■トラック1 同棲彼氏と添い寝 おっ、お風呂上がったか。おかえりー。 なあなあ、お風呂のお湯の色ピンクっぽかったろ。 俺が入れといたバラの香りの入浴剤、どうだった? お前いつも頑張ってるし、たまにはリラックスできるものがあってもいいかなーって買ってみたんだけど。 うん、そっか! 気に入ってくれたようでよかったよ。 まだまだ残ってるし、好きなときに使ってくれていいからな。 ふぁぁ……今日はなんだかやけに疲れたな。 この時間にしては珍しくけっこう眠てえし。 お前もちょっとお疲れ気味っぽいし、そろそろ寝るか? ……おし、そうすっか。 そんじゃあ電気消すぞ。 えっと、リモコンリモコン……よっ、と。 へへっ、どうしたんだよ。 そんなに俺に抱きつきたかったのか?ほんとかわいいなぁ。 ……よしよし……。 お前はこうして頭を撫でられるのも好きだよな。 寝る前にそれやるといっつもそうして目を細めて、俺にもっとすり寄ってきて、まるで猫みたいな甘え方してな。 ……いいだろう、お望み通りもっとよしよししてやろう。 ほら、もっとこっち。 よしよし……よーしよし……よーしよしよし……。 あぁもう、本当に嬉しそうにしやがって……かわいすぎるな。 そんな反応されたら本当に抑えがきかなくなっちまいそうだ。 んっ……ん、ちゅ。 なに、俺のこと誘ってる?もっとシたいの? だーめ。明日も仕事あんだろ? 今からそんなコト始めたら…… 朝、起きれなくなっちまうぜ? ん、よしいい子。 ごめんな。でも寝坊したら大変だろ? 代わりといったらなんだが、お前が寝るまでこうしてぎゅってしててやるから。 え、いつもと変わらないじゃないかって?くすっ、細かいことは気にすんなって。 ……なんか、風呂上がった後のお前ってさ。 いつもすげえいい匂いしてんだよな。 そら普段だっていい匂いしてるぞ、女の子らしくて、その……俺の好きな匂い。 でも風呂上がった後のお前はシャンプーの香りとかもまとってて、なんだかもっとドキドキする。 それにお前のそんな姿をこうして毎日見ることが出来る奴なんて俺しかいないしさ。 あぁ、こんなに可愛い女が俺の彼女なんだなって思うんだ。 そんなお前がこうして俺とふたりで一緒に暮らしてくれて。 本当に俺は幸せ者だよ。 ……なあ。お前はさ、俺と一緒にいてどう思うよ。 ほら俺ってさ、わりと周りあんま見えないまま突っ走ったりとかやりがちだろ? お前のこと考えきれてなくて無神経なこと言ってケンカになって、泣かせたりとかもたまにやっちまうし……。 それでもお前は俺についてきてくれてる。俺のそばにいてくれてる。 そりゃもちろん嬉しいに決まってるさ。嫌なわけないだろ。 でもたまに不安になることがあるんだ。 俺はお前のことほんとに幸せにできてるのかって。 今すごく幸せだと思ってるのは俺だけで、俺の独りよがりになってるんじゃないかって。 ほんとに俺でいいのかなって少し自信が揺らぐことがある。 ……そんなことない? ん……そう。そっか……。 ……うん。ちゃんとお前が幸せだと思ってくれてるんならよかったよ。 ありがと。 お前のこと、絶対今よりもっと幸せにしてみせるから。 愛してるから。 これからも……一緒にいてくれよな。 ……じゃあ、もうほんとに寝るぞ。 まだ話したいーじゃない。いいから寝ろって。 色々言ったこと、今になって恥ずかしくなってきたし……。 あん?うっせえなんでもねえよ。 明日起きれなくなっても起こしてやんねーぞ? ふふっ、いい子だ。 おやすみ。 ちゃんといい夢見るんだぞ。 ■2.同棲彼氏とおやすみ 寝息 ■3.エピローグ・いってらっしゃい ――同棲彼氏 ん……。 あーもう朝か……ねみいな……。 ってお前もう起きてたのか……おはよ。 あーぁ、ちょっとつまんないな。 ん? なにがって、遅刻寸前の時間まで寝かしといて慌てるお前の顔、見たかったんだけどなぁ。 ちょ、まて冗談だって! ほんとにヤバい時間だったらちゃんと起こしてるから! うん本当。本当です嘘言ってません起こしてます! まぁ、ちゃんと起きれたんだからいいじゃないか。 おっと、もう出るのか? しっかり時間に余裕をもたせてるの、さすがだな。 でも忘れ物とか気をつけろよ? 定期とかスマホとか忘れたらけっこう面倒だしな。 さーてと。俺は今日休みだし、家でゆっくり過ごすとするか。 晩飯作っとくから、何食べたいか後で送っといてくれよな。 おう、バッチリ美味しいモン作っとくから! じゃあいってらっしゃい。今日もお仕事頑張れよ!