「なんで風俗で働いてるか……って?」 ママがきょとんとした顔でこちらを見た。 「うーん。難しいこと聞くね……なんで、かぁ」 終了まで残りわずか。 寝ぼけた私の「なんで」に対してもママは律儀に答えを考えてくれる。 ベッドの上で私を抱きしめたまま「うーん」と考え込んでいるママ。 無意識に唇に触れる指先。 整った形をした桜色の爪が、ピンク色の唇の上にちょんとのっているだけなのに可愛い。 可愛すぎてじっと見ていたら、答えを思いついたママとばっちり目が合う。 ちょっと照れた表情でママが笑いかけてくれた。 「俺に向いてることだと思ったからかな」 ちゅっと軽いキスをして姿勢を変える。 私の頭をぎゅっと胸に抱いてくれた。 ベビードールの柔らかい布が頬をくすぐる。 とくん、とくん。 ママの鼓動が近くに聞こえる。 それと香水っぽさのない、ふんわり甘いママの体のにおい。 「例えばだけど、知らない誰かに今だけでいいから抱きしめてって言われたとしたら「いいよ」って言って抱きしめちゃうと思うんだ。だから向いてるのかなって」 穏やかな声が隣で聞こえる。それだけで安心する。 頭を抱いてくれる手が優しくて、温かくて、心地良い。 「必要とされるなら男の人でも女の人でも嬉しいし、できることはできるだけしてあげたい」 頭と首の境目、後頭部の下の方の髪を梳かれる。ちょっとくすぐったい。 悪戯する気持ちでママの乳首に吸い付く。 遊びすぎてザクロみたいな真っ赤な色になってしまった乳首。 やっぱり感度が高くなっているみたいで舌をこすりつけるだけでママが声を震わせた。 「ッぁ」 ぶるっとママの体が震える。 声の甘さが可愛くてもっともっとと話をねだった。 「赤ちゃんプレイもそうだし、あとはSMで……ご主人様のペットになったり?」 ママがペットになっちゃうのか。 それはそれで可愛いに決まっている。 ママの首に赤い首輪をつけてあげた姿を想像をしてみる。 ペットになったママはどんな顔をするんだろう。 感度も良いし、快楽で溶けたママはとっても可愛いのを知っている。 いつもと違う顔を見せてくれるのかな。 ぎしっ。 押し倒してみたら、思った以上にベッドが鳴って驚いてしまった。 ママも驚いた顔をしている。 「……ぁ」 じぃっとママを見下ろす。 期待した表情でママが声をこぼした。 押し倒して見ているだけなのに目が離せなくなっている。 ママの表情が、どんどんえっちになる。 (ママって見下ろされるの好きなんだ……!) 興奮で目を離せなくなる私と見つめ合うママ。 しばらくするとママの方から誘うようなえっちな手付きで頬に触ってきた。 「ばぶちゃんのリクエストなら、言ってくれたらなんだってお応えするよ……?」 こてんと首をかしげてくるのはずるい。 きっと次はそういうプレイも追加で頼んじゃう……! タイマーの音が鳴ってようやく体勢が変わる。 またママに抱きしめられるみたいになって、耳たぶにキスをされた。 「俺ね。えっちなこと、されたいの。きっと誰かに望まれたいんだ。そういう性格だから……向いてるでしょ?」 吹き込まれた言葉がえっちでくらくらする。 さっきまで視線を離せなくなっていたのはママの方だと思ったのに。 次はいつ会えるかな、なんてすぐにママのことを考えてしまうのだった。