「妹がまんじゅうを怖がってくれるボイス」 アニキ~!アニキ~!! そろそろニッパー返してほしいんだけど~! あれが無いとズサのプラモつくれないじゃん! アニキ、聞こえてないのか? お~い、居ない? あれ?おかしいなぁ……入るよ! おじゃま島倉千代子~(しまくらちよこ)(ダジャレ) え、えぇぇ~!!(驚き) ど、どうしたのそんな部屋のすみで手をあげて……それってロストワンの号哭(ごうこく)のポーズじゃん!?ロストワンの号哭(ごうこく)のPVに出てくる、無尽蔵に置かれた椅子にもたれかかってるシーンのポーズじゃん!? 宿題について歌っている時のポーズだよな!? 確かに色あせない名曲だけれど、でもそれは部屋で一人でやるべきじゃないだろ!! あ、別にロストワンの号哭のポーズを意識していたわけじゃないんだ。 偶然?たまたまそんなポーズになることある? じゃあそのポーズは何を表現しようとしてるんだよ! まさかさっきのはアニキなりの求愛のポーズだったってこと? そうやって数々の女性に求愛していたわけ? オリジナルの求愛ポーズで求愛していたわけ? そんなことはどうでもいいわ!いい加減に話を聞いてよ! ニッパーを……ん?(気がついた感じで) あれって……蜘蛛……? はは~ん、さてはアニキ、蜘蛛が怖いんだな! へ~!蜘蛛が苦手だなんて~意外~! 可愛いところあるんだな! 私はクモ好きではないけど……別に嫌いでもないかな、居たとしてもあんまり気にしないな~。 だってクモって害虫を駆除してくれるじゃん、それに人間を襲うわけじゃないし。 人間に一番害をもたらす動物って知ってる? それは人間…… 人間にとって一番恐ろしい動物、それは人間だ! クモなんかよりもっと恐ろしいんだ! ちょっと話がそれちゃった、ごめん。 え?私? 私の嫌いなもの? 嫌いなものくらいあるに決まってるじゃん! なにかって言われたらそれは……その…… (少し間) ……んじゅう…… おまんじゅう…… もう~!ちゃんと聞けよ! お饅頭って言ってるだろ! お饅頭が!怖いんだよ! あの丸みの帯びた謎の食品…… 「私は美味しいですよぉ」みたいなツラして、いざ口に運ぶと和!和!和!(わ!わ!わ!) アンコ!アンコ!アンコォ~! ほとばしるアンコに、この身を焼きそうになるわ! あれをスイーツと言い張って出てくるの怖すぎでしょ!スイーツって言ったらもっとストレートな甘さを表現したいときに出てくる言葉でしょ! アレがスイーツと言い張っていいなら、まだスポンジに砂糖まぶしたやつのほうがよっぽどスイーツだろ!! 例えば友達の家に勉強しに行くとするじゃん!! そんな経験ないけどさ!仲の良い友達の家にお呼ばれしたとするじゃん! すごーいオシャレな家にお呼ばれされたとするじゃん! シャングリラとかあってさ、メイドさんとか居たりするわけじゃん! それで、勉強の合間に卒業アルバム見て「え、この頃のカナメかわいい~!」とか言ったりするじゃん!そんでそんで、メイドさんがおやつ持ってきてくれるわけ! あ~いいな~そんな日々に憧れるな~! でも、メイドさんが持ってきたおやつが饅頭だったらどうする!? いやいや、こんなおしゃれなお家でどうしてお饅頭なんだよってなるよね!つっこんじゃうよね! 違和感で転びそうになっちゃうよ。 もうそれならスポンジに砂糖まぶしたやつでいいよ! スポンジってどっちかと言うと洋食な気がするから、違和感はお饅頭より少ない気がする! スポンジについた砂糖をペロペロ舐めながら友達に「勉強はかどるわ~!」って言ったるわい! メイドさんありがとう!スポンジ甘いよ!! (少し間) 昼に饅頭が出てきたとなると、夜も恐怖! いつ饅頭が再び出てくるか分からない! 友達の家に行ったら夜はパジャマパーティーするじゃん!多分だけどするじゃん! 「カナメは告白したいメダロットいる~?」なんて聞いちゃったりするよね! 「ええ?!カナメはデビチル派なんだ意外~」とか言っちゃうたりするよね! そこでお母さんが持ってきてくれるのは~!お饅頭! ひえぇ~!突然の和(わ)!味噌汁にハンバーグが浮いてるみたいな違和感! ほのぼのアニメだったのに、最終話近くになって喧嘩しちゃうみたいな違和感! 怖い~!まんじゅうこわい~! 想像しただけで震えが止まらないよ…… もう友達の家にお泊り行けないよ……行ったことないし誘われたら絶対行くけど…… そりゃ、行くけどさ! もちろん、お饅頭も食べるけど! だけど食べる時、ゾロがおにぎり食べるシーンみたいになっちゃう! バリバリッ!モグモグッ!って感じになっちゃう! (落ち着いて)ふ~…… ということで私は、そのくらいお饅頭が怖いのでした。 あれ?アニキ私の話聞いてる?何をごそごそ…… (多少わざとらしくても大丈夫)そそそ、それは、お饅頭! こ、この流れ、そうじゃないかと思ったけど、やっぱりお饅頭! ひぃ~!なんでそんなものがアニキの部屋にあるの!? 夜食におまんじゅうを食べようとしていたの!? 夜食とおまんじゅうの相性って最悪でしょ! 絶対口の中がパサパサになるじゃん!勉強中に「この三次関数は……うっ!喉がっ!」ってなるじゃん! 三次関数のくぼんでるところに饅頭つまってる!みたいになるじゃん! いや、それはならないか…… とにかく、私の前に饅頭を出すのやめろ! (少し間) また何か出てくる!これは……栗まんじゅうだぁ! 上の部分の光沢!どうなっているの!吸い込まれそう!上の光沢の部分に吸い込まれそうだよ!もはや饅頭界隈のブラックホールといっても過言ではない! (少し間) 次は……も、もみじ饅頭だ~!ひえぇ~~~!!! もみじのカタチに騙されて食べると……やっぱりおまんじゅうだ! 私は騙されないぞ!もみじを偽装したその饅頭! もうやってることミミックと変わらないじゃん! (少し間) ん……これは……月餅…… 怖いような……怖くないような……でもまあ怖い! 月みたいなカタチが怖い!眼の前に月があったら夜だと思っちゃうじゃん! これ見て太陽が「やば!夜だったわ!」って隠れちゃって一日が短くなったらどうするんだよ! ということで怖い! (少し間) 次は何だよ……これは”通りもん”! 福岡土産にいいよね~……あっ!よくない!怖い!なんかもう怖い! えっと……なんも思いつかないけど怖い!饅頭じゃ絶対ないけど怖いよアニキ! いい加減にしろよ! なんで机にいろんなもの入ってるんだよ!怖すぎるだろ! こうなったら……全部食べて視界から消してやる! (少し間) (”もぐもぐ”って頬張るような音を少し) あ、うめ~!騙されたなアニキ、私は何を隠そう饅頭が大好きなんだよ! うめ~!まさか”通りもん”までもらえると思わなかったな~! アニキありがとな! 当然、饅頭は返さないからな~! 渡したそっちが迂闊だったんだからな! ん?本当に怖いものが知りたいのか? う、うーん、分かったよ、言えばいいんだろ…… 本当に怖いのは何ってそりゃ…… (少し間) アニキが怖い……な、な~んてね……(ちょっと照れた感じに)