パート1 これから自己催眠の訓練法をお伝えします。 まず初めに、催眠にかかりやすい環境を用意しましょう。 静かで快適な気温、そして少し暗い環境だといいですね。 環境が整ったら訓練開始です。 ただし、催眠はどうしてもかかり方にムラができますので、かかれない人は根気強く繰り返すことが必要になります。 では始めます。 練習1 右手を数回グーパーしてください。 この時「絶対に握る」、「絶対に開く」 と右手のみに神経をとがらせ、頭で最高に最大限強く右手をグーパーすることを意識してください。 意識してグーパーできましたか? できたら次のステップです。 右手に拳を作り、「絶対に握る」と頭で念じながら、 拳をゆっくり開いてください。 開ききったら、「絶対に開く」と頭で念じながら ゆっくりと握り、拳を作ってください。 今の一連の操作は、体の動きと頭で念じていたことが正反対になっています。 これを10回ほど繰り返します。 できた場合は次のステップに移りましょう。 右手で拳を作り、「開くな」と念じながら本当に開かないでください。 その後「左手で拳を触ると右手が開く」と頭の中で10回ほど唱えましょう。 できたら実際に左手で右手を触ってください。 その際、頭では「開かない」と連呼しつつ、拳を開いてください。 これを数回繰り返します。 いよいよ確認のテストです。 「開かない」と念じつつ拳に少しだけ力を入れてください。 そのあとは何も念じず、拳を握ったままにしてください。 それでは右手を開こうとしてみてください。 このとき何の抵抗もなく開けてしまった場合、最初からやり直すほかありません もし開きづらかったり、開かなかった場合、拳に左手を当ててください。 きっと開きやすくなっていると思います。 これを何度か行い、左右を入れ替えて拳は左、あてる手は右ができるようになれば完璧です。 根気強くやってみてください。 パート2 このパートはパート1を実践し、できた方を想定しています。 パート1では手が握ったままになる催眠、 そして握ったままを解除する催眠についてお話ししました。 これは筋肉の緊張と弛緩が催眠によって動かせるようになったことを意味します。 催眠は脳の錯覚や情報量の制御で成り立っていますので、 いかに脳を騙せるかがカギです。 パート1で筋肉の動きをいじったのですが、 筋肉は情報の末端ですので今度は情報の上流、「感覚」を騙していきましょう。 では始めます。 練習2 頭の中で「右手が温かい」と念じ、温かく感じるまで念じ続けます。 温かく感じられたら左手、右足、左足と範囲を広げていきます。 できましたら 頭の中で「右手がひんやり」と念じ、ひんやりするまで念じ続けます。 ひんやりと感じられたら左手、右足、左足と範囲を広げていきます。 これを10セットほど行ってください。 あまり効果がないと感じた場合はパート1に戻ってみるのも手です。 10セットできましたでしょうか? できた場合、次のステップに行きます。 「リラックスできている」とゆっくり、5回ほど念じます。 そのあと「爽やかな気分だ」 とゆっくり5回ほど念じてください。 これらも10セットほど行ってください。 なんとなく落ち着いた気分になれれば成功ですよ。 これらを習得できると実生活でのストレス軽減にもつながりますので、 多少はお役に立てると思います。 パート3 このパートはパート1を実践し、できた方を想定しています。 パート2が出来ていなくても実施できますので、パート2がうまく出来ないときにやってみるといいかもしれません。 ある程度広いスペースを確保してください。 そのスペースの端から端まで何歩で到達できるか数回往復して覚えておきましょう。 端に立って反対の端に向かってゆっくりとあるきます。 その時に右足を上げる、右足を運ぶ、右足を下ろす のように自分の足の動きを脳内で実況してください。 左足も同様にしてスペースを数回往復してみてください。 先ほど測った歩数としっかりと合っていれば成功です。 次にこれらの動作を目を閉じておこなってください。 続けてやっていると感覚が研ぎ澄まされ、意識を1点に集中しやすくなります。 また、脳はバランスを取ることと、歩数の感覚を維持することでいっぱいいっぱいになるので、 脳内の色々な考え事が押し出され、スッキリとした状態になります。