【レイラ】 お姉さまー? リューシアお姉さまー。 【レイラ】 おっ、いた。どう? 【リューシア】 ええ、おかえりなさい。レイラさん。 あ…少し声を落として。この子がまだ眠っています。 【レイラ】 あ、うんうん。 …へー。これ、幼児…じゃないんだよね? 【リューシア】 ふふ。成体の人間さんですよ。 私たちのパーツを…ぜんぶ小さくして作ったみたい。 【レイラ】 あー、何気に、近くで見るの初めてかも…。 ぎゅっ、とくっついて眠って…えへ。 【リューシア】 ええ。じき、目を覚ますでしょう。目立った外傷もありませんので。 …レイラさん、ずいぶん早かったですけど、 何もありませんでした? 【レイラ】 ヤツらを塵にしちゃっただけ…拠点ごと。 数が多いだけで、ま、淫魔の群れだし。 【リューシア】 くすくす。元気そうで良かったです。 【レイラ】 これが人間、ねー。ふーん…。 顔はかわいいけど…手はかかりそう。 【リューシア】 …ですがアルヴェナ修道院では今後、 短命種族の保護活動に重点を置くことを考えておりますし…、 私が率先して、その種を蒔いていかなければ。 【リューシア】 ところでレイラさん。種族差別は、いけませんよ。 人間さん、と呼んであげなさい。 【レイラ】 あ、はい。…人間さん。 【リューシア】 …。この管区では珍しいでしょう? 人間さんは。 はっきり言えば私も…まだ知るべきことばかりです。 【リューシア】 それに、庇護を要する短命種族の中でも、 私たちエルフの幼子に近い知能を持っているとのことですし、 情操教育には適しているかと。 【レイラ】 ああ、それはそう。 お姉さまが研究熱心なのは…嫌いじゃない。 【リューシア】 褒めるなら人間さんを褒めてあげて。ふふ。 【レイラ】 ん…? こんな感じ…。 【リューシア】 ええ、微睡みに差し支えないくらいにお願いします。 【レイラ】 よし…よし…。 えーっと… 「こわい魔物に襲われても、よく我慢できたね」…? いいこ…いいこ…。 【リューシア】 まあ! いま、気持ちよさそうに頬を緩めませんでしたか? 【レイラ】 そうかな…。えへ…。 いーこ、いーこ。君はいーこだねー…。 …これ結構、嬉しいね。 【リューシア】 ええ、素晴らしいです。 人間さんの目が覚めてからも、きっとお友達になれますよ。 【レイラ】 うっわ…。 これ、よく見たらぐしょぐしょ。めっちゃ発情してる…。 ちっちゃいくせに…なんかエグいな。 【リューシア】 素直で可愛い子ということです。 淫魔によるチャーム由来のもので、一時的なものでしょう。 【レイラ】 じゃ、この人間さん…オスか。 いや…完全にパーになっちゃってる。ひっどいな。 こういうのを町に返したら、 短命の文化だと、孤児を1ダースとか作ってさ。 そのまま死んじゃうよね。 【リューシア】 そんな言い方はいけません。 生殖本能は、男の子にとって大切なものに変わりはないんだから…。 【レイラ】 だる。 【リューシア】 聖母さまの第一の教えは…。 【レイラ】 あー、はい。はいはい。分かりました。 まあ確かに。「最も弱いものに奉仕せよ」。 …じゃ、起きたら治療は手伝うよ。 【リューシア】 あ、それが…人間さんについての文献を調査していて、 興味深い記録を見つけました。 【リューシア】 古い文献ですが、 『アルヴェナ大綱』第四編第一章…。 および、同・第25章、 「庇護を要する短命種族、その起源と取り扱いに就いて」 によりますと。 【リューシア】 チャームを受けたオスの人間さんの場合には、 オスとしての本能、それを無条件に肯定… 「全肯定」するセラピーによって、 高い回復率がみられると記されています。 【リューシア】 つまり、メスを屈服させて、無責任に孕ませ、 支配する快楽を貪りたいという自然な欲動。 これをできるだけ肯定してあげるのです。 【リューシア】 人間さんは、生理学的機能に加えて、 ある程度、言語や視覚的イメージを私たちと共有しているようです。 であれば…。 【レイラ】 それ、俗説でしょ。短命は短命だよ。 いつも通りで大丈夫。 発情の兆候が収まるまで生殖器への刺激を繰り返して、 あとは微弱な魔力を維持。 【リューシア】 私も最初から信じていたかといえば嘘になりますが…。 【レイラ】 じゃあ…。 【リューシア】 人間さんを目にして、心を改めました。 慈しみを注ぐほど、人間さんはそれに応じてくれる。 【レイラ】 んー…どうかな…。 精霊に言葉をかけるのと変わらない気もするけど。 【リューシア】 ですが…。 【レイラ】 やってみるだけなら、別に悪いこともないかなあ…。 【リューシア】 そうですよね…! 【レイラ】 うん、小さい子の相手する機会とかも、ここだとないし。 【リューシア】 人間さん? よかったね。 もっとたくさん、キスをあげるわ…。 ちゅう、ちゅ、ちゅ、ん…。 【レイラ】 あ、それ人間さんには強すぎない? あー…。 もう、そういうところなんだけど…。 【レイラ】 あー…私そろそろ行くけど、治療のとき呼んで。 それ、お姉さまがしちゃったなら、私もあとでやるから。 【リューシア】 ちゅう…ちゅう…ちゅう…。 【レイラ】 またね、人間さん。 【リューシア】 ん、んちゅ…人間さん。大丈夫、大丈夫ですから…。 はむ、ん、れる…。はむ、ん、んう、ちゅうう…。ん…。