登場人物の紹介・解説(ネタバレあり) ──────────────────────────────────── 【R.G.L】 ラギッド・グレート・ライアーズ (厳つくゴツく非常に重大な秘密を抱えた嘘吐きども) 対義語として、プリティ・リトル・ライアーズ。 登場人物が全員、何らかの嘘や秘密を抱えている。 ──────────────────────────────────── ○ジョン・アンダーソン ────────────────────────────────────  【表】  一人息子のマシューを育てきり、のんびりと余生を満喫している独居老人。  一流企業に就職し、日々慌ただしく世界を飛び回っている息子から  たまに送られてくる手紙、絵葉書、写真などをとても楽しみにしている。 ------------------------------------------------------------------------  【裏】  元軍人であり、元諜報員。  様々な任務・作戦に参加した経験を持つ。  過去についてはしっかりと清算しており、息子にも一切伝えていない。 「自分は何の変哲もない、ごくごく普通の男だ」という嘘を、長年貫き通している。 ──────────────────────────────────── ○トニー・ウォレス ────────────────────────────────────  【表】  片田舎で飲食店を営む、気のいい老人。ジョンとは以前からの友人関係。  その軽妙なトークと美味しい料理によって、地域の人々のハートと胃袋をガッチリと掴んでいる。  店内には賑やかなムードが満ちており、彼はいつも穏やかな笑みを浮かべている。 ------------------------------------------------------------------------  【裏】  元諜報員。  様々な任務・作戦に参加した経験を持つ。  これまでに一度たりとも友人に本物のカプチーノを提供した事がない。   ──────────────────────────────────── ○シャルロッテ・フェルランド ────────────────────────────────────  【表】  CIA傘下の研究所に所属する若き天才。  革新的な新型エネルギー炉である「セフィロ」の理論を構築し、鋭意試作品を開発中。  セフィロは手の平サイズで合衆国本土の消費電力を全て賄えてしまう逸品であり、国家どころか世界を揺るがしかねないモノである。  そのため彼女の頭脳や研究資料が様々な国や組織から狙われる事となった。  研究に没頭していたかっただけなのに、外野の騒動に巻き込まれてしまった哀れな発明家。 ------------------------------------------------------------------------  【裏】  実の所、セフィロの開発は難航していた。  そんな折に、諜報組織内の膿を除去するため「夢の動力源」を餌とする作戦が実施される事になる。  シャルロッテはさらなる開発予算・期間を確保するため、その作戦に餌のひとつとして参加した。  つまり「巻き込まれた哀れな被害者」などではなく、仕掛け人であり当事者である。  そのため、逃走中に追っ手を完全に振り切りそうになった場合、痕跡やヒントを残すよう務めさえした。 「CIAはこちらの動きを追い切れていない」とのコメントを耳にした際には、内心ひどく動揺した。 「え? 所謂囮捜査なんだから、逃げ切っちゃダメよね? ど、どうすれば?」と。  マシューたちに気づかれないように携帯電話の電源を入れたり、即席の発信器をこっそり制作したり、人知れず頑張っていた。 「お前は恩師(ケイン)に見捨てられていたわけだ」とのフォークのコメントには、実は罪悪感を覚えていた。 「いや、その、ケインさんは別に何もしてなくて、実は私が……うぅぅ。  美味しいご飯を頂いて、私たちを逃がすために特攻までしてくれた人に濡れ衣が……」 ──────────────────────────────────── ○マシュー・アンダーソン ────────────────────────────────────  【表】  一流企業に勤めるサラリーマン。  ビジネスのため出張する事が多く、中々帰郷する事が出来ない。  家族仲は悪くなく、父親に向けて年に何度か電話したり、出張先から土産品を贈ったりしている。 ------------------------------------------------------------------------  【裏】  CIAのエージェント。  同僚のフォークらの汚職に気づき、国家の重要人物と情報の流出を防ぐため、拙速を尊んで単独かつ迅速に行動した。  最愛の父に対して「自分はただのサラリーマンである」という嘘を吐き続けている。  【裏2】  同僚の裏切りについてはマシューが偶然気づいたわけではなく、上司から告知された。  今回の組織健全化作業は全て上司が御膳立てしており、マシューは仕掛け人の1人に過ぎない。  そのためシャルロッテが仕掛け人の1人であり、セフィロがまだ完成していない事も把握している。  シャルロッテに対しては「静かに研究を進めていたいだろうに、こんな役を演じる事になって大変だな」と、同情していた。 ──────────────────────────────────── ○フォーク・モーリー ────────────────────────────────────  【表】  CIAのエージェント。  アメリカ人。  マシューの同僚。  幼い頃に旅行先で事故に遭い、父と母と妹、そして一部の記憶を亡くしている。 ------------------------------------------------------------------------  【裏】  実はアメリカ人ではない。  旅行中のアメリカ人家族を爆殺し、唯一生き残った少年として成り替り、アメリカ社会に浸透した不穏分子。  つまり「本物のフォーク・モーリー」は、その家族とともに昔日に殺害されている。  当然、家族や故郷に関する記憶の欠落も事故の後遺症などではなく、そもそも持ち合わせていないだけである。  祖国のため、愛国心溢れるアメリカ人としてCIAに入り込む。  しかし幼少時の洗脳教育の効果もアメリカでの生活のより薄れ、昨今は優先順位に変化が生じていた。 ──────────────────────────────────── ○アンジェ・リー ────────────────────────────────────  【表】  CIAのエージェント。  アメリカ人。  フォークの部下。  幼い頃に旅行先で事故に遭い、家族と記憶を亡くしている。 ------------------------------------------------------------------------  【裏】  実はアメリカ人ではない。  フォークと同様に米国に混入された不穏分子。  祖国に忠誠を誓い、祖国の優位性を高めるために行動している。  フォークの事は同志であると認識している。  もっともフォークは彼女を同志ではなく駒、あるいは「いざという時に切るべき尻尾」と考えていた。 ──────────────────────────────────── ○スタン・ロバーツ ────────────────────────────────────  【表】  CIAのエージェント。  アメリカ人。  3枚目。 ------------------------------------------------------------------------  【裏】  ■■■■■ ──────────────────────────────────── ○リチャード・ケンドール ────────────────────────────────────  【表】  マシューやフォークの上司。  役立たずの昼行燈。  無用な置物。  無能。 ------------------------------------------------------------------------  【裏】  今回の騒動の黒幕。  粛々とミッションを監督・進行させる。 ──────────────────────────────────── ○ケイン・バーンハード ────────────────────────────────────  【表】  元諜報員。  第一線を引いた後はコーオプ教育や新人研修プログラム、犯罪捜査官訓練プログラムなどの補佐を務めていた。  マシューとは15年前にインターンシップにて関わりを持ち、その後は時折助言などを授けていた。  現在は完全に隠居しており、日々のんびりと過ごしている。  お料理上手。 ------------------------------------------------------------------------  【裏】  引退詐欺おじいちゃん。 「もうこれっきりだ」などと言いつつ、古い友人などから手助けを求められてはその都度渦中に身を投じている。  ジョン、トニー、マシュー、そしてリチャードのみならずスタンとも実は顔馴染み。 ────────────────────────────────────