おい、聞こえるか。聞こえているだろ おっと、目は開けなくていいぞ。そのままわたしの声を聞くといい そう、お前はまだ夢の中。眠りの中なんだ じゃあ、その眠っているお前に話しかけているわたしは、一体なんだろうな? そうだ。わたしはサキュバス。人間の夢の中に現れ、精気を奪う悪魔だ。 どうだ?恐ろしいか? なに、心配するな。別にお前をとって食おうとは思っていない お前と少し、面白いことをしようと思ってな お前、なかなかに欲深い性癖を持っているようだな 隠しても無駄だぞ?サキュバスは夢を通じて、人間の心や思考、そいつの内面をすべて読み取ることができるからな そんなお前は…女になってみたい、と思ったことがあるだろう 女の体で感じる性的な快楽は、いったいどれほどの快感なのかと、いつも想像している そんな自分の性癖に気づいてからは、ただのオナニーで射精しても、どこか満たされないでいる 普段から、そんな思いを抱えているんだろう? だから、わたしがお前の願望を叶えてやろう お前に女の体を与えて、女の快楽を味合わせてやる そんなこと、どうやってするのか、だって? それはな、仲間から聞いた面白い魔法があるんだが… お前の魂を夢の世界に連れていき、そこに用意してある器の中に閉じ込めてやるんだ そうすれば、お前はいまの意識のまま女の体となり、女の快楽を感じることができるんだぞ 夢の世界では現実にはできないことでも、なんだって叶えることができるんだ 信じられないか?じゃあ、こうやって語り掛けているわたしの存在はなんだ? そう、わたしはサキュバス。夢を司る悪魔だ わたしにかかれば、夢の中で魂や体を操ることなど造作もない 心配するな。現実の体には影響はない どうだ?面白そうだと思わないか? だから、わたしに一晩、お前の魂を貸すがいい わたしの提案に乗るなら、心の中で、同意しろ よし、契約、成立だな。それじゃあ、今からお前の魂を夢のさらに深いところ、わたしの世界に招待してやる ほら、わたしの言葉に耳を傾けるんだ 深く、深呼吸をする お腹が膨らむくらい、たっぷりと息を吸い込む 空気が体の中にたまったら、長い時間をかけてゆっくり吐き出す ゆっくりと、息を吸い込む ゆっくりと、息を吐き出す 深呼吸を続けながら、頭の中に意識を集中させる 頭だけに意識を集中して、体の感覚を忘れていく 指の先、足の先から、体の感覚が、するする、するする、ほどけていく ほどける感覚が、体の中心に、だんだんと近づいていく もう、意識しなくても、呼吸が勝手に続いていく 体の感覚が、するする、するする、ほどけていく 体がほどけて、深く、リラックスする 次は、頭の感覚もほどけていく ぼーっとして、何も考えられなくなっていく するする、するする、思考がほどけていく 思考が、魂が、暗闇の中に溶けていく 体が、魂が、輪郭を失い、暗闇の中を漂う しばらく、暗闇に身をゆだねて、ふわふわ、ゆらゆら、漂っていく ふと、暗闇の中に、ぼんやりとした灯りが見える その光に、少しずつ、近づいていく 近づくと、ぼんやりと光る、人の形をした輪郭が見える その光を、しばらく観察する やがて、光が徐々に薄まり、形がはっきりしてくる 小柄な少女が、大きなベッドの上に横たわっている まだ成長期すら終えていないように見える、幼い少女 その少女の姿を、じっくり観察する 短く切りそろえた、さらさらの髪 長いまつ毛、小ぶりな鼻、潤った唇。まるでお人形のような、かわいらしい顔 その子は、薄いキャミソールと、可愛らしいパンティを身につけている 肩を露出した、涼しそうな格好。布は胸から腰にかけて肌を覆っているけれど、薄くて体のラインがはっきり分かる この体、もう少し観察してみようか 胸は小さく、平坦な肌に、かすかな突起が膨らんでいる けれども、肩と腰の丸みから、男とは違う、女性らしい体つきであることが分かる 腰の方、服の先から伸びた足には、肉付きのいい太もも むっちりと、やわらかそうなお肉が見える 可愛らしい少女の全身を、ぼんやりと眺める その体に、自分の意識が、どんどん近づいていく ほどけた意識が、少女の額にむかって、するする、するする、入っていく 頭から、胸。指先へ お腹から、腰、足先へ 魂が、少しずつ、新しい体に、浸透する 呼吸をしていることを思い出す 新しい体で、ゆっくり、空気を取り込む 新しい体で、ゆっくり、空気を吐き出す 呼吸を続けると、体に感覚が戻ってくる 小さな胸の中に、空気が出入りするのを感じる 細い腕に、感覚が満ちるのを感じる そして、足の先まで、意識が満たされる 新しい体の、全身に、自分の魂がなじんでいくのを感じる そろそろ、いいだろう ほら、目を開けてみろ ふふっ、ごきげんよう。ようやく会えたな ようこそ、夢の世界。わたしの世界へ こうして姿を見せるのは初めてだな …なんだ、私が思ったより幼く見えて驚いたか? ふん、確かに私は同族の中では小柄な方だが…お前、この方が好みなんだろ? だから私はお前を選んだのだ。それに、そういうお前はどうだ? お前こそ、私より小さな少女になっているんだぞ ひひっ、わたしも可愛い姿のお前と会えて嬉しいぞ ほら、生まれ変わった気分はどうだ? 今のお前は、わたしの言った通り、女の体になっている おっと、無理に体を動かそうとするなよ まだ器との同化は完全じゃないからな。魂と体が途切れないよう、そのままじっとしていろ ドールの体はな、同化したばかりではうまく感じられないかもしれないが その体に触れられて、肌の刺激を受けたり、魂の幸福を感じると、より同化が進み、どんどん敏感になっていく つまり、お前は女の快楽を感じれば感じるほど、さらに気持ちよくなれるんだ そしてその体はな、わたしが用意したラブドールだ エッチなことがしたいんだろう?この方がおあつらえ向きじゃないか あどけない少女の肉体。私も大人の人間と比べると小さな体だが、その私よりさらに小さな少女の体 お前はこんなふうに、抵抗すらできないような体で、されてみたかったんだろう? ひひっ、困惑しているのか?期待しているのか? お前の心、ざわついているのが分かるぞ サキュバスは人間の考えていることなど簡単に読み取れる お前が抱えていた変態的な願望も、すべて見透かされているぞ? 今の体、そんなお前にはぴったりだろう ここは夢の世界だ。現実では味わえない、文字通り夢のような快楽をたっぷり教えてやる さあ、夜は長いぞ。まずは何から始めようか?