【3終了のご挨拶】 ──博士がゲストルーム内へ戻ってくる。 オーナー様、お疲れ様でした。 これにてセッションは終了ですわ。うふ、お楽しみ頂けたかしら。 ヴァーサ、上手に出来ていたわよ。 〔Article-021-423〕 「ン」 幸運なことに、あなたは特別なご契約の対象に選ばれたのよ。 この方の事は、今後はオーナーとお呼びしなさい。 〔Article-021-423〕 「オーナー」 うふ、よろしい。 おっと、他の呼ばせ方の方がお好みでしたか? 「ご主人様」とか「飼い主様」だとか、或いは「パパ」とかの方が……あら、そんな趣味はない?  結構。 さて、名残惜しいかもしれませんが、ひとまずお別れのお時間ですわ。 さぁ、ヴァーサ、お部屋に帰りましょうね。ホーム。 ── 〔Article-021-423〕は不服そうに唸る。 あらあら、離れようとしませんわ。 オーナー様……これは随分と懐かれてしまいましたわね、うふ。 少々お待ちを、すぐに退かせますわ。 大丈夫、当連盟は何せ、超先進的非合法組織ですもの。こういった怪人の躾は徹底しておりますの。 お戻りなさい。 ── 〔Article-021-423〕はベッドから乗り出し、月見山博士の右手に噛み付く。 ──月見山博士は悪態(本人希望により割愛)をつき〔Article-021-423〕振り解く。 はぁ、はぁ……ほら、ホーム! ── 〔Article-021-423〕は駆け出し、モニタールーム側のドアから退出する。後に保安職員により確保されビオトープへ戻される。 はぁ……おほ、おほほ。 では改めて……お疲れ様でした。如何だったかしら。 とても刺激的な時間だったでしょう?  アーティクル21号はあの通り、とても従順なの……ええ、概ね従順ですの。 それにしても……オーナー様。あなたのような同好の士に巡り会えて、わたくしは幸運ですわ。 もしよろしければ、今後も当セッションをご利用頂いて、様々なアベラントとインターコースなさって。 うふ……いい娘、揃っていますわよ。 どれも、ビジティングスタッフの体を張った試験のもと、安全な運用手順が確立されています。 もちろん、ヴァーサと今日の続きをするというのも大歓迎ですわ。 またすぐにご案内させて頂きますわね……と言いたいところなんですけれど。 わたくしが監督している当セッションは、まだまだ発展途上でございます。 より多くのご出資……いえ、より多くの同好の士……この交流会に理解のあるパトロン様を、常に必要としております。 オーナー様も、もしお心当たりがあれば……口の固いご友人に、それとなく……うふ、お解り頂けますか?  それと、窓口を設けておりますフロント企業にて、フォローやレビューにご協力頂けますと幸いです。 このインターコースセッションを始めようって言い出してから、わたくしすっかり仲間から白い目で見られるようになりまして……。 ですが、ご利用されるパトロン様が増えてくだされば、その認識も改まるというもの……どうぞよろしくお願いいたします。 では、ご縁があればまたお会いしましょう。 今後も……楽しみましょうね! ご案内を務めましたのは、月見山知実でした。交流ログを終了します。 ──ログ終了。