1. 図書委員の先輩 春はあけぼの…夏は夜…。 冬はつとめて…。 そんで…なぁ? 秋は、なんやと思う? …ふぅん…知っとったんや? まぁ、当てずっぽうかもしれへんけどねぇ…。 だって、今が正にその「夕暮れ」やし。 窓の外見て、そのまんま言うたんちゃう? …ふふ、嘘や嘘。 疑うて悪かった。 あんたはなんや、ついおちょくりたぁなるさかい…堪忍してな? …「もう慣れました」って、冷たいなあ…。 ん…図書室は夕暮れ、後輩からかい冷たなりたるに、その横顔を見ゆるは… 案外満更でもなさそうで、いとおかし…。 …ふふっ。あかん、これは清少納言はんには内緒やな。 それにうち、古文はあんましやし…怒られてまうかも…。 そうなったら…あんた、一緒に怒られてくれる? …えー…先輩を見捨てんの…? はぁ…ここまで立派な図書委員に育ててあげた恩を忘れたんか…。 悲しいなぁ…。 …あはは、なに困ってはんの? もう…あんたがそーゆう反応するさかい、うちもつい調子乗ってまうわぁ…。 …ふふ。ま、阿呆なこと言うてへんで、そろそろ帰ろや。 もうこの時間に図書室使う生徒もおらんやろし…。 …え~、なんや「阿呆なこと言うてたのは先輩だけ」やなんて。 うち、友達にやってそこまでずけずけ言われへんねんけど…。 ふふ…あんたはほんまにいとおかし、やな。 ん…? なんや、話って? …ふふ、なにをもじもじしてるん? 今の今まで、つーんとした態度やった癖に…。 …ん、好き? うちのことが…? …なんやなんやぁ…♡ あんた、うちに惚れとったんかぁ…♡ まぁ確かに、カウンター当番なんて一人でもええのに、 あんた…よくうちと一緒に入りたがってたしなぁ…♡ …んー…?あぁいや、別に気付いとった訳とちゃうよ? ただ、何となくは…な? …ほらあんた、うちがここで本読んどったら、 自分も本読む振りしてうちのこと、よう見とったやん? そやから、なんやうちに気ぃでもあるんかなぁ…ってな。 ふふ…でも、うちが話しかけるとあんた、スンッ…て気の無い感じ出しよるから、 つい色々と構ってもうた気ぃもするけど…。 …そんで? うちのどーゆうとこが好きなん? もしかして…背ぇ小っちゃいけど、意外とおっぱい大きいとことか…? あんた、よううちのおっぱい見とったもんね…? …あはは、ごめん嘘やって。 というか、そないに焦っとったら自分からバラしとるようなもんやろ? ほんまにあんたはおもろい子やねぇ…♡ …ふふ。ま、ともかく…あれやろ? うちと付き合いたい、ってことでええんよな…? せやったら、それ自体はええんやけど…。 一個だけ、条件があって…ええ? …あんな?うち、あんたも知っとるように、 ほんまもんの鬼を先祖に持つ、鬼の末裔なんよ。 やから、付き合う相手…。 つまり、将来の旦那になる可能性のある相手にはな、強さが必要なんよ。 …あ、強さ言うても、腕っぷしの方やないよ? うちが言うてるのは遺伝子的な… そう、要は子種の強さや。 普通の人間で、うちを孕ませられるほどの強い子種を出せるかいうと、 ちょっとハードル高めかもしれへんけど…。 あんたは…自信ある? …ふふ、なんやそないにポカンとした顔して…。 突然の話やから、びっくりしてもうた? んー…まぁでもな?これはうちらの一族にとっては常識なんよ。 受け入れられへんって言うねやったら、 どっちにしろうちらが付き合うんは難しいわなぁ…。 …ん…?頑張る…? ふふ…そうかぁ…♡ ほんなら、確かめさせてもらおかな…♡ ん…ふふ…♡ ここやと、もしかしたら誰か来てまうかもしれんから… そこの、準備室の中…行こか…♡ 鍵もついとるし、おあつらえ向きやろ…? そこで、あんたがどれくらいの強~い子種を出せるんか、見してもらうから…。 ふふ、よろしゅうな…♡