由来する言葉なんですよ。 かりかり……かりかりかり……。 かりかり……かりかりかり……。 …。 ん… ふぅ‥ …はぁ… ん‥ んん… と… はぁ… はぁ… はぁ… ふぅ…スゥ… ふぅ… かりかり……かりかり……。 かりかり……かりかり……。 竹が生命力の象徴と考えられたのは、 まっすぐ、どこまでも成長するから『だけでは』ありません。 他の植物、モミジやイチョウなどが葉っぱを、 赤や黄色に色付かせる秋の季節でも、 竹は紅葉しないで、青々とした葉を付けています。 このことから、竹は清らかさを保つものと考えられました。 そうして、茶道でお茶を立てる時に使う「ちゃせん」や、 今こうして耳掃除に使っている竹の耳かきなど、 清潔さが大事な道具に、竹は用いられるようになりました。 かりかり……かりかりかり……。かりかり……かりかりかり……。 かりかり……かりかりかり……。かりかり……かりかりかり……。 ただ、竹が紅葉しないというのは、 間違ったイメージなんですけどね。 他の多くの植物が秋に紅葉するのに対して、 竹は春から初夏にかけて、葉が黄色く色付きます。 なので、一年中ずっと、 青々とした姿を保っている訳ではないのです。 とはいえ、他の植物が紅葉している中で、 青々とした姿を保っているのは、 やはり神秘的に見えますよね。 かりかり……かりかり……。 かりかり……かりかり……。 かりかり……かりかり……。 かりかり……かりかり……。 ……耳かきというのは、 体に溜まった垢、つまり、穢れを祓う行為です。 これは目に見える耳垢を取り除くだけではなく、体の内側に潜む、 目には見えない邪気を取り払うことにも通じると言われています。 だから、今はただ安心して、私に体をゆだねてくださいね。 全ての邪気は、私が取り払いますから。 耳かきの音を聴きながら、 邪気が体から抜けていくのをイメージしてください。 かりかり……かりかりかり……。 かりかり……かりかりかり… かりかり……かりかりかり……。 かりかり……かりかりかり… それでは、もう少し奥の方も耳かきしていきますね。 先程までよりも、奥の方に耳かき棒を入れていきますよ。 もし、痛かったら、教えてくださいね。 かりかり……かりかり……。かりかり……かりかり……。 いかがでしょう? お耳の中、痛くはありませんか? ……全然痛くない? そうですか。 それなら良かったです。 いえいえ、私の耳かきが上手いというよりかは、 きっと、この耳かき棒のおかげですよ。 この竹の耳かき棒、本当に丁寧に作られていて、 よくしなって、柔らかいんです。 かりかり……かりかりかり……。かりかり……かりかりかり……。 (左 耳かき&耳元囁き ▶ここまで▶) ん… ふぅ‥ …はぁ… ん‥ んん… と… はぁ… はぁ… はぁ… ふぅ…スゥ… ふぅ… はい、とても綺麗になりましたよ。 それでは次に、梵天を使いますね。 この耳かき棒の反対側に付いている、ふわふわした部分ですね。 こちらで、耳かきでは取り切れなかった、 こまかな耳垢を取っていきますね。 (左 梵天&耳元囁き ◀ここから◀ ) まずは、入口の方から。 こちょこちょ……こちょこちょ……。 こちょこちょ……こちょこちょ……。 こちょこちょ……こちょこちょ……。 こちょこちょ……こちょこちょ……。 もし、くすぐったいかったら言ってくださいね。 ふわふわ… ふわふわ… ふわふわふわ…♡ このふわふわの梵天は、鳥の羽から出来ています。 古くから、鳥は神の使いとして考えられてきました。 鳥は空を舞い、天と地を繋ぐ、神聖な存在だったのです。 鳥の羽ばたきのように、梵天が邪気を祓ってくれますからね。 ごそごそ…ごそごそ…ごそごそごそ・・・♡ (左 梵天&耳元囁き ▶ここまで▶) ん… ふぅ‥ …はぁ… ん‥ んん… と… はぁ… はぁ… はぁ… ふぅ…スゥ… ふぅ… こちょこちょ……こちょこちょ……。 こちょこちょ……こちょこちょ……。 いかがですか?  梵天に、撫で清められるの、気持ちいいでしょう? 耳の中が清潔になって、心の中もスッキリしていきますからね。 はい。とても綺麗になりました。  仕上げに、耳ふーをしますね。 「どうかあなたに、幸福が訪れますように」と祈りを込めて、 息を吹きかけます。 息を吹きかけるということは、すなわち、息吹です。 冬が終わって春が訪れ、 木々が芽吹く様子を「春の息吹」と呼ぶように、 息吹は生命力の象徴です。 これはただの息ではなく、 あなたへ活力を与えるものだと思ってください。 ふーっ。 ふーっ。 邪気を祓った後の耳には、幸福がすっと入りますからね。 ふーっ。 ふーっ。 どうか、あなたのこれからの未来が、 明るく幸せでありますように。 ふーっ。 ふーっ。 はい。これで、左耳は完璧です。 「耳に響く音」と「気の流れ」、両方が澄み渡り、 あなたを守ってくれるでしょう。 次は、右のお耳も清めていきましょうね。