※本台本は依頼時の台本であり、完成音声とは内容が異なっている可能性があります。 ご了承くださいませ。 ■1話『吸血姫様と執事』 お入り下さいませ あら お母さまかと思いましたのに わたくしのかわいい執事でしたの ふふ こんな遅い時間にどうしたのです? あらあら、気になさらないで 失望なんてしておりませんわ わたくしに会いに来てくださったのでしょう? とっても嬉しいですわ ほら、わたくしの隣、いらして? ここ いらっしゃいな? あたたかいですわね ふふ アナタ、意外と体温が高いんですのね いつもこぉんな、しかめっつらですもの、身体は凍(い)てついているものかと思っておりましたわ ふふっ それですわよ、そぉれ、無表情のそのお顔 もぉ からかい甲斐がない子ですわね、まったく …それで、アナタはご主人様を、あたために来てくださったんですの? ふふ、必要とあらば、ですか 相変わらず可愛げのないお返事ですのね わたくし、アナタをすこぉし、いじめたくなってきましたわ …いじめて宜しいかしら? ふふ だぁめ❤ いじめますわ♪ わたくしのこと、抱きしめなさいな ぎゅって。ほら 遠慮なさらないで? わたくしが抱きしめたら、人間のアナタは、簡単に潰れてしまいますもの アナタから、ぎゅーっとなさいませ んっ ん んっ ほら、もっと強く抱きしめなさいな んっ ん はぁ❤ あたたかいですわ はぁ はぁ んふふ アナタを感じますわ。温もり、鼓動、香り、息遣い。 アナタを五感全てで感じますわ。 アナタはどうですの? はぁ はぁ アナタの敬愛するご主人様の香り、息遣(づか)い、いかがですの? はぁ はぁ あらぁ❤ しかめっつら、崩れてきましたわね❤ ふふ それにしても、改めて実感いたしますわね。 わたくしは吸血鬼で、アナタは人間、ですのね。 だって、アナタはこんなにも温かいんですもの ねぇ、執事。わたくしの身体、ひんやり冷たくて気持ちいいですの? …ふふ 息が荒いですわ。では、今この時のみ、わたくしを想うことを許してさしあげますわ。 恋人のように思いっきり抱きしめて、もっと気持ちよくなりなさいな んっ ん ふふ そうですわ ぎゅーっと抱きしめるのですわ んっ ん 情熱的ですのね はぁ はぁ ふふ とっても温かいですわぁ はぁ はぁ やはり、血、ですわね。 人間の身体を巡る血が、アナタを温めているんですのね? ねぇ 執事。血をぜんぶ吸い取っていいかしら はぁ はぁ 貴方の首筋に ここに思いっきり牙を突き立ててもよろしくて? アナタが冷たくなるのか、知りたいんですの 宜しいですわよね? ふふ とろけたお顔になっておりますわよ はぁ はぁ 先程のしかめっつらが嘘みたいですわね ふふ ではいただきますわ あーーむ あむ あむ あむ ふふ なぁんて♪ 甘噛み、ですわ 今日吸い尽くすなんて、そんなもったいない事はいたしませんわ アナタにすべてを捧げて頂く日は、決まっておりますもの あぁ❤楽しみですわ❤ …あ♪ その日まで、他の吸血鬼の方々に手を出されないように、マーキングでもしておきましょうか もう一度、首筋を差し出しなさいな ん よろしいですわ いきますわよ? んーーーちゅっ ふふ 強く吸いすぎましたわ でも、わたくしのものだという証が頂けてよかったですわね? ふふ 幸せそうにとろけたお顔をして もぉ 本当にかわいらしい執事ですわ おでこにもご褒美をさしあげますわね んちゅ さて、そろそろ夕食を頂くとしましょう 執事、アナタも手伝いなさいな ふふ 人間のおじさま、お待たせしましたわ 先程から地べたで這いつくばりながら、涙目で震えて…、おかわいそうに… 執事で少々遊んでおりましたので、遅くなりましたわ 申し訳ございません…食事前に、お行儀が悪かったですわよね でも安心なさって。 高貴なわたくしが、責任をもって、おじさまの血をぜんぶ吸い尽くして差し上げますわ♪ さ、執事、おじさまを押さえつけなさいな あら ふふ おじさまったら、泣きながら両手を広げて、みっともないですわ なぁに、ぎゅーってなさりたいの? 先程の執事みたいに、わたくしの胸に抱かれたいんですの? わたくしの胸の中で、優しく吸い尽くされたいのですわね? ふふ もちろんダメですわ わたくし、下等生物と触れ合う趣味はありませんの だって、汚らわしいんですもの この執事は特別、ですのよ? さ、おじさま、わたくしに吸われる為に、今までよく生きてきましたわね。とってもえらいですわ 心を込めて一滴も無駄にせず、吸い尽くしてさしあげますわ ふふ まぁ 最後までじたばたと…ぶざまですわ… はぁ… わたくしに吸って頂く事の価値が分からないなんて、本当に下等生物ですのね では執事。後片付けは任せますわね 食事中は夢中になって、ついぐちゃぐちゃにしてしまいますもの。 ふふ では❤ 頂きまぁす❤ あーーーぐっ