//Track02 - 始まり //(生徒たちの声が遠く、談笑する声や部活動に励む声などが聞こえてくる) //(Track01から数日後。前回と同じく、屋上扉手前の階段で集合する約束をしていた) //(前回と違い、るなの方が早く到着していた。まるでこの時間を楽しみにしていたみたいに…) あ。やっと来た… ほーら、ここ。 階段座ろ? //(るなの右側に座る) 【マイク位置 やや右側 近く】 はい、手も握ってー。 別に、時間通りじゃなくても謝らないでいいよ? 日直だったもんね。 それに先に来てたの私の方だから… //(元々最低なお願いしてたのに、来てくれるなんて思わなかった、と男子生徒が言う) え? や、手繋ぐだけで満足してくれるんなら、そのくらいはいいかなって… 手繋ぐだけでもいいって言ったの、そっちだし。 でも、元々キミが最低なお願いしてきたの、忘れたわけじゃないからっ。 それに部活もあるから居られて15分くらいでしょ? 私は帰るだけだから、それなら早めに済ませちゃおうって思っただけ。 //(手を握っていて、また手汗をかいてることに気付く) ねえ、また手汗… え、私のだろ、って? うそ? あ…ほんとだ、私のだ…あはは。 緊張…してないんだけどな。 なんでだろ。 【マイク位置 中央 近く】 //★(もじもじして恥ずかしそうな声) ね、ねえ、何か面白い話してよ。 なんか沈黙されると余計緊張するっていうか… //★(思い出した感じのテンションで) あ、そ、そうだっ。 なんかさ、最近仲いい女の子いない? 今日だってお昼一緒に食べてたじゃん。 購買のパン買って渡してるの見てたんだから。 //(あれは頼まれただけだよ、と男子生徒が言う) 頼まれただけなの? そのわりには楽しそうだったけどなぁ。 //★(ちょっとからかう風に) あっ。こうしてるの、浮気になっちゃわない? 大丈夫? まだ付き合ってないから平気って? じゃあ付き合ったら、これ、しなくなるんだ? なら早く付き合っちゃえばいいのに。 //(付き合うとかそういう感じじゃないから、と男子生徒が言う) //★(それを聞いて呆れ気味に返するな) そんなんじゃない、とか。 嘘じゃんそれ。 彼女できたことないんだし、嬉しくないわけないでしょ? それに私だってその子に悪いもん。 好きな男子がさ、他の子と陰で仲良くしてたら流石に傷ついちゃうな。 だからその子と早く付き合ってよ。 …付き合ったら私はどうするの、って? うーん…別にどうもしないけど。 //★(軽い口調でわざと挑発的なことを言う) もしかして、キミが他の子と付き合ったら、私がショック受けるとか思ってる? あはは、自惚れすぎ。 嫉妬してほしいの? 欲張りだね。 でも…幸せになってくれたら、私は嬉しいかな。 え、握る力強くなってる? あっ、ごめん。 …ねえ、もしさ… もし、こないだのお願い、私がいいよって言ってたら、どうしてたの? あの…手でする、ってやつ。 そしたら私と付き合うって可能性もあったのかな。 仲いい子に聞いたんだけど… 成り行きで付き合っちゃうってこと、わりとあるみたいでさー… まあ、最低だなーって思うけど。 …って、なんでこんな話してるんだろ。 何でもない。忘れて? //★(気持ちを切り替えて普段の調子に戻る) …あ。そろそろ部活行く? うん、じゃあ私も帰るから、キミが行って少ししたら私も帰るね。 …今度会うのは週明けになりそ? ふうん、部活忙しいんだ。 …手離さないの? 行かなきゃ、って言ってる割に握り続けてたから… //(手が離される) //★(少しだけ残念そうに) あっ… う、うん。頑張ってね。 それじゃ、また… //Track02 - 終わり