◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 04-01.待ち合わせ〜歩き出し ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ //駅前。軽い雑踏 //後ろから 【舞結】 「お帰りなさい」 //振り返って舞結と正対。距離1mほど 【舞結】 「私もさっきついたばっかりだから……」 【舞結】 「えっ、なにが?  具合悪いどころか、とっても元気だけど?」 【舞結】 「ああ……実はかなり緊張してる。  ほら、やっぱり意識しちゃうから……えへへ……」 【舞結】 「この前会ったときと、全然違うの。  心臓が全力出してる感じ」 【舞結】 「む、胸元は見ないで。  言葉だけで察してよぉ」 【舞結】 「……うん、ありがとう。  そういうのはほら……まだ先……でしょ?」 【舞結】 「(それなりのスキンシップはしたいけど……)」 //小声です。 【舞結】 「あ……それでね。  ちょっと提案って言うか、わがままって言うか……」 【舞結】 「お兄ちゃんの家に行ったりするのはまずい……?」 【舞結】 「……大丈夫? ほんとに?」 【舞結】 「晩御飯はね、実は作ってきたの。  お弁当だけど」 【舞結】 「学校終わってからダッシュで帰って、  必死に頑張ってみた」 【舞結】 「ほら、うちはお父さんと私だけだから、  料理は結構するんだよ」 【舞結】 「だからきっと……たぶん……味は悪くないはず」 【舞結】 「……喜んでくれるのは嬉しいけど、  そんなに力入れて喜ぶほどかな」 【舞結】 「食べたら感想よろしくね」 【舞結】 「うん、ついていくね……」 【舞結】 「……いい人だね。  お兄ちゃん」 【舞結】 「突然じゃないよ。  前もそうだった」 【舞結】 「お母さんのこと聞かないでしょ?」 【舞結】 「……あのね、3年前に天国に行っちゃったの」 【舞結】 「で、一緒に写ってる写真があって、  それをお財布に入れてるの」 【舞結】 「だから、お財布を落とした時は、  もうね、死んじゃいそうだった」 【舞結】 「……ほんと、ありがとうね」 【舞結】 「えへっ、じゃあついていく」 【舞結】 「ごめんね。  予定変更なうえに急に家に行きたいなんて言って」 【舞結】 「うん、そうしたいって思ったからちゃんと言ったの」 【舞結】 「そういう約束だもんね。  ってことで、案内お願いしま〜す」