01.プロローグ よし…。 これで、体は大丈夫なはずです…。 あとは…魂、でしょうか。 はぁ…。 まさか、私の初めてのキス相手が死体とは…。 全くもって、笑えますね。 まぁ、この方法が一番確実ですし…仕方ありません。 合理的な判断…そう思いましょう…。 では、早速…。 はぁ…ん…ちゅ、ちゅぅ…んん…はぁ…ん… ちゅ、ちゅ、ちゅぅ…んっ、ふぅ…ん… はぁ…んちゅ、ちゅ、ちゅぅ…ん…ふぅ… はぁ…ん、んちゅ…ちゅ、ちゅぅ…んちゅ、ちゅ… ふぅ…ん…ちゅ、ちゅぅ…んん…ちゅぅ… ん…ふぅ…。 どう…でしょうか…? ……。 あっ…。 …ようやくお目覚めですか…? 全く…私にここまでさせるなんて、本当に手の掛かる人です。 ですがそれも今日まで…って、聞こえてますか? ん…えっと…。 その、もしもし…? 私の声、聞こえますか…? んー…もしもーし…? お返事、できますかー…? …あ、そうか…。 すぐに声を出すのは、少し難しいですよね…。 なら…。 私のこと…分かりますか…? …そうですか。 やっぱり、記憶が…。 仕方…ないですね…。 あ…いえ、すいません…。 気にしないでください。 それよりも…自己紹介しましょうか。 私は、ヨミといいます。 死霊術を研究しているネクロマンサーで… たった今、お兄さんを蘇らせてあげた… そう、命の恩人なのです。 その様子だと、気付いていないみたいですが…。 お兄さん、先程まで死んでいたんですよ…? まぁ…突然のことなので、混乱してしまうのも分かります。 ですが…安心してください。 先程、お兄さんの魂を私の魔力で補ってあげた際、 私に服従するよう…契約術式も一緒に仕込んでおきましたから。 これでもう…お兄さんは私の所有物です。 ふふふ…。 理解、できませんか…? 私が、お兄さんのご主人様…ということです。 なので…蘇らせてあげたことに感謝して、私に忠誠を誓ってくださいね。 これからは、私がお兄さんを管理しますので。 二度と、私を置いていったりしないようにね…。 だから覚悟、してください。 お兄さん。