;//////// ;Track0 タイトルコールとこの音源の楽しみ方 ;//////// ;ナレーション(タイトルコール) ///;夏。蝉しぐれ。川べり ;SE 駆け足(草原)近づいてくる ;9/前遠 なるたけ遠く 「おーーーーーい」 ;SE 足音 接近 1/前 「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ」 「遅れてごめんね! 夏葉、時間ちょっとうっかりしてて、 走らなきゃ! って思ったんだけど、 暑くてあんまり走れなくって――あ!」 「お水。うれしい! ありがとー!」 ;SE ペットボトル受け取る→キャップあける 「(ごくっ! ごくっ! ごくっ! ごくっ!) ――ぷあぁ! きく〜っ! おいしいっ!!」 「(ごくっ! ごくっ! ごくっ! ごくんっ!) ふぁ……あー。 汗かいちゃって抜けたお水が、そのまましみこんでくるみたい」 ;SE ペットボトルつぶす。ぺこっ 「お水、すっごい助かっちゃった! さすがっ…… ええと――ええと、なんて呼べばいいかなぁ。 その……あなたのこと」 :息を詰めて話聞く――期待してたより嬉しい! 「(呼吸音)――(呼吸音)!」 「あはっ! うん、わかった! "ご開祖ちゃん"だね。なんだかかわいくて呼びやすい! ご開祖ちゃん――ご開祖ちゃん!! えっへへ〜」 「じゃ、ご開祖ちゃんも夏葉のこと、夏葉って呼んで! じゃなくて! ええっと、あ! そうだった!」 「ご開祖ちゃんって、初代のひめみや様なんだよね? 今のひめみや様よりずうっと昔の――一番最初の!」 「うん……うん――あ! やっぱりそれって本当なんだ! 夏葉もね? 一番最初にご開祖ちゃんのこと見たときから、そうじゃないかなーって思ってたの」 「だからなの! 夏葉が『さすが』って思ったの。」 だってね? 今のひめみや様も、夏葉が喉かわいてると、いっつも麦茶くれるから」 「うふふっ、そうなの。優しいとこ、似てるの。 今のひめみや様と、ご開祖ちゃんって」 「けど……ご開祖ちゃんはずうっと前にひめみや様を卒業して―― いまは、トチガミ? っていうのしてるんでしょう?」 「えへへ、すごくないよ〜。だって知ってるの、お兄ちゃんに教えてもらってたおかげだから」 「おにいちゃん、夏葉にもちゃんと教えてくれるの。 今してるお仕事のこととか、そのまわりの人間関係…… あやかし関係? カミ様関係のこととかも!」 「ななつらおのなな様が新人――新カミさま? で、 ご開祖ちゃんがずっとまえからのトチガミさまって」 「……うん。……うん。……え、わ! みたい! 夏葉、それってみてみたい!!」 :SE 「わ」から合わせてて、気が急成長して葉が生い茂る 「あ――うん。そのちっちゃな木のこと見たらいい―― わ!? わ! わわわわわっ!!!」 「…………(ごくっ)――っ!」 ;SE ダッシュの足音 1/前→;11/右遠 ;11/右遠(マイクに背中) 「すごい! すごいすごいすごいすごい! 木、夏葉のひざこぞうくらいまでしかなかったのに! こおんなに大きく! すごい! すごいっ!」 ;SE ダッシュ ;11/右遠→1/前 ;1/前 「夏葉、びっくりして感動しちゃった! ご開祖ちゃん――ほんとに土地の、ものべののカミ様なんだね〜!」 「あ!? けど――だったら―― これ、なんで? 『おねがいごとある』って、お手紙」 「夏葉がカミ様にお願いするんならわかるけど―― ご開祖ちゃんが――カミ様が夏葉にお願いあるの? 書き間違えとか、出し間違いとかじゃなくって??」 「……(呼吸音)――うん……うん。あ! わかった! そんなことなから簡単! 夏葉、それじゃあ読んだげる」 「読むよ〜…………………………ぁぅ……」 ;小声 「あの、あの、ご開祖ちゃん。ちょっと、ちょっと来て、ちょっと」 ;小声 「この字って――きょうしゅうたん? きょうしゅうたんってよむの? わかった。覚えた。きょうしゅうたん。きょうしゅうたん」 ;小声 「それじゃ、今度こそ読むね。(す〜〜っ)」 「『あやかし郷愁譚! 妹 夏葉!』 って!!!?」 「夏葉! あやかしじゃないよ〜! 人間だよ!!? ただの人間で、おにいちゃんの妹で――え? なに? 『その草むらに』?――って!!!?」 ;SE 草かきわけ ;2/右前 「おにいちゃん!!? どうしたの!? しっかりして、おにいちゃん! どうしてこんなところでねちゃってるの!!?」 ;顔だけ反対側向けて 「え? なに、ご開祖ちゃん? うん……うん……うん……あ、そうなんだ」 「おにいちゃん、ものべのにいろんなあやかしを呼んでくるためにがんばってて―― それでもう……こんなになるほどくたくたに疲れ切っちゃって――」 「だから、夏葉が――おにいちゃんのこと元気にしてあげるために、いやして、はげまして、おうちのあったかなお布団のなかで、ゆっくりぐっすり眠れるように――」 「『ばいのーらる』? っていうのを活かして、 おにいちゃんとたくさんたくさん、お話すればいいんだね? わかった!」 「最初は? うん。おにいちゃんにヘッドホンかイヤホンつけてあげればいいの? ……へ〜! ヘッドホンかイヤホンがないと、バイノーラルって、一番効果的には楽しめないんだ」 「でも、こんなとこにヘッドホンかイヤホンなんて―― って、わ。ご開祖ちゃんほんとに準備いいんだね〜。 えへへ、ありがと。借りちゃうね!」 ;顔向き直って 「それじゃ、おにいちゃん。夏葉がつけてあげるね〜 ――ん、しょっ――っと!!!」 ;SE ヘッドホン装着 「えへへ? 上手についてる? ちょっと、試してみるね??」 ;3/右 接近囁き  「みぎみみ〜 みぎみみ! みっぎみみ〜 (ふーーーーーっ!)」 「えへへ、よさそうな感じかな? そしたらこんどは〜」 ;3/右→1/前→;7/左 「ぐるーーーーってまわりこんでぇえ」 ;7/左 接近囁き 「ひ・だ・り・み――って?」 ;7/左 「わ! おにいちゃん、目が覚めた! やった! よかったぁぁ〜!!!」 ;SE どんっ、って感じ。密着してあまえる 1/前 「あのね? おにいちゃん、夏葉ね? え? (呼吸音)――あ! そうなんだ! 聞こえるのは全部聞こえてたんだ!!」 「なら、ご開祖ちゃんの話も――あれ? あれあれあれれ? ご開祖ちゃんは???」 「あ……うん――そうなの? 用事が済んだからいっちゃった…… いっちゃったんだね、ほんとに。む〜〜」 「そんなに忙しいんだね。 ご開祖ちゃん――トチガミさまのお仕事って。 って、わ!」 「おにいちゃん、もう立っても大丈夫なの? え? そうなの? 夏葉のおかげで元気百倍なの? やったぁ! えへへっ!」 1/前→;3/右;→5/後 「そーれーじゃーあーあ〜」 ;5/後 「えへへ? おにいちゃん。夏葉のことを、おんぶして? わ!!!」 ;SE 駆け足 「やったー! 早い早い! おにいちゃん号! このままおうちへ! 夏葉のことを連れてって!!!」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track1:夏葉と山遊び ;//////// ;SE 板張りの廊下 ととととと ;SE ふすま すぱーん ;15/左遠 「あーーーー! おにーちゃんまだ寝てるー!」 ;7/左 「おにいちゃん、起きて! 起ーきーてーー!!! 今日は夏葉と一日遊んでくれる約束でしょー!?」 「すみちゃんとえみちゃんはものべの保育園のお泊り遠足でおでかけだし、 お隣のありすちゃんと尚武おじちゃんと菜穂子おばちゃんも家族旅行だしっ!」 ;SE お腹の上にのる 1/前 「今日は夏葉がちょーひさびさに!!! おにいちゃんのこと独り占めできちゃう日なんだよー! だーかーら!」 ;;3/右 接近ささやき ;大人っぽく 「(ふ〜〜〜〜っ)起きて? おにいちゃん」 ;無邪気に戻って 1/前 「あはははは! びくってなったー! すぐおきたー! おはよう! お寝坊さんなお兄ちゃん?」 「まだ眠い? びっくりさせちゃってごめんねー? うふふ〜、お目々ぱちぱちって――あ。おにいちゃん目やについてる〜」 」 「もう、だらしないなー。 ほんと、夏葉がみててあげなくちゃダメなんだから!」 「ほらほら、はやく! はやく起きて、お顔洗ってきて!!」 ;SE 階段降りる ;SE 廊下歩く ;SE 蛇口ひねる顔洗う蛇口締めるタオルで顔拭く (A)  :SE (A)のバックで忍び足の足音が近づいてくる ;15/左遠→;13/後遠→;5/後 ささやき  「(ぬーきーあーしー さーしーあーしー しーのーびーあー……くすくすっ)」 ;5/後 「わっ!!!!!!」 ;7/左→1/前 「えへへ! びっくりしちゃった? 大成功〜〜っ!!」 「今日のおにいちゃん、夏葉にびっくりさせられてばっかりだね〜! 大丈夫? ドキドキしすぎちゃってない? 聞いちゃえ〜! えいっ!」 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 1/前 (心臓に耳当ててる高さ)  つぶやき  「……ドキドキ、早いみたいな気もするけど―― どうかな? よくわかんないや」 1/前 「え? 『夏葉のとくらべてみたら』って―― ダメだよ、夏葉のドキドキも早くなっちゃって――ふわわっ!」 ;SE 飛び退る とっ ;9/前遠 「えとっ! あのねっ、おにいちゃん! あのっ、あさごはん、もうできてるの! だから、ほら! 早く食べて、遊びにいこー!!!」 ;SE 裸足の足音 ととと ;10/右前遠(なるたけ遠く 「ほらー! おにいちゃん! 早く早くー!!」 ;SE 笛吹ケトル ピー ;SE コンロ止める ;SE カップにお湯とぷとぷ→ティーバッグぽちゃ ;SE 電子レンジ チン! ;SE 食器カチャカチャ(レンジから食卓に運ぶ) ;9/前遠(テーブルを挟んでむきあってる) 「おにいちゃんがおねぼうだから、あっためなおしになっちゃったけど―― えへへ! 夏葉特製! 鶏ハムつかったハムエッグでーす!」 「サラダのマッシュポテトもね! 夏葉がひとりでつくったんだよ! ミニトマトも――あ! そうなの!! 畑でつくったとれとれのやつだよ〜 っと」 「紅茶、もういいよね? ん……っと。 おにいちゃんは、ミルクもお砂糖もいらないんだよね」 「それじゃ、食べよ――って! ちょっとたんま!! 夏葉、いいこと考えちゃった」 「えっへへ〜、せっかくふたりきりなんだもんね〜!」 ;9/前遠→;11/右遠→;3/右 「とーーーーー! 夏葉ちゃん大移動〜 ぐるーーーん!」 ;SE 隣に座る(畳+ざぶとん) ぽふっ ;3/右 「じゃ食べよ? いただきますしよ? せーの、 『いただきまーーーす』 えへへっ!」 ;3/右 接近囁き 「大サービスで、夏葉があーんしてあげるね〜」 ;3/右 「はぁい、おにいちゃん! 『あ〜〜〜ん』」 「うふふっ! おいしい? ―― えへっ! よかった〜!」 「それじゃあ夏葉もいただきまーす! ああ、もうっ! 夏葉のお尻、ふたつに割れちゃたし!!」 ;下にあわせて駆け上がる足音 :1/前 → ;9/前遠(できるだけ遠く) 「もーーーーーーー! 夏葉おこったんだからねーー!」 ;SE くさぞリ ;SE 違和感でなければ、コミカルな「ひらり」いれていただいてもいいかもです ;9/前遠→;3/右(耳のすぐ横通過)→;12/後右遠 「とつげきーーーーーいっ! って、どうしてよけるのおおおおおぉぉ! ――あっ!?」 ;SE ずでーん、ずざざざざ べちょっ ;12/後右遠 「きゃううううううっ! あうっ!」 ;SE 足音近づいてくる ;2/右前 「あうあうあう〜 こけちゃったー。 顔に草ついた〜〜」 1/前 「う〜〜!! おにいちゃん! 草とって、草」 ;SE ぱっぱっ、さっさっ 「って、そんなに雑にじゃなくって! 髪に絡んでるのとかも! ちゃんとっ! ――あ」 1/前(密着) 「お……おにいちゃん……ちょっと、近くない? ……はぅ」 ;SE 指で髪弄り 「(呼吸音)(呼吸音)……ん――(呼吸音)(呼吸音)」 「(呼吸音)……(呼吸音)……(呼吸音)――うふふっ!」 「どうもありがとう、おにいちゃん。 今ね? なんか、ね? 大事にしてもらって、夏葉、うれしくなっちゃった」 「もちろん、いっつもだって大事にしてもらってるけど――ふふっ。 髪とかいじってもらうの、すっごくひさしぶりでしょう?」 「だからね? なんか、むかしみたいで。 夏葉だけのおにいちゃんが戻ってきてくれたみたいで―― えへへっ――あのね? 耳貸して? お耳」 ;3/右 接近囁き ”あ”だけ、通常の;3/右で 「夏葉。とーってもしあわせなの。えへへっ――あっ!」 ;SE 風が草原を履く ざぁぁぁぁぁっ―― ;飛車角とのグライダーのことを思い出す ;晴れた寂しさ。寂しいけど思い出すことが嬉しい ;3 「……思い出しちゃう。なんだか、こんな風が吹くと」 1/前 「おにいちゃんもなの? ――だよね、そうだよね。 ……懐かしいな、グライダー。 けど――うふふっ、いまの夏葉は、もう重すぎかな?」 ;2/右前 「ね! おにいちゃん、木登りしよう? あの木! 昔よく登ってた木で!!」 ;SE 足音 ;5/後 (マイクより低いとこ) 「夏葉ね? あの木の上で―― なんだかもっと……もう少し、風を感じてみたくって!」 ;SE 夏葉駆け出す ;SE 風 ;SE 木登り 「ん……しょっ――んしょっ――おにいちゃんが―― 登れてる、から――大丈夫だって――思う、けどっ!」 ;SE 木登り 「ん……くっ――はうっ――やっぱり、おっきくなると――枝、細いの、前より、こわいっ―― って!? ひゃうっ!!?」 ;SE ガサガサ(早い 「あ……(ごくりっ)――お、おにいちゃん、ありがと。 夏葉、いま、ちょっと危なかったよね……」 「うん――(呼吸音)――うん。 焦らず、慌てず――<木登り>―― 三点、保持で――慎重、に――<葉擦れ>――んっ!!」 ;7/左 「あ――(呼吸音)――」 「わ――わ――わああああっ!」 「綺麗――綺麗、綺麗! 昔見たとき、夏葉が覚えてる景色より、ずっと―― ずうっと綺麗!!!」 「うちとありすちゃんたちのおうちって、こんなに小さかったんだねぇ――それに――それに――」 ;SE 風、葉擦れ 「ものべのって、こんなに綺麗で大きくって―― 木ばっかりに見えるけど、川も、橋も、おうちも、車も、畑も、鳥も、しばてんも――あ! ほら、あそこ、見ておにいちゃん!!」 「うごいてる、なんだろ? シカさんかなぁ。 それとも、ひょっとしたらとおこさんかなぁ!」 「(すうううっ) おーーーーーい! ここだよー! おにいちゃんと夏葉、ここにいるよーーーー!」 ;やまびこ (エコー→F.O.) 「えへへ、とおこさんじゃなかったみたい。 それとも、声、とどかなかったのかなぁ」 「……すごいね、ものべの。 ちっちゃなころの夏葉はぜんぜん、気が付かなくって、 なんにも見えてなかったけど!」 「ものべのって! こんなにたくさん! たくさんたくさん! にぎやかなんだね!!!」 ;SE 風 ;//////// ;Track2:縁側で、西瓜と夏葉とネコちゃんと ;//////// ;SE 遠くシャワー音 ;14/後左遠 (なるたけ遠く 「♪ふんふふふ〜〜ん」 ;SE 遠く。蛇口ひねる。シャワー止まる。バスタオルごしごし。 ;SE 遠く。衣擦れ 「ん……しょ。よいしょ!!」 ;SE 板張り廊下、裸足、足音。近づいてくる。 ;14/後左遠→;6/後左→;7/左 「おっまたせーーーーおにいちゃんっ――!」 ;7/左 高いとこ 「わ! すごい!! 縁側が天国になってる!!! 麦茶に西瓜に! お塩もぜぇんぶちゃんとある!!」 ;環境音 縁側。風鈴。F.I. ;SE 座る ;7/左 「えっへへ〜夏葉も麦茶もらうね〜 <SE とぷとぷとぷ> おととっ! あふれちゃうあふれちゃう(ずずっ)」 「えっへへー! おにいちゃんとふたりっきりの縁側に! カンパーイ!!!」 ;SE 乾杯 「(ごくっ、ごくっ、ごくっ)――ぷあっ! あー、汗かいたあとの麦茶おいしー!」 「やっぱり夏は、水分塩分大事だよね〜! っというわけで〜! えへへへへっ!」 「おにいちゃん! 西瓜きって! 西瓜!!! 夏葉、おっきい西瓜きるのこわいし!!」 「え? だって切ってる途中にズルっていって 変なとこザク! っとかなったらいやだもん。 だから、ね? おねがい、おにいちゃん」 「えへへ〜 ありがと! 夏葉、おさえててあげようか? あ――うん。かえってあぶないか〜」 「じゃ、夏葉、いいこで見てるね? ん……(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE まな板の上のでかい西瓜を包丁できる。 ;ざくっ――ずずっと――ごと 「わぁ! すごおい! まっぷたつ〜!! さすがおにいちゃん、すごい! ふつうにかっこいい!」 「え? あ――そっか。そだよねー。 すみちゃん、包丁大事に大事に、いっつもお手入れしてるもんね〜」 ;SE 西瓜切る。ざくっ――ごとっ。ざくっ――ごとっ 「ふわ〜 本当に切れ味あざやか〜 切られた西瓜も、角がびしーって三角してて、すごくかっこいいイケ西瓜! おいしそう!」 「お塩はね! 夏葉、自分でかける!!」 ;SE ソルトミル・がりごり(継続  「お塩〜 お塩〜 ゴリゴリお塩〜」 「すみちゃん、ソルトミルのこと『塩ひき小臼(こうす)』っていってるの、おかしいよね〜! なんだか昔話のタイトルみたいで」 「すみちゃん、ずーっとこの先も横文字ニガテなのかな? えみちゃんは、ちゃんとソルトミルだってステンレスだって、なんでもふつうにいえるのに」 「そこはきっと――うふふっ! おにいちゃんに似たんだね? えみちゃん――って、あ!!!」 ;ソルトミルストップ ;6/左前 「やだ、夏葉、お塩かけすぎちゃったかも〜〜」 ;7/左 「どうかな、平気かな? ん……(しゃくっ)―― ん! ひょっぱぁぁぁぁぁひ!」 「うえうえっ、麦茶〜! (ごくっごくっごくっ――ごくんっ)ぷあっ! うえぇぇ――あー――あー! しょっぱかったぁ〜〜」 ;6/左前 「うう……おにいちゃん、これ、どうしよう…… え? おにいちゃんが食べてくれるの? やったぁ! はーい、それじゃ、おにいちゃんにプレゼント!」 ;7/左 「それじゃあ夏葉は、新しいの――<ソルトミル>―― えへへ! このくらいがベスト! たぶん!!」 「じゃ、あらためていただきます! (しゃくっ!) ……ん〜〜! おいひ〜〜!!! (ごくっ) 夏はやっぱり、西瓜だよね〜!!!」 ;6/左前 「ん? なにしてるのおにいちゃん――あ」 ;SE 西瓜に麦茶かけて塩流す 「あー、おにいちゃんあったまいー! 麦茶であらえば、確かにちょうどいい感じにお塩おちそう!」 「って、そっか! そーだ!!」 ;SE 縁側下りてサンダルをつっかける ;SE 小走りの足音 ;11/右遠 方向へ ;遠く水道の蛇口、キュッキュ ;11/右遠 「えへへ! うちみず!!! これでもーっと涼しくなるよ! それっ!」 ;SE ホースで水散布、木の葉のバラバラかかる(継続 「わーい! すずやか〜 おにいちゃんにもかけたげよっか?」 「うふふ、冗談! おにいちゃんにお水かけて、 西瓜にもかかっちゃたらもったいないもん」 「んふふ〜 どうかな? こんな感じで大丈夫かな〜 よしっ!」 ;水道止める 駆け戻ってくる ;6/左前 「あ! やったぁ! やっぱりこれだけでも涼しくなるね〜! きもちい〜〜  ;SE 風鈴 「じゃ、あらためていただきま〜す! (しゃくっ!) んふふっ、さっきよりもっと甘くなったみたい!」 「おにいちゃんも食べて食べて――あ! 夏葉が食べさせてあげるね?」 ;7/左 接近 「はぁい。『あーーーーーん』」 ;7/左 「……どう? おにいちゃん? おいしい?? (呼吸音)(呼吸音) そうなんだ〜! よかったぁ! ――っ!!?」 「え!? ううんっ!? 夏葉、なんにも! べつになんにも思ってないよ!!」 ;7/左 (顔そっぽむけて)つぶやき、超小声 「……おいにちゃんと間接キスとか――思ってないもん」 ;6/左前 「じゃなくて! ええと――あのっ! そう! 種飛ばしっこ! 種飛ばし競争、ちょっとしたいなーって、夏葉!!!」 「あのね! 競争してね! 勝った方が負けた方に、いうことひとつきかせられるの! ね? それで夏葉と、勝負しよーよ!」 「オッケー? やったー!! じゃ、おにいちゃんが先に飛ばしていいよ? 夏葉、見てたげ――――えっ!?」 ;7/左 「わ……わわわ」 ;6/左前 「すごい! すごいおにいちゃん!!! っていうか、 いまの――え? 西瓜の種だよね!? 勝負のために差し歯とか飛ばしたりしてないよね!? なんであんなに遠くまで飛ぶの!?」 「うん……うん……うん。 まずは重くてちっちゃい種を選ぶ――」 ;7/左 「んっと――(しゃくっ)えっと――(しゃくっ) ――あ! この種良さそう! どうかな? オッケー? やったぁ!」 「そしたら?――うん……(呼吸音)―― 種を口に含んで、できるだけ口を小さくすぼめて……」 ;6/左前 「吐く時には? 小さい口のまま、息を叩きつけるみたいにして―― へええ! 『ふ』じゃなくて『ぷ』の方が飛ぶんだねー! わかった!」 ;7/左 ;有声ではっりしたぷ 「練習練習! ぷ! ぷ! ぷ!」  ;6/左前 「え? ちがうの?? うん……うん―― 口をすぼめて、ぷ、の音を出さないで、息を鋭く、遠くにぶつけるイメージで」 ;7/左 「あ、なんか、夏葉わかったかも! できそうかも! これ、もう練習いいや。本番! いきなり本番いくね? (はむっ)」 ;7/左 :いっくよー 「ひっふよ〜――(すううううううううううっ)」 ;無声の鋭いぷっ 「(ぷっ!!!!!!)」 「わ! とんだ! すごいすごいすご――わっ!!!」 「え!? どこまでいったか見えなくなっちゃった―― ええと――おにいちゃん審査委員長!? いまのは、どっちの勝ちですか!? <SE ガサガサ>――きゃっ!?」 ;SE ネコの鳴き声 「ちまちゃん? <SE ガサガサ――とっ> わ!? わ!?_ 縁側あがってきちゃった!」 「ちまちゃんじゃない、しらないネコちゃん―― けど、えへへ、ひとなつっこいにゃんこだねー――あ」 ;6/左前 「えへへ〜 このこ、 おにいちゃんのおひざがあったかくっていごこちいいのわかってるんだね! カシコイネコチャン!!」 ;7/左(接近 「なでなでするから、ひっかかないでね? そーーっと、そーっと、そーーーっと――(呼吸音)」 ;SE ネコをそっと撫でる 「わ……えへへ。このこ人懐っこいね〜 誰かが飼ってるネコちゃんなのかな? こんなとこまで、大冒険だと思うけど」 「おつかれさまだね〜 <なでなで> 頑張ったね〜 <なでなで>――あっ」 ;SE ネコの喉、ごろごろ 「わぁ――えへへ。夏葉、上手になでてあげられてるんだよね? このゴロゴロって、気持ちいいってことだよね?」 「えへへへ、うれしいなぁ」 ;SE ナデナデ 継続 ;SE ゴロゴロ 継続 「((呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 「((呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 「((呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……んふふっ」 「ねこちゃん、寝ちゃったらおにいちゃんどうする? 動けなくなっちゃうよ?」 「うふふ、そーなってもね? 安心して、おにいちゃん。 そうなっちゃったら、夏葉が」 ;なでなで停止、ごろごろ停止 ;7/左 密着、囁き 「ごはんも、それからおふとんも、夏葉がここまでもってきて――あっ!」 ;SE ネコしゅたっ――茂みでがさごそ ;6/左前 (首を左に向けて) 「ああん、ネコちゃんいっちゃった〜! 大丈夫かな? あのこ、おうちに帰れるのかな――あ」 ;7/左(正面むきなおって) 「おにいちゃん、いま聞こえた? ちまちゃん! 『にゃん!』 って! 『大丈夫だニャ まかせろニャ』って、いってくれてるんだよ! きっと」 ;戸惑い 「よかったぁ、夏葉、安心しちゃった―― って、え!? お、おにいちゃんっ!?」 ;照れ 「ど……どうしたの? 夏葉の手、急ににぎって――っ!」 ;不満、コミカル 「……夏葉の手。くんくん、匂い嗅いだりして〜」 「え? ――あ、うん。そか、そだね! どこのこかわからないネコちゃん触っちゃったから、 手、あらわないとだ――あ、そうだ!!!」 ;SE 勢いよく立ち上がる 「ね、おにいちゃん! おてて、一緒にあらお? 夏葉ね、学園で、『握手洗い』っていう洗い方、こないだおしえてもらったの!!」 ;SE 足音(ふたり) ;SE 蛇口キュっ ;SE 水ざばー ;SE 石鹸あわだて ;3/右 「♪せっけんせっけん、あわだてあわだて、 まずはむにむに あわあわあわ〜。うん!」 ;SE 蛇口締め 「それじゃあおにいちゃん、こっちむいて? 夏葉とむかいあわせになって?」 1/前 「えっへー。そーしたら、夏葉と握手!」 ;SE にゅるっっ! 「んひひっ、くすぐったーい。 ね? こうしてね? 握手しながら、 指と指の間とか、くっつけてこすりっこすると〜」 :SE にゅむっ、にゅるっ、ぐちゅっ 「ねっ? ひとりでだったら洗うのがむつかしいとこも、 かんたんに! しかも二人いっぺんにあらえちゃうの! すっごい発明だよね〜 あくしゅあらい」 ;SE "ん"――から、握手洗い音継続 「それじゃ、おにいちゃんも動いてみて? んっ――(呼吸音)(呼吸音)――ふっ――うふふっ、 なんだか、ちょっとくすぐったいね〜」 「うふふっ――ん――(呼吸音)――(呼吸音)―― っ――(呼吸音)――(呼吸音)――ふ――(呼吸音)」 ;かなりくすぐったい 「んっ……(呼吸音)――(呼吸音)――あふっ―― (呼吸音)(呼吸音)――ひっ――(呼吸音)(呼吸音)――うふっ!」 「ふっ――んっ――(呼吸音)(呼吸音)――ぁっ!! ちょっ! もうだめ! 限界! ストーっプ!!」 「(はぁ、はぁ、はぁ――ごくっ」 「ゆ、指の間は、もう結構綺麗になったから―― ええと、次は――(呼吸音)―― あ、そう! 今度はね? てのひらとてのひらをぺたー」 ;SE てのひらあわせ  「そしたら、そのまましゃかしゃかしゃか <掌こすり>――んふふっ、なんだか少し――(呼吸音) こすってるところがぽかぽかしてきて――((呼吸音) ――気持ちいいねぇ〜」 「しゃかしゃか〜<掌こすり>――しゃかしゃか〜<掌こすり>……(呼吸音)<掌こすり>」 「こうやって……<掌こすり>――てのひらどうし、あわせてると――ん――<掌こすり>おにいちゃんの手、やっぱりおおきい――<掌こすり>大人の、男の人の手だね〜――<掌こすり>」 「ん、よし! てのひらもおしまい!!」 「最後は、手の甲と手の甲をぺたってやって――  また、しゃかしゃかしゃか〜」 「これはね、ごつごつのぶん洗いづらいから―― <甲こすり> こういうふうに、んっ――(呼吸音)<甲こすり>――」 「いろんなふうに、角度を、変えて――(呼吸音)<甲こすり>―― すみから、すみまで……(呼吸音)<甲こすり>――ていねい、に……(呼吸音)<甲こすり>」 「――。(呼吸音)<甲こすり> (呼吸音)<甲こすり>……ん、っと――(呼吸音)<甲こすり>――(呼吸音)<甲こすり>――うん! こんな感じかな!!!」 ;3 「そしたらそしたら、最後のしあげは!」 ;SE 蛇口あけ、(水さばー) :SE 手を流す 「お水で綺麗に、キレイキレイに―― <手洗い>んふふ〜っ、おみずきもちいいっ―― ね? おにいちゃんも一緒に! ほらっ!」 「 あわあわ、ぜぇんぶ落とすよ〜 落ちろー (呼吸音)<SE 手洗い>―― うん! よーーーし!!」 ;SE 蛇口〆 「綺麗! ピカピカ! すべすべお肌! 夏葉ちゃん偉い! って、あ! そうだ!!!」 1/前 「ね!? おにいちゃん、さっき! さっきの競争! 西瓜の種飛ばし!!!」 1/前(超接近) 「あれって、どっちが勝ってたの!!?」 ;//////// ;Track3 :夏葉の下手っぴ耳かき(右耳) ;//////// ;SE 風鈴、ちりん ;環境音、縁側 1/前 「えっへへ〜 夏葉の勝ちだたんだねー! っていうことは〜? そうでーす! おにいちゃんは夏葉のいうこと聞かなくちゃでぇす!」 「おにいちゃんに何してもらっちゃっかな〜 夏休みの宿題にしようかな? 草むしり当番かわってもらっちゃおうかな〜」 「なぁんて、うふふっ! ほんとはね? 最初から決めてたの! おにいちゃんにしてほしい―― っていうか、夏葉にされてほしいこと」 1/前 →「って!?」だけ;9/前遠 「夏葉はね〜、おにいちゃんにね〜。 えへへ! 耳かきされてもらっちゃいます! って!?」 ;9/前遠 「ちょっ!? なんで逃げるの!? 平気! 耳かき! 怖くない!! 多分!!」 「そりゃ、いっつもおにいちゃんの耳かきしてるのはすみちゃんですし? だから夏葉まだ、だれの耳かきもしたことないけど――」 1/前 「でも! 夏葉おにいちゃんの妹だから! たぶんなんでも結構器用にこなせちゃうし! 最初のうちは慎重にするし! ぜーったいにおにいちゃんに痛い思いさせたりしな――あっ!」 ;SE ビンタ、右頬 ;SE 蚊が飛び去る音 (ぷい〜ん) 1/前 左上の方をみあげながら 「って」で顔戻す 「ああ――蚊、逃げちゃった―― って、おにいちゃん、大丈夫? 刺されてない? わ! ほっぺすごく赤くなっちゃって――――え?」 「あ……あははっ、それは、ついとっさだったから。 だって、ほら、蚊にくわれたら、おにいちゃんかゆいし、かわいそうでしょ?」 「あ〜……えーと。痛くしちゃってごめんなさい。 けど! 大丈夫! みみかきでは、夏葉、ちゃんと慎重だから。 ぜったいぜったい、今度こそ痛くしないから!」 1/前→;9/前遠→;16/左前遠(できるだけ遠くまで) 「だから! 夏葉! みみかきとかゆみどめ、とってきまーす!」 ;SE 風鈴 チリン ;3/右 「じゃ、おにいちゃん。(ひざぽんぽん) はぁい――どうぞ」 ;SE 横たわる ;3/右 「……(呼吸音)――えへへ。 おにいちゃんを夏葉がひざまくらしてあげるなんて――」 「……なんだか、むかしと反対だね〜。 うふふっ、夏葉、本当ににおねえさん」 「ちっちゃいときのこと、夏葉、忘れちゃったけど…… 今のあんまり、やっぱり思い出せないけど――ね?」 :SE 風鈴 「この縁側のことはなんだか、おぼえてるみたいな気がするの。 おにいちゃんに、ひざまくらしてもらって、ご本よんでもらったこととか――」 「……(呼吸音)……(呼吸音)―― そのときのおにいちゃんの声。 鼓膜の奥に、こころの奥に、なんだか残ってる気がするの」 「『むかしむかし、あるところに』って―― うふふっ、おにいちゃんは覚えてる?」 「あとね、手――やさしい手。女の人の手。 すみちゃんの手よりも指がずうっとながくて、 あったかくって、優しい手」 「夏葉のことをずうっとなでなでしてくれて、 虫にさされちゃったときには――あ、そうだった」 「刺されたところ、早くしないとだよね。 夏葉、かゆみどめ塗ってあげるね?」 「ちっちゃなとき――夏葉がしてもらったのとおんなじに―― ん……最初は、爪で――バッテンつけるね? ん……(呼吸音)――しょっ――うん!」 「そしたら〜 ――んしょ―― ちょっと足りない? ん……<軟膏を指に出す>――このくらい? かな?」 ;3/右 接近囁き 「それじゃ、おにいちゃん? ぬりぬりするね〜」 ;3/右 「ん……(呼吸音)<軟膏塗り伸ばし> ぺとぺと、ぬりぬり (呼吸音)<軟膏塗り伸ばし> のばーし、のばーし――うん!」 ;*耳ではなく、ほっぺに 「(ふーーーーっ)(ふーーーっ)(ふーーーーっ) どう? お兄ちゃん。ひんやりする? かゆいの、少しはおさまってきた?」 「……(呼吸音)――えへへっ! それならよかったね〜! じゃああ、次は本番の――こぉら! にげないの〜っ!」 「夏葉もちゃんと考えてるから! ほら、見て、これ! いきなり硬いのだと夏葉もこわいから、ちゃあんと綿棒ももってきてるの」 「これなら、怖くないでしょお? ――(呼吸音)―― でしょ!えっへへー! さすが夏葉のおにいちゃん!」 「じゃ、いくよ? 最初はゆっくり、慎重に―― 耳のふちのとこから、ためすから」 ;3/右 接近 「(ふーーーーーーーーっ)」 ;3/右 ;以下、指示あるまで<耳かき音>は綿棒  「……ん……っと<耳かき音>――んん? <耳かき音>ん……ん〜〜↓ <耳かき音>――」 「ん……<耳かき音>――このっ――<耳かき音>―― むぅぅ〜((呼吸音)――って、あ、いけないいけない」」 「あのね、おにいちゃん。 とれないとこ、痛くしないように気をつけるから、 ちょっと、ゴシゴシってこすってみてもいーい?」 「――うん。わかった。 そーっとそーっと、ゆっくりゆっくりゆっくりこするね――(吐息)」 「(すううっ)――ん……っと―― そーっと、そーっと――<耳かき音>―― ん……(呼吸音)――<耳かき音>――」 ;だんだんムキに 「ん……<耳かき音>――あれ? <耳かき音>―― んん〜〜っ――<耳かき音>――ん〜っ! って、ひゃ!? え!? なに、おにいちゃん」 「あ! ……あぅ〜ごめんなさい。 夏葉、うん。ちょっとムキになっちゃいそうだった」 「『そういうときには?』……うん……うん――(呼吸音)――うん! わかった」 「『とりづらかったら無理せずに、別の角度をためしてみる』だね! そっか、そだよね、おんなじとこからやろうとするから、ムキになっちゃうんだよね」 「じゃなくて、工夫! 無理をしないで工夫する! えへへ〜! さすがおにいちゃん!! 『ムキにならない』だと夏葉うっかりしちゃうけど、 『工夫する』なら、うっかりしないでできると思う!」 「それじゃ、あらためてもう一回。 (すううっ)くふう。工夫。工夫。工夫!」 「んっ……(呼吸音)――別の角度、別の角度……って――<耳かき音>――あ、そか! お耳ひっぱれば、 ん――<SE 耳ひっぱり>――うん!」 「これで、こっちから――<耳かき音>――あ! ぽろっていった!!! とれた! けど……耳の穴の奥の方に、おっこっちゃった……」 「ね、おにいちゃん。これって――(呼吸音)―― あ、うん! えへへっ! ありがと、おにいちゃん!」 「それじゃあ夏葉、棒の耳かき解禁するねー! "無理をしないで工夫する!" 夏葉、おそわったことをちゃあんと守って、 絶対、痛くしないでやるね?」 ;息を整え集中 「(呼吸音)……(呼吸音)……(呼吸音)――。 (深呼吸)――うんっ!」 ;以下、<耳かき音>は竹製耳かき 「それじゃあ。するね? ん…………<耳かき音>。 (呼吸音)――ん……<耳かき音>――あれっ? ――<耳かき音>――む〜〜っ」 ;独り言 「じゃなくて! 工夫! 角度を変えて、りきまないで――(すうっ)」 ;集中 「ん――(呼吸音)――……。ん――<耳引張り>―― えと、おにいちゃん、ちょっとだけ―― ちょっとだけお顔、夏葉の近づく方に傾けて?」 「あ、うん! これなら――<耳かき音>――っ! あとは……慎重に――慎重――――に――よしっ! やった、とれたー!!!!!」 ;SE ティッシュを抜きとり、それで耳かきふく 「えへへっ! そしたら、もーちょっと奥の方もいってみるね? 慎重に、力まないで、痛くしないように」 ;3/右 接近 囁き 「(ふーーーーーーーっ!) あ、おにいちゃんビクってなった。えへへへ〜 (ふっ!)」 ;3/右 「じゃ、するね? ん……(呼吸音)<耳かき音>―― ふ……(呼吸音)<耳かき音>――んー――<耳かき音>……<耳かき音>」 「……やっぱり、お兄ちゃん――ん――<耳かき音>―― お耳……綺麗……<耳かき音>――」 「お掃除の、しがい、ないけど……(呼吸音)――<耳かき音> 練習、には――<耳かき音>――ん……<耳かき音>…… 結構、いい……かな?」 「え? ――(呼吸音)――あはは、ないよー―― <耳かき音>――耳かき、誰かに――<耳かき音>―― おにいちゃん以外の誰かにする予定なんて、ぜぇんぜん――<耳かき音> ;独り言、小声のつぶやき 「……きっと、この先もないって思うし」 「えっ!? あ、ううん。なんでもない。けど、ほら―― あ! えみちゃんとかさ、あとは……あと、うん。すみちゃんも」 「家族なんだし、耳かきわたしが――してあげることあるかもって、してあげたいなって、ちょっと思うし。 だから! ――<耳かき音>――」 「だから、おにいちゃんは! ん……(呼吸音)<耳かき音>―― 夏葉の、大事な……<耳かき音>――たい、せつ、な――<耳かき音>――」 「練習、台……で――<耳かき音>――あと、ね? それから……(呼吸音)――」 「今日みたいに。すみちゃんがいないときには―― わたしが、耳かきしてあげる方が…… いいんじゃないかなぁ……とかも、思うし――」 「っ! だよね! やっぱりそうだよね〜! えへへっ、おにいちゃんはほーんと夏葉がいないとダメなんだから!」 「じゃ、残ってるとこも、綺麗綺麗にしちゃうね〜 んーーー<耳かき音>――っと――<耳かき音>―― ……。<耳かき音>――ん――<耳かき音>」 「あとは、ここ、だけ……<耳かき音>―― ん……(呼吸音)――<耳かき音>―― きれい、に――<耳かき音>―― しーたーら〜〜――<耳かき音>―― うん! できたぁ!! と、思う!」 ;3/右 接近 「(ふーーーーーーーーっ!)」 「どうかな? ん〜〜((呼吸音) うん、綺麗! 合格! すごいっ!!」 ;明るく。含みをもたせず 「もしとりきれてない感じがしたら、そこはすみちゃんにお願いしてね? 夏葉、一番奥まではおっかないから」 「それじゃあ今度は、反対のお耳ねー? 夏葉がごろーっていったらごーろーんって、 体の向き、反対にしてね?」 「それじゃあ、いくよー? せーーーの!」 ;3/右→1/前→;7/左 「ごろーーーーーーーん」 ;環境音 F,O. ;//////// ;Track4 :夏葉の、けっこー上手になった耳かき(左耳) ;//////// ;SE 夕立、ぽつ、ぽつ、ぽつ→ざーっ ;環境音 雨降り ;7/左 「あ――雨ふってきた。 うふふっ、もっと涼しくなっちゃうね」 「けど……えみちゃんたちのお泊り保育、大丈夫かな? お外で夕立にあってなければいいけど……」 「え? ……あー、そっか! すみちゃんついてるから大丈夫だね! すみちゃん、幸いを呼んでくれるんだし、 きっと急な夕立だって、うまいこと雨宿りだとか傘だとか――」 ;飛車角のことを思い出す。少しさみしい。話題にしていいのかわかない 「……………………、え、と」 「えと! 夏葉、耳かきするね? もう最初から、木の耳かきで大丈夫だよね〜」 「それじゃあ、いくねー」 ;7/左 接近囁き 「(ふーーーーーーーーっ)」 ;7/左 「ん……あー。こっちもけっこー綺麗だね〜。 けど、ちょっとは汚れてるから、 まずはゆっくり、まわりか……んしょっ」 「ゆっくり、あわてず、丁寧に〜<耳かき音>―― (呼吸音)――<耳かき音>―― っ……(呼吸音)――<耳かき音>―― (呼吸音)――<耳かき音>」 「ん……<耳かき音>―― (呼吸音)……<耳かき音>―― (呼吸音)――<耳かき音>―― (呼吸音)……あの――ね? おにいちゃん――」 「えと……<耳かき音>―― おにいちゃんは、さ――<耳かき音>―― 急な、あめふりのときとか、さ――<耳かき音>――」 「あ――(呼吸音)――うん。だよね。 思い出さないわけがないよね――」 「夏葉も。おんなじ。…… ぁ! 手、とまっちゃってた。ごめんね? ん……<耳かき音>――」 「夏葉もね? 思い出すの――<耳かき音>。 傘がほしいなって思う時……<耳かき音>―― 飛車角ちゃんのこと――<耳かき音>――思い出すの」 「夏葉が、ずーっと眠ってたとき――<耳かき音>―― 飛車角ちゃん――毎日みたいに――眠りの中に――<耳かき音>―― ひょこんて、遊びに来てくれてたから――<耳かき音>――」 「おにいちゃんのこと、すみちゃんのこと、ありすちゃんのこと――<耳かき音>―― とおこさんのこと、ちまちゃんのこと、めっかいちゃんのこと――<耳かき音>」 「ひめみやさまのことも、滝女郎さんのことも、尚武おじちゃんのことも、菜穂子おばちゃんのことも――<耳かき音>――」 「それからそれから、夏葉がまだあったことがなかった――<耳かき音>――えみちゃんのこととか、うたれちゃんのこととか――<耳かき音>―― たくさんたくさん――みんなのことを――<耳かき音>」 「飛車角ちゃん……いっつも聞かせてくれてたから―― 『もうすぐの、必ず迎えがきてくれるけぇ』って、 夏葉に教えてくれていたから――――」 「だから、夏葉――(呼吸音)―― だから、ね? 夏葉――(呼吸音)――」 「考えられたの。たくさんたくさん……<耳かき音>―― おにいちゃんが、迎えにきてくれるまでの間に――(呼吸音)――たくさん、たくさん――<耳かき音>――」 「いろんなことを、たくさん、たくさん……<耳かき音>―― どうしたらいいのか、どうしたいのか――<耳かき音> おにいちゃんと、どうなりたいのか――<耳かき音> たくさんたくさん、考えられたの――<耳かき音>」 「それでね? 夏葉――<耳かき音>―― だからなんだって、今は思うの――<耳かき音>―― すごくたくさん、あらかじめ考えておけたから――」 「……(吐息)。 おにいちゃんが、夏葉のことを向かえに来てくれた、あのとき――<耳かき音>―― 怖かったけど、ないちゃったけど。 起きたくないって思いもしたけど、それでも――だけど――」 「だけど――おにいちゃんの手を取れたのは…… 全部のことを―― 全部まるごと、なんにもかくさず―― 飛車角ちゃんが、教えてくれてたおかげもあるって……」 「(呼吸音)――すぐには、わからなかったけど。 だんだんだんだん、新しいくらしに馴染んで…… そうしていくうち、ちょっとずつ―― 夏葉、思うようになったんだ」 「ん……(呼吸音)――<耳かき音>―― (呼吸音)――<耳かき音>―― (呼吸音)――<耳かき音>……」 「……最初は、ね? 夏葉、飛車角ちゃんのこと――<耳かき音>―― 『変な顔ー』って思っちゃったけど――<耳かき音>―― いまでもやっぱり思い出したら――うふふ、 変な顔ーって、思うけど!」 「傘のおばけで、ちょっとボケてて――<耳かき音>―― すみちゃんといっつも口喧嘩してて――<耳かき音>―― 夏葉にも、『忘れ物はありませんかの』とか、 『今日はふりますけぇ』、とか、口うるさいなぁっても思ってたけど――<耳かき音>」 「それでも、夏葉――変な顔した飛車角ちゃんが大好きで。 大事な家族って思ってて。 すごく、すっごく感謝していて――」 「(呼吸音)(呼吸音)」 「……だけど。――だけど、ね? おにいちゃん。 最近だんだん、思い出さない日が増えてるの」 「にわか雨の日、いっつも絶対、飛車角ちゃんのこと思い出してたのに―― 傘さして、おうちにかえって―― おうちの匂いをかいではじめて、『飛車角ちゃんのこと忘れちゃってた』って……そんな感じの日、だんだんだんだん増えてるの」 「だから、夏葉――(呼吸音)――」 「ん……(呼吸音)――<耳かき音>―― (呼吸音)――<耳かき音>―― (呼吸音)――<耳かき音>―― (呼吸音)――<耳かき音>――」 「だから、夏葉――(呼吸音)―― それがなんだか、怖いみたいで、悲しくて…… 飛車角ちゃんを、だんだん忘れるみたいで、いやで―― え?」 「(呼吸音)――うん。――うん。――うん。……うん」 「忘れていいって……飛車角ちゃんが? 晴れてる日には、傘のことなんぞさっぱり忘れて、おもいっきりに遊べばいい――って?」 「けど……だけど夏葉、雨降りの日にも――…… うん……うん……」 「うん……(呼吸音)……(呼吸音)……(呼吸音)…………ああ――そっか。そなんだ」 ;徐々に環境音雨、F.O. 「お天気じゃなくって、夏葉のこころのお話なんだ。 夏葉の心が晴れている日が、だんだん増えてきてるから――」 「泣いたりくよくよしたりしないで、元気に笑って過ごせてる日が――だんだん、どんどん、増えているから」 「だから、夏葉が"晴れ"だから。 傘のこと……飛車角ちゃんのこと……思い出さない日が増えてるのって……あたりまえ……(呼吸音)――」 「……………………」 「……さみしい……けど―― でも…………」 ;ちょっと泣きそうなのを我慢して、前向きに整理する 「んっ――<耳かき音>――(呼吸音)―― <耳かき音>――(呼吸音)―― <耳かき音>――(呼吸音)……っ――うん!」 「そっか! 今の夏葉の毎日は、 傘がいらない毎日なんだ! おにいちゃんが、飛車角ちゃんが! すみちゃんがありすちゃんが、みんなが! 夏葉のお空を、こんなに晴れさせてくれたんだ!!」 「昔は夏葉、確かにめそめそしてたもんねぇ。 いま考えると――えへへ――<耳かき音>―― 自分でも、ちょっと恥ずかしくなっちゃうくらい――<耳かき音>――」 「だけど、うん。――<耳かき音>―― 今の夏葉は、晴れてるんだね――<耳かき音>―― もう傘なんていらないくらいに――<耳かき音>――」 「傘がいらなくなるようにって……飛車角ちゃんも―― (呼吸音) 飛車角ちゃんも、願って、そうしてくれたんだよね――」 「うん! そしたら――そうしたらさ――<耳かき音>―― 夏葉、これからもずっとずうっと――<耳かき音>―― おにいちゃんと一緒に、みんなと一緒に――<耳かき音> ――毎日毎日、楽しく暮らして――<耳かき音>」 「そうして、素敵なレディーになって――<耳かき音> ――かっこいいおばちゃんになって――<耳かき音>―― やさしいおばあちゃんにも……ん――<耳かき音>―― いつか、きっと、なってそうして」 「おばあちゃんになったら、そしたら――<耳かき音>―― いつかは絶対死んじゃうし――<耳かき音> そのときはさすがに悲しくて――<耳かき音> 夏葉、雨降りになっちゃって――」 「そのときやっと飛車角ちゃんのこと思い出して。 夏葉、きっと――うふふっ! 『変な顔ー』って、やっぱり思って、ちょっと笑って!」 「だからきっと、夏葉に降ってくる最後の雨も。 きっと多分……飛車角ちゃんが――――<耳かき音>―― 飛車角ちゃんの思い出が――弾き飛ばしてくれるよね?――<耳かき音> ね? そうだよね? おにいちゃん」 「<耳かき音>――<耳かき音>……<耳かき音>―― うんっ!」 「なら、安心して忘れちゃお。 最後にはきっと、思い出すから――(すうっ)」 ;7/左 接近 長く 「(ふうぅぅぅーーーーーーーーーーうっ!)」 ;7/左 「どれどれ? ん〜(呼吸音)うん! 綺麗にできた! 耳かきおしまい!!  あ」 ;SE 風鈴 ;環境音縁側 F.I. 「……夕立、いつの間にかあがってたんだね……」 ;SE 風鈴 「……いい風、すごく――(呼吸音)―― 雨上がりの匂い、草の匂い、夏の終わりはじめの匂い。 ……ん――ふっ……ぁ―― ふぁああ――ぁあ――あうっ!?」 「やだっ、おおあくび――ふぁ―― けど、夏葉。なんだか……なんだか、 少し、眠くなってきたかも――」 「ふぁ――あ……うん。だね」 「たくさん遊んで汗かいたし―― おしゃべりもたくさんで、安心したし…… これで眠たくならないほうが――ふぁ――ウソ、だよねぇ」 ;7/左 接近囁き 「――。おにいちゃん、ね? ひざまくら、交代してもらってもいい?」 ;7/左 「え? あ……そっか。そだよね。 おにいちゃんもねむたいんなら、お部屋で布団で、風邪引かないようおなかに夏掛けちゃあんとかけて、それでお昼寝したほうがいいよねぇ」 「うふふっ! じゃ、おにいちゃん! 立って! 立って! ほらっ!」 ;1/前 *「わ」以降密着 「そしたらね? 夏葉のことだっこして! ――わっ!!! えっへへー、おひめさまだっこだぁ」 ;3/右 接近囁き 「じゃ、おにいちゃん? 夏葉姫のこと、このままお布団までつれてって?」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track5 ;一緒にお昼寝 ;//////// ;SE タイマーのダイアル、カリカリ ;SE 扇風機のスイッチ、押す ;環境音 F.I 首振り扇風機 ;9/前遠 「おにいちゃん、タイマー1時間でいーい? 2時間にしといた方がいい?」 「うふふっ、そうだね。 くたくたでねむねむだから、きっとすぐに寝ちゃうもんね」 SE 畳の上足音 ;3/右 「よいしょ、ごろーーーーん」 ;SE 毛布引き寄せ、お腹にかける 「えへへ。おにいちゃんと並んで寝るの、ひさしぶりだねー」 ;3/右 髪に顔寄せ 「(くんくん)――えへへぇ。おにいちゃんの匂い」 ;3/右 「ひさしぶり……すごくひさしぶり。 何年ぶりかな? 夏葉が、ええと――あっ」 ;SE 髪の毛ナデナデ 「……(呼吸音)――えへへ、なでなでもひさしぶりー。 ね? おにいちゃん、もっとなでて? 夏葉、今日もいいこだったから」 ;SE ナデナデ(継続) 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……うふふっ」 ;以降、会話はずっとピロー ;安眠導入のため、ゆっくり静かにを常に意識してでいただけますと幸いです 「おにいちゃんの手も、きっとおっきくなってるんだよね。 夏葉の頭もおっきくなったから、かな? そんな感じ、あんまりしないけど」 「でも……(呼吸音)――なんだかね? なでなでのやさしさも、てのひらのあったかさも、つつんでもらってるみたいな感じも、ぜぇんぶむかしとおんなじで――(呼吸音)」 「なのにね? 少し、少しだけ……(呼吸音)―― やっぱり前とちがってる感じもするの……(呼吸音)」 「(呼吸音)……(呼吸音)……(呼吸音)……(呼吸音)――」 「(呼吸音)……(呼吸音)……(呼吸音)――ぁぁ」 「夏葉、全然おぼえてないけど――(呼吸音)―― かんちがいかもしれないけど、えと……(呼吸音)―― おとうさんの手に……おにいちゃんの手――(呼吸音)――似てきてるんじゃないかなぁ」 「安心できるの。すごく――すごおく――(呼吸音)―― 前からずっと、おにいちゃんになでなでなでってしてもらうと――(呼吸音) ……うれしくなって、ぽかぽかしてきて、とけそうで。 それももちろん、とっても安心だったんだけど――」 「けどね? むかしは…… 夏葉、安心だけじゃなく――(呼吸音)―― あのね? ちょっとね? ちょっとだけ――」 ;3/右  接近囁き 「ドキドキドキって、してたの、ちょっと」 ;3/右 「……(呼吸音)――(呼吸音)――」 だけどね、今は――(呼吸音)―― うん。安心」 「――(呼吸音)――安心だけなの。 ぽかぽか、ふわふわ――(呼吸音)―― しあわせで、あったかな気持ちだけ」 ;寂しさまじるが、隠す 「これってきっと――(呼吸音)―― 成長、だよね。 おにいちゃんも、夏葉も――ね? おとなになったってことだよね……」 「ん……(呼吸音)――(呼吸音)――(呼吸音)――(呼吸音)――」 「……大人になるって、ふしぎだね――(呼吸音)―― 昨日の夏葉と、今日の夏葉と、 くらべてみても、きっと誰にもわからなくらい、 おんなじだって思うのに……」 「ほとんどおんなじ昨日と今日が、今日とあしたが――(呼吸音)―― なんかいもなんかいも繰り返されると……(呼吸音)―― いつのまに、前とどこかが、全然かわっちゃってて――」 「変わっちゃってて……ふりかえっても、戻れない――(呼吸音)―― それって、少しさみしくて。 さみしいのとおんなじだけは、怖くって……(呼吸音)―― だけどとっても――とってもとっても素敵なことで……(呼吸音)」 「おにいちゃん、さ……夏葉より――(呼吸音)―― ずうっと早く、駆け足で―― きっと、大人になってるんだよね――(呼吸音)」 「……おにいちゃん、がんばってるもんね――(呼吸音)―― てのひら、すごくあったかいけど、頼もしいけど――(呼吸音)―― むかしより――しっかり、硬くなってるし――(呼吸音)――」 「……ね? おにいちゃん。お仕事、たいへん? ――(呼吸音)―― 夏葉になんか、お手伝いとか――できること――ある? ――(呼吸音)――(呼吸音)――」 「うん。あるんなら、する。 夏葉も、お手伝い―― ちょっとでもおにいちゃんのお手伝い、できたら―― えへへっ、うれしいし――」 「うん……うん……(呼吸音)(呼吸音)…… うん――うん」 「仲良くすればいいんだね? おにいちゃんが、いろんなとこからご招待した――(呼吸音)―― ものべのに、おひっこししてきてくれた――(呼吸音)―― ふぁ――あたらしい――あやかしさんたちと……(呼吸音)」 「なかよく、して、おはなしを、して――(呼吸音)―― あやかしさんが、どんなこか――(呼吸音)―― いろんな、人に――聞かせて、あげる――(呼吸音)―― いろんな人と、あやかしさんが――(呼吸音)―― なかよく、なれる……よう……ふぁ」 「ん……ぅ……(呼吸音)―― それが、夏葉にできる……お手伝い……ふぁぁぁぁっ」 「ん――ん……ねむい、けど――(呼吸音)―― ねむたく、ない……の――(呼吸音)――」 「夏葉、もっと――(呼吸音)――もっと、ききたい―― (呼吸音)――おにいちゃんの、おはなし――もっと――(呼吸音)……ん……」 「聞きたいの……んと……ふぁ――あ……そだ、石―― こないだ……石、ね?――石の音…… 夏葉、きかせて――(呼吸音)―― 夏葉……聞かせて、もらった、の……」 「おねぇ……さん……さざれさん……ん――(呼吸音)―― はじめて、あったの――(呼吸音) ものべのがわの……川原で――ふぁ―― とっても……綺麗……な――(呼吸音)――ん……むぅぅ……」 「あのひと……もしか、して――ね――ふ、ぁ―― おにい、ひゃ……ん……む……あ――だめ。 夏葉、もう、だめ……ん――」 ;SE やさしくぽんぽん(なでなでストップ) 「おやすみなさい、おにいちゃん…… 夏葉の、だいすきなおにいちゃん…… おきても、おねがい……明日の、朝も……ふぁ―― きっと、そのまま――なつはの――となり――ん……」 ;環境音 F.O. ;以下を、そのままのつなぎでTr7とし ;『おまけトラック、夏葉の寝息(ループ可)』 ;とも扱えるイメージで 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 「(寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 ;おしまい