TR01.プロローグ「あなたと私」 うっ、もう出ちゃったの? あと少しで話の中の男が射精するところだったのに…あんたイクの早すぎない? こんな早漏のペニスじゃ、私以外の女ならとっくに他の男に乗り換えていると思うわよ。 はぁ、あんたって本当にこういう話に弱いのね…まったく、初めて打ち明けられた時は「どういうこと?」って思ったけど…まぁそうね、今なら少しは理解してあげられそうだわ。 それにしてもこの精液の量、昨日私とセックスをした時よりも多くない? うぅ、なんか悔しいんだけど…って、ねぇ聞いているの?…はぁ、すっかり余韻に浸っちゃっているみたい…まぁいいんだけど。 薬師の修行をしていた頃の思い出したくもない過去、こんな話であんたに悦んでもらえるのは嬉しいんだけど、でもなんか…すごく複雑な気持ちだわ。 遠い昔のこと、幼い頃に移住した村で私はあなたと出逢いました。 遊び相手が他にいなかったっていうのもあると思うけど、あなたとは毎日のように遊び、笑いあい、時には喧嘩をして…母が作ってくれた大切な服を汚してよく怒られたりもしました。 生意気な性格の私とは正反対のあなた…落ち着いた空気がとても心地良くて、少しずつあなたとの距離が近くなっていくのを感じました。 やがて私たちは大人になり、あなたは村に残って農夫に、私は薬師の道へと進みました。 薬の知識を学ぶために村を出て、離れた大陸にある街へと移り、そこで薬師の先生に仕えて数年のあいだ勉強に励みました。 失敗だってたくさんして、先生に厳しく指導されながらも学び続け…そしてようやく、私は憧れだった薬師になりました。 久しぶりに村へ戻ってきた私に、すっかり立派な顔つきになったあなたは…… その日から私たちは恋人になり、ほどなくして…結婚。 月明かりの綺麗な夜にあなたが私にくれた言葉は、この先も忘れることはないでしょう。 生意気な性格の私とは正反対のあなた…だからこそ惹かれあったのかもしれません。 いつまでニヤけた顔をしているのよ。ほら、あんたも拭くのを手伝いなさい。 いっつも後片付けまで私がやっているんだからね、もう…あの時の凛々しい顔つきはどこへいったのかしら、今となっては私の記憶の中にしかないのかもしれないわね。 まぁでも、あんたのそういうところも愛おしく感じてしまうんだけど…ふふっ。 えっ?ううん、何でもないわ…い、いいから早く手伝いなさいよ! なに?そんな目で見るなら次からはもう話してあげないわよ。 はぁ、あんたの性癖に効く薬なんて……あるわけないか。 私の名前はアシュリー。 今は愛する夫と暮らしながら、故郷の村で薬師をしています。 子供はまだいません…ええ、夫と子作りはしているんですけど…そのぅ、夫の性癖に付き合ってあげる夜が多くて…はい、それもあって。 でも、いつかは愛する夫の子供を身ごもると思います。 今までたくさんの男たちに中で出されてきたけど、私はあなたの… あんたの子供を産みたいから。