ん……遅いぞ、弟子よ。 ふぁ……。 危うく、お前が来る前に瞼がくっ付いてしまうかと思うたぞ。 ……ほれ、何をいつまでそこで突っ立っておる。 早うこちらへ来るがいい。 何じゃ……?見て分からぬか? 妾と同じ床け、と言うておるのじゃが。 ほれ、このベッドはふかふかでよいぞ? おまけに広い……。 例えお前一人入ってきたところで、窮屈さを感じることも無かろう。 ……つべこべ言わず、さっさと来い。 これは師としての命令じゃ、よいな? ん……ようやく観念しおったか。 全く、手の掛かる弟子じゃ……。 ……して、どうじゃ?この寝床は心地が良かろう? 妾も気に入っておっての……。 あぁ……説明が必要かの? では、寝落ちてしまう前に済ませるとしよう……。 ……よいか? 今のお前は、魔力というものを知らなすぎるのじゃ。 魔法を扱う上で、それでは全く話にならぬ。 故に、お前には妾という至上の魔法使いの傍で、その感覚を覚えてもらう。 普段の生活では勿論……就寝時もこうして、な。 いわゆる睡眠学習というものじゃ。 ただ毎日眠るだけなど、勿体なかろう? ……少々厳しかろうが、妾の弟子としてそれくらいはやってもらうぞ。 でなければ、お前は一生掛かっても大した魔法の使い手にはなれぬであろうしの。 この妾の弟子が一介の凡庸な魔法使いなぞ……恥にもほどがあろう? 弟子ならば師に恥をかかせぬよう、精々励むのじゃ……。 ふぁ……ん……。 ……そういうことじゃから、妾は寝るが……。 お前は、集中を切らすでないぞ……。 ん……おやすみ、我が弟子……。 【寝息】 これ……動くな。 妾が眠りづらいであろう……? ……これも修行じゃと思え。 妾の眠りを妨げることは許さぬ……よいな。 期待して……おるぞ……。 【寝息】