「ヒントをくれるふくろうが回りくどい告白してくれるボイス」 (SE:ばさばさ) ふぉっふぉっふぉっ…… やっと6つめのダンジョン……時空のダンジョンを攻略したようじゃのう。 あと2つのダンジョンにある石版を集め、合計8つの石版を集めると……最後のダンジョンへの道が開かれるじゃろう。 そこで姫を救い出し……この世界に光を取り戻すのじゃ。 いざゆかん!導かれしものよ! ……とは言ったものの少し待つのじゃ。前に頼んでおいた石はあったかのう?先程お主が攻略したダンジョンにあったと思うのじゃが…… おお、みつけてくれたか。それはそれは……ありがたいのう…… これは……間違いない、ワシが大事にしていた「知識の石」じゃ。 ふぉっふぉっふぉ。 まさかまた……こうしてワシのもとに戻ってきてくれるとは……長生きしてみるもんじゃのう。 お主には感謝してもしきれん…… ワシというものが、目を離したすきにゴブリン共に石を盗まれてしまってのう……なさけない…… ところでこの「知識の石」についての言い伝えを知っておるか? これは渡した相手に、一生の愛を誓う時に渡すものじゃ。 つまり、プロポーズする時にわたすもんじゃな。 ふぉっふぉっふぉ、お主はまだ若い。知らぬのも無理がなかろう。 で、どうじゃ? どうじゃというのは……まあそういう意味なのじゃが…… おぬしのような若人が古いしきたりに捕らわれる必要は無かろう……だが、まあお主が良いというのなら……まあそれもよかろう。 確かにワシはこの森の番人と言われておる。 週に二回くらいのペースで森の番人と呼ばれておる。 旅人に知識を与え……必要な時には追い返すこともあった。 様々な出会いがあり、別れもあった。 今後もそういった日々が続くと思うのじゃが……まあお主がどうしてもというのなら、二人で添い遂げるのも悪くは無いかもしれぬのう…… ワシも長い人生を送ってきたが、それでもまだ人間の年齢で言えば……お主とそこまで差が有るわけじゃない。 それにダンジョンを抜けるたび、次の攻略に関するヒントを与えるのも、少々面倒になってきてのう…… それに「このふくろう暇なの?」と思われそうで内心ドキドキしておったんじゃよ。 ふぉっふぉっふぉ。 ドキドキにはほかの意味があったかもしれんのぉ…… なんだか全然ピンと来てない顔をしておるようじゃな? 少し鈍くないか? ふぉっふぉっふぉ。なんでもない、なんでもないぞ。 ところで……おぬしは、今後どうするつもりじゃ? 今後というのは姫を救い出した後のことを言っておるのじゃ。たしかに、この世界は光を得るじゃろう。 じゃがお主はどうするのじゃ? 姫と共に暮らすつもりなのかのう?じゃが、ワシには分かっておる。お主はまた旅にでるつもりじゃろう? そのときに、その……人生の伴侶となるものが必要……とは思わんか? 一人よりも二人のほうが旅が華やかになると思うのじゃが…… 確かに旅は身軽でありたいというのは分かる。だから一人のほうがいいという気持ちも分かる。そこでじゃ、身軽な相棒がいれば、旅もだいぶ華やかに感じるようになるのではなかろうか? 知恵と知識が豊富なもの……そしてお主についていけるような身軽なものがいれば好ましいじゃろうなぁ。 お主の足を引っ張るようなものと旅をすると、いずれ人間関係がこじれてしまいやしれぬ。 どうじゃ? 思い当たるものが居るじゃろう? 鈍いのう、人間関係がこじれにくいものじゃ。 うーむ、もう一回言うぞ。 「ニ・ン・ゲ・ン」関係がこじれにくいものじゃ。 そういった「ニ・ン・ゲ・ン」関係がこじれにくいものが身近にいたりせぬか? 森の奥にいる老木? ふぉっふぉっふぉ。確かにあの老木は知恵と知識を兼ね備えているものの……一緒に旅するのはちょっと難しすぎやしないかのう? さすがに老木と旅に出るのは大変すぎじゃないか? ただまあ、発想はいいのう。 お主もすでに気がついているようじゃが、なにも人間に捕らわれる必要は無い。 愛にはいろんなカタチがあるからのう。 そ、そうじゃなぁ~…… ヒントをやろう。 数々のヒントを与えてきたワシじゃが、こういったヒントを与えることになるとは思わなかったんじゃがのう…… 大ヒントじゃ、身近に「ふ・く」から始まるものはおらんか? その「ふ・く」から始まるものが、お主の伴侶となればとても明るい人生が待ち構えてる……気がするのじゃが…… は?服飾デザイナーじゃないじゃろ。 いやいや、おかしいじゃろ。どうしてこの流れで服飾デザイナーだと思ったのじゃ。 「そうそう、旅にはやっぱり服飾デザイナー!」と言っておる人、聞いたことないじゃろ。 職業にはそれぞれ役割があり、職業に貴賎なしとは言うが、旅をしていくうえで「ああ、パーティに服飾デザイナーさえいれば……」と思うことそうそうないじゃろ? 服飾デザイナーは、おのおのの街で働いておるじゃろうから、服飾のデザインに困ったときにその都度、頼めば良いのではないか? 遠回しに言っても難しいようじゃな…… その……じゃなぁ……あの……せっかく、知識の石を渡してもらったわけじゃし…… ワシじゃどうじゃろうか?その……結構、まだまだ若いつもりじゃし…… 動物っていうのもまあ、愛にはいろんなカタチがあるものじゃし…… ワシが近くにいれば、困ったときにはヒントを与えることができるはずのじゃが…… ふぉっふぉっふぉ。 無理にとは言わんが、もし良かったら……今後は一緒に旅をせぬか……? …… 別に無理にとは言わんが…… ふぉっふぉっふぉ。 そうじゃろう、お主ならそう言ってくれると信じておったぞ! やはりお主は、ワシと一緒にいるのが一番だと思っておったのじゃ。 こんなお似合いな二人なかなかおらんからのう。 いや~、両思いなら、もっと早めに聞いておけばよかったのう。 ほれほれ、もっと近くに寄るのじゃ。 ふくろうは……特にワシは身軽じゃから今後の旅はまかせておけ。 ところで、今日普段と違うところあるのじゃが、気がついておるか? 鈍いのう、リボンを変えたことも気が付かんとは…… 次は気をつけるのようにするのじゃぞ。 では次のダンジョンに向かうとしよう! 結婚式の準備もせねばならんし、忙しくなるのう~!