「見てくださぁい。お月さままんまるですよぉ」 「これなら、読み聞かせ。 月のあかりだけでできちゃいますねぇ」 「えっへへー、れいな、レイルロオドですから、 近眼になったりしないですからぁ」 「だから、今日は月明かりで読みきかせ、 しちゃいますねぇ」 「あのですね、れいな。 読み聞かせしてほしいっていわれたとき、 とーってもうれしかったんですよぉ」 「れいな、およめさんになるまえは、 いっつもポーレットに読み聞かせしてもらってて、 ポーレットにも、ときどき読み聞かせしてあげてたんですよぉ」 「でもでも、れいな、いちばん読んであげたいおはなし、 ポーレットにはいっかいも読み聞かせしれあげられなかったんですぅ」 「だってポーレット、前までは、れいなが鉱山鉄道のころのおはなしすると、 ちょっぴり、かなしそうな顔になっちゃってたから」 「れいなが―― うっふふ〜 もう『あなた』って呼ばなくちゃだめですよねぇ。 だって、れいな、およめさんになったんですからぁ」 「ええと――うふふぅ、 れいながぁ、あ・な・た の、およめさんになってからは、 ポーレット、むかしのはなしをしても平気になったみたいですけど」 「だけど、もう、夜はあなたと一緒のおふとんだから、 ポーレットに読み聞かせしてあげることなくなったから、 このおはなしは、誰にもつたえないままで、 きっと、忘れられていっちゃうんだって、さみしく思ってたんですよぉ」 「忘れられちゃうっていうのは―― あ! わすれたわすれた、取ってきますねぇ」 ;SE 足音遠ざかる ;遠い声 「ええとぉ、よむ練習したときに持っていって――あ、ありましたぁ」 ;SE 足音戻ってくる。 「これですぅ。この雑誌。『炭鉱ぐらし』っていう、 いまはもう無くなっちゃた雑誌なんですよぉ」 「一年に四回でて、れいな、買ってなかったんですけど、 なかに、いろんな炭鉱の情報とか、読み物とかが入ってて」 「それで、この号には『炭鉱の白犬』ってお話がのってて、 れいな、ちっちゃいこたちと一緒にいるとき、 おかみさんに読み聞かせしてもらって――」 「それでれいな、何回も何回もききたくなって、 何回も何回もおかみさんに読み聞かせしてもらったら、 『そんなに気に入ったなら』って、雑誌ごと、 お話もらっちゃったんですぅ」 「でも、そのあと、どこでも、誰の口からも、 このおはなしのこと聞いたことなくて―― だから、あなたに聞かせてあげられるの、 れいな、とーってもうれしいんですよぉ」 「それじゃあ、読みますねぇ。 れいな、たーくさん練習したから、 きっと上手に読めるって思います。えへへぇ」 「『炭鉱の白犬』」 ;以下の『』で始まる部分は、読み聞かせ ;「」ではじまる部分は、その間の会話です 『シガ県に、小さな[炭田'たんでん]がありました。 『小さいといっても炭田です。 四つの炭鉱をかかえ、そこからはたくさんの[木質亜炭'もくしつあたん]が掘り出されました』 「あ、木質亜炭っていうのは…… えっと、石炭って、もともとは木だったって、知ってますかぁ?」 「木が地面にうずもれて、酸素がない状態で、 地面の下からの熱とかで燃えて、長い長い時間がたつと、 石炭になるんですよぉ」 「普通の木も、酸素がたりない状態で燃えたら、 灰にならないで、[木炭'もくたん]になりますよね? あれが、地面の中で起きて、それで長い時間に圧縮されて固くなったのが 石炭だって、思って下さい」 「で、完全に石炭になるほどの時間がたってなかったり、 なにか他の条件で、石炭化が進まなかった状態の、 なりかけの石炭のことを、亜炭っていうんですよぉ」 「で、木の組織が見えたままに亜炭化されたものが、 木質亜炭って呼ばれます」 「木質亜炭は、[埋れ木細工’うもれぎざいく]っていう工芸品の 材料になるくらい綺麗なのもあって―― もちろん、燃料としてもつかえちゃうんです」 「これだけわかってたら、あとの部分はぜぇんぶわかることって 思うですから、安心してつづき、きいてくださいねぇ――ええっと」 『そこからは、たくさんの木質亜炭が掘り出されました』 『大戦が起き、で海外からの石炭の輸入がとまってしまうと、 木質亜炭の価値も高くなりました』 『小さな小さな炭鉱まちに、100人を超える[鉱夫'こうふ]さんたちが働くようになりました。 北はホッカイドウ、南はオキナワまで、いろんな出身の鉱夫さんたちが集まりました』 『炭鉱には、番頭さんがいました。 いろんな人達が集まるようになりましたため、 番頭さんは用心のため、番犬を飼おうと思いつきました』 『[犬屋'いぬや]さんにいき、わけを話すと、 「番犬にならこの犬がおすすめです」と、 黒くて毛が短い子犬を進められました』 『いかにも賢そうな黒い子犬は、大きく強く育つそうです。 よろこんで買おうとしたとき、 「ヒャン」と甲高い鳴き声がしました』 『鳴き声の方を見てみますと、 まっしろくてふわふわの毛の子犬がいます。 番頭さんは、ひと目でその白い子犬が気に入ってしまいました』 『「この白い犬をくれ」と番頭さんが言いますと、犬屋さんは断りました。 「この犬は大きくならずに力も弱い、とても番犬の役にはたちません」』 『それでも番頭さんの気持ちはかわりませんでした。 「番犬の役にたたないとしても、この犬がいい。この白い犬をくれ」』 『けれど、犬屋さんの気持ちも変わりません。 「この犬は、世話をするのに大変な手間がかかる犬です。 忙しい炭鉱町では、とても暮らしていけますまい」』 『犬屋さんの言葉にも、番頭さんの気持ちはかわりませんでした。 「番頭のワシなら、面倒を見る時間を作れる。 大事にするからこの白い犬をくれ」』 『そう聞かされても、犬屋さんの気持ちもかわりません。 「この犬は体が弱く長生きできそうにありません。 とてもお売りができないのです」』 『どういわれても、番頭さんの気持ちはかわりませんでした。 「決して犬屋さんに文句はいわん。それでもワシは、この白い犬がほしいのだ」』 『そこまで言われては、犬屋さんも断れなくなりました。 「でしたら縁起をかつぐため、[戌'いぬ]の日の夜にこいつを買いに来てください。 そうしてくれれば、一生に一度くらいは、あなたの役にたつことでしょう」』 『番頭さんは、答えました。 「役にたたんでも構わない。 だが、お前さんがそういうのなら、戌の日の夜に買いにくるとしよう」』 『そうして、次の戌の日の夜。 番頭さんは犬屋さんから、まっしろくてふわふわの毛の子犬を買いました。 お値段は、番頭さんのひとつきのお給料よりも高いものでした』 『犬屋さんは、白い子犬を連れ帰る番頭さんに言いました。 「大事に世話してあげてください。 あなたのお役にきっと立つ日を、迎えさせてやるためにも」』 『白い犬は、犬屋さんのいったとおりに、番犬の役にたちませんでした。 どんなに怪しい人が来たって、 わんともきゃんとも鳴きもせず、尻尾を振っておでむかえしてしまうのです』 『番頭さんが白い犬に、「知らない人には吠えなさい」と教える様子を見ると、 鉱夫さんたちは笑いました。 「こんなに役立たずの犬は見たことがない。犬屋に返してしまうといいさ」』 『番頭さんは、静かに答えました。 「白い犬のことは放っておいてくれ。 こいつが役にたってくれる日は、まだまだ先のことなのだから」』 『白い犬は、犬屋さんがいったとおりに、大変に手のかかる犬でした。 ほんの一月もしないうち、ふわふわの毛がぐんぐん伸びて、 もこもこの、毛玉の大将のようになってしまうのです』 『番頭さんが、白い犬を犬の床屋につれていく姿をみると、 鉱夫さんたちはまた笑いました。 「こんなに手のかかる犬は見たことがない。犬屋に返してしまうといいさ」』 『番頭さんは、静かに答えました。 「白い犬のことは放っておいてくれ。 こいつが役にたってくれる日は、まだまだ先のことなのだから」』 『白い犬は、犬屋さんがいったとおりに、体の弱い犬でした。 少しでもはしゃぎすぎると、次の日には寝込んでしまうのです』 『番頭さんが、白い犬を犬の病院につれていく姿をみると、 鉱夫さんたちはまた笑いました。 「こんなにあわれな犬は見たことがない。犬屋に返してしまうといいさ」』 『番頭さんは、静かに答えました。 「白い犬のことは放っておいてくれ。 こいつが役にたってくれる日は、まだまだ先のことなのだから」』 『番頭さんは犬屋さんとの約束通りに、白い犬を大切に育てました。 けれども白い犬は、少しも大きくなりませんでした。 立派な大人の犬になっても、子犬のころと変わらぬ見た目のままでした』 『体が大きくならないばかりか、ふるまいも変わりませんでした。 立派な大人の犬になっても、子犬のことろ変わらず甘えて、 番頭さんより遅く起き、番頭さんより早く寝ました』 『そんなある日のこと。 白い犬がふと鼻をあげ、「ヒャンヒャンヒャン!」と狂ったように鳴き出して、 まっしぐらに外へと駆け出しました』 『「白い犬の日が来ちまったのか?」 番頭さんも急いで外へ飛び出しますと、 白い犬は、まっしぐらに[坑道'こうどう]入り口の方へと走っていきます』 『番頭さんの鼻が、ガスの匂いをかぎつけました。 これはいかんと、番頭さんは大声で叫びます。 「鐘を鳴らせ! 退避させろ! 全員退避!!」』 『(ドンっ!) そのときです。大きな大きな音がして、地面が大きく揺れました』 『すぐに、ガラガラと崩れる音。 [落盤'らくばんです]です。 働いていたたくさんの鉱夫さんたちが、生き埋めになってしまいました』 『「落盤か」「えらいことだ」 [非番'ひばん]の鉱夫さんたちもすぐに飛び出してきて、 番頭さんと一緒に坑道入り口へと駆けつけました』 『坑道入口は完全につぶれていました。 すぐにも掘り出したいところですが、 ガスの匂いがとても強く、二次爆発の危険がありました』 『それに、迂闊なところを掘れば、 それがまた落盤を[誘発'ゆうはつ]するかもしれません』 『「とにかく調査するしかない」 番頭さんがいったとき、 「ヒャンヒャンヒャン!」と、遠い鳴き声が聞こえました』 『「白い犬はどこだ!」 番頭さんが大声を出しますと、 また「ヒャンヒャンヒャン!」と、遠い鳴き声が聞こえました』 『「岩の向こうからだ」 「白い犬は中に入ったんだ」 「探せ! どこかに入れるところがある」 鉱夫さんたちの目の色がかわり、みんな、崩れた坑道入口にとりつきました』 『番頭さんと鉱夫さんたちとで探しますと、 崩れ落ちてきた大きな岩と岩との隙間に、 小さなガレキがまとまっているところがありました』 『白い犬が掘ったのでしょう、 そこには、小さな穴もあいていて、向こうに通じているようでした』 『すぐさま技師が調査して、 「ここならなんとか、人が通れるくらいの穴を開けられるだろう」 と言いました』 『みんなで交代交代に、手掘りで穴を掘りすすみます。 掘れば掘るほど、ガスの匂いは濃くなります。 いっこくの[猶予'ゆうよ]もありません』 『「ひゃん!」 近くから鳴き声が響きましたので手を止めますと、 白い犬が穴の中から飛び出してきました』 『白い犬は、てぬぐいをくくりつけられており、 てぬぐいには血で文字が書かれていました』 『その手紙から、 大勢が避難所に退避できていることと、 足を潰された一人は退避を出来ずにいることがわかりました』 『番頭さんが、沸かさせていたお湯をスキットルにいれました。 「体を暖めさせねば命にかかわる。すまんが、もう一度いってくれ」 白い犬は、スキットルをくくりつけられると、すぐにまた、穴の中へと駆け戻っていきました』 『やがて、なんとか人一人が通れる穴が空きました。 一番小柄な番頭さんが、マスクをつけて穴をくぐっていきました』 『穴をくぐっていきますと、 「ひゃん」とか細い声がします。 その声を頼りにいきますと、足を潰された鉱夫の頬を、白い犬が一生懸命になめていました』 『「もう大丈夫だ」 番頭さんが声をかけると、安心したのか、白い犬はくったりと眠り込みました』 『「早く逃してやってくれ。こいつは俺を助けてくれた」 足を潰された男は言います。 番頭さんは、白い犬だけ穴の外へと送り出し、またすぐに男のところへ戻り、励ましました』 『手早く処置をできたおかげで、二次爆発も起こることなく、 落盤は小規模で収まりました。 鉱夫の誰ひとり命を落とさず、足を潰された一人も骨折ですみました』 『番頭さんは穴から出ると、すぐに白い犬を探しました。 白い犬は、毛布にくるまれ寝かされていました。 番頭さんが病院に連れて行こうと抱き上げると、 うっすらその目をあけました』 『白い犬は口を開けましたが、もう鳴き声も出てきませんでした。 「あの男は助かった。他にも誰もしななかった。お前のおかげだ」 番頭さんは、そういいいました』 『白い犬の日が来て、終わったんだと、番頭さんにはわかりました。 頭をやさしく撫でてやると、白い犬はまた目を閉じて、 そのまま、死んでしまいました』 『「こんなに役にたってくれた犬はいない」 「こんなに賢い犬はいない」 「こんなに立派な犬はいない」 鉱夫さんたちは、白い犬をかこんで泣きました』 『番頭さんと鉱夫さんたちは白い犬を埋めました。 白い犬の話は新聞にのり、 炭鉱の名前は、[白犬'しろいぬ]炭鉱にあらためられることになりました』 『そののちに、記念碑がたてられることになり、 それが、白い犬のお墓になりました』 『大戦が終わり、 亜炭の需要がなくなると、やがて、 丹田にあった他の3つの炭鉱同様、白犬炭鉱も廃坑となりました』 『けれども、今も白犬炭鉱の記念碑は残っています』 『おしまい』 「……ふぅ……れいな、ちゃあんと読めました!」 「このお話、れいな、最初に聞いた時、 白い犬がかわいそうで、ちっちゃいこたちと一緒に、 すごく、泣いちゃったんですよぉ」 「読み聞かせのとき、泣いちゃったらだめだから、 れいな、泣かないように、何回も何回も練習して」 「そうしたら、白い犬、かわいそうじゃないのかも―― って、少ぉし、感じてきたんですぅ」 「だって、白い犬は、番頭さんのこと大好きだったって思うですから」 「役立たずっていわれて、なんにもできなくて、 お金も時間もたくさんかけさせちゃって、 体もよわくって、大きくなれなくて」 「それでも、番頭さんは、白い犬を大事にしてくれて。 『白い犬の日なんてこなくていい』って、 きっと、絶対に思ってくれてて」 「だから、白い犬は、白い犬の日を待ってたんだって思うです。 恩返し、絶対に絶対にしたいから」 「もちろん、死んじゃったらダメって、白い犬もわかってたと思うです。 死んじゃったら絶対に、番頭さんだってすごく泣いちゃうってきまってますから」 :後半涙声 「だから、いっしょうけんめいがんばって、 穴の外までちゃんと戻って、番頭さんと一緒――いっしょ――に」 「うぅ……うぅぅぅ〜―― やっぱり――やっぱり――かわいそうですよぉっ――」 「れいな、れいな、ないちゃいそうだから。 ぎゅうって、くっついてもいいですかぁ――ううっ」 「うっ――ひっくっ――うっ――うっ―― うぇえ――うっ……ぐすん――ぐすっ」 「あぅ……うっ――っ――んっ――(ずずっ)―― う……ぅぅ……ふ――ふう、ぅ」 「ごめんなさぁい。れいな、なかないって思ってたのに」 「やっぱり、死んじゃったらダメですよ。 残されたひと、ぜったいぜったい、ずうっとすごく悲しいですよぉ」 「だから、れいなもメンテナンス、ちゃんとうけるし、 自分でもすごく気をつけますねぇ」 「だって、いっしょにいたいから。 あなたとずっといっしょがいいから。 あなたを泣かせちゃうなんて、すっごくすっごくいやだから」 「だから、あなたもしんじゃったらダメですよぉ。 れいな、泣いて泣いて、泣いて壊れちゃうにきまってますから」 「ずっと、ずうっと長生きして、 おじいちゃんになっても、もっと長生きして、 ずうっとれいなと、いっしょににこにこくらしてくださいねぇ」 「……大好きって、大変ですねぇ。 あ、ううんと、大好きよりも、もっともっと強い、この気持ち」 「ポーレットのこと、れいな、大好きで、大好きだけど―― ポーレットのことを考えも、こんなふうに、こわくなったり、 かなしくなったりとか、しなくって」 「ポーレットのことかんがえるとぽかぽかしてしあわせで―― あなたのこと考えると、ぎゅうってしたりくるしくなったり こわくなったりとかもしちゃって」 「だけど、こうしていっしょにいると。 いっしょにいて、いっしょにおふとんのなかにはいって、 頭なでなでとかしてもらえると」 「こころのなかの怖いのとか不安なのとかがぜぇんぶとけて、 とけたのがふわーってして、 ぽかぽかしてしあわせなので、れいな、いっぱいになっちゃうんですぅ」 「恋とか愛とか、そういう気持ちがこれなんでしょうか。 れいな、まだよくわからないですぅ」 「だから、それも、いっしょにわかったらいいなって思うですぅ。 れいな、まだまだ、知らないこともわからないこともたくさんだけど――」 「あなたといっしょに、大事なことは、全部しりたいって思うです。 怖いこととか、苦しいこととか、 そういうことも、あなたといっしょに知るんだったら、大事なことって思うです」 「……なんか、れいな、あたま、たくさんつかっちゃいましたぁ。 ちょっと、ぽーってする感じですぅ」 「このまま、れいな、ねちゃいたいですぅ。 あなたのとなり、あったかくって安心で、 世界でいちばん、大好きな、ぽかぽかしてる場所だから」 ;あくび 「ふぁ……あ――ふぁぁぁぁ」 「ほかにもね、れいな、だいすきで大事なおはなし、たくさんたくさんあるですよぉ」 「ポーレットが……おしえてくれた……ふらんく、の……いぬ…… おはなし……とか――ふあっ!」 「あ――あ。れいな、いっしゅんうとうとしちゃってましたぁ」 「ねたいけど、ねちゃいますけどぉ。 でも、ねるまえに、大事なこと、ふたつしないと」 「ええと、ひとつめは―― 『おやすみなさい』ですよぉ。 えへへ、ごあいさつは大事なのですぅ」 「それでぇ、もうひとつはぁ――」 ;リップ音 「(ちゅっ!)」 「うふふぅ、おやすみのキスでしたぁ」 「あんしんしたら、眠たい……ですぅ…… あったかい――し…………いい……にぃ……ん……うぅ」 「おやすみ……なさぁい……」 ;寝息 「…………………………………………」 ;寝息 F.O. ;了