設定資料 ●リジット・サラカエール 子供のような幼い体躯、長い白髪、彼女自身が「魔眼(まがん)」と称する赤い瞳など、現実離れした風貌の少女。 主人公がアルバイトとして働くアンティークショップの店主であり、人間嫌いの性格から街外れの森の中に店を構えている。 正体は欧州のとある王国で造られた人工生命体(ホムンクルス)。生年は18世紀中頃。身長142cm、体重35kg、スリーサイズは73/53/75。 宮廷錬金術師達により敵国の掌握を目的に製造されるが、創造主たちの醜い欲望や謀略の渦巻く王国を早々に見限り脱走。 脱出時に工房を破壊し尽くしたため、ホムンクルス研究に多額の費用を投じていた王国はほどなくして滅びた。 魔眼を使いこなすためリジットには高い知能が与えられたが、知性が宿った瞳には自身を取り巻く全てがひどく醜悪に映ったのであった。 王国を去り、独りで生きる長い月日の中で人里に近づくことはあったが、その目や風貌が受け入れられることは無かった。 その後は世界を転々としながら、人目を避けてひっそりと暮らしていた。 しかし、近代終盤ごろには文明の波に勝てず、当時極東の山中に隠れ住んでいた彼女は人間社会に溶け込むことを選んだ。 以降はある種の開き直りの境地に達し、能力を使いたい放題で自由気ままに市民権を獲得・乱用している。 現在は、町はずれの森の中で雑貨や骨董を扱うアンティークショップ『catoblepas』を営んでいる。 来客は超極稀かつ、気に入らないと魔眼の力で追い返すため売上は絶望的。しかし、ネットオークションなどで稼いでいるので意外にも収入は多い。 主人公をアルバイトとして雇ってからは業者とのやりとりを丸投げしており、一層引きこもりに拍車がかかった。 好物は紅茶とキノコ類。 特技は美術品の真贋鑑定と資産運用。 ●リジットの魔眼について 中東や地中海沿岸地域を起源とする民間信仰「邪視」に着想を得た錬金術師により構築された魔術兵装。 「邪視」とは、妬みや悪意などの感情を持って相手に視線を向けることにより対象者に呪いを掛ける魔力・魔術である。 リジットの魔眼も同様に「視ること」によって効果を発揮するが、伝承における邪視とは異なり、視線による「対象の本質の知覚」に効力を有する。 ここで言う”本質”とは、「魂の形」とも「物質的元型」とも呼ばれる、人間の理性と感性によって認識できない世界領域に位相を持つ魔術的・哲学的概念を指す。 リジットが魔眼で見抜く本質は、言うなれば「存在が存在であるための定義そのもの」であり、物質の場合は成分や真贋を、生物の場合は思考や生体情報を読み取ることができる。 加えて、周囲の人や物を見ることで物事の予兆や集合的無意識を捉えることができ、簡易的な未来予測すらやってのける。 さらに対象が生体の場合は、魔眼の出力を上げることで「魂の形」とでも言うべき存在の根源を掌握することができ、 魂の形という根源的な自己同一性を掌握された対象は、自己の肉体や精神における優位性を失い、完全にリジットの支配下に置かれることになる。 具体的には、動きを封じたり、意のままに操ったり、極論、即座に生命活動を停止させることすら可能となる。 その強力無比な効力から術師達が“掌握の魔眼”と称した魔眼だが、リジットが人間に対して魔眼をフルパワーで使うことは無かった。 創造主達を除いて、ではあるが。 なお、リジットの魔眼は人間相手には非常に有効であるが、あくまで人間による被造物であるため、神話級の怪物や宇宙由来の物質や生命等には効力が数段落ちる。 特に魔術に耐性を有する相手や、決まった形態を持たない相手には通用しないことが多く、実際、リジットには過去に幾度か「調子に乗って喧嘩を売ったらコテンパンにされた」経験がある。 そうした苦い敗走の経験は、隠遁生活を良しとする現在の彼女のライフスタイルに一定の影響を与えている。 因みに、人類学の研究においては邪視信仰は「病気や不幸が起こった時の事後的な説明」のための論理として用いられたと理解されている。 不条理な災いが生じた際に「○○の邪視が原因だ」と理由付けすることで民衆は納得感を得、生贄を迫害することで溜飲を下げる、といった具合である。※諸説あり