;//////// ;Track1:鍋島藩窯公園に流れる伊万里焼をかたちづくる音と、切子のはんなり指ほぐし(嵯峨県の誇り、伊満里焼の聖地、鍋島藩窯公園に流れるさまざまな音を楽しみながらの、切子の昔語りと指ほぐし) ;//////// 【切子】「ああ――」 ;環境音 鍋島藩窯公園_伊万里焼風鈴入環境音.wavで風鈴いりで使えるとこ使っていただけましたら幸いです。 ;あまりに厳しいようなら 鍋島藩窯公園環境音.wav ベースに加工等して風鈴足していただくいただく形でも全く問題ございません 【切子】「(じっと風鈴の音に耳を傾ける8呼吸)」 【切子】「……これこそ伊満里(いまり)の。400年の歴史を紡ぐ磁器の里の音でありんすな」 【切子】「伊万里焼の風鈴の音。陶土(とうど)の源となる水路の音。石畳を掃く風の音……」 【切子】「(満足そうな長い一息)――これを聞けただけでも来てよかったと、心底切子は思いんす。ますたぁさんも――あらまぁ、うふふっ」 【切子】「ますたぁはん。かちんこちんであらしますなぁ。表情が伊満里の磁器より固くなっておりゃりんす」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「ほぉら、ね? りらっくすりらっくす(ふ~~~っ)」 【切子】「あははっ、びよんって! びよんって今度はバネ仕掛けみたいに。 ますたぁさんはよぉ動かれて、まっこと元気でおりゃりんす」 【切子】「いえいえ、からこうてなぞ。子供扱いだなんて、まるっきりしておりんせん」 ;3/右(接近囁き)→;3/右 【切子】「先の大戦のあの地獄。戦中生まれの切子から見たら、ますたあさんは子供いうよりむしろ孫――あははっ」 【切子】「冗談、冗談でありんすよ。ますたぁさんがどれほど立派な男に、機関士に育ちんしたか、切子はずっと。一番近くでずっとずうっと、誰よりよっく見ておりんしたゆえ」 ;そっぽを向いてぼそっと独り言→視線戻す 【切子】「ま、それだけに、可愛(かい)らして可愛らしてたまらんゆーのもホンネざんすが――ああ、いえいえ、なんにも言っておりゃんせん」 【切子】「と、申しんすか、緊張――意気込んで固くなってしまう気持ちでしたら、切子も同じく感じておりんす」 【切子】「音を通じて沿線各地の名物・名所を紹介しなんし、『蓄音レヱル』なる企画」 【切子】「永崎の原爆救援機として知られる切子が、縁あってお世話になった松裏(まつうら)鉄道伊満里線の音風景を、嵯峨県の代表として伝える大役を負う」 【切子】 「……こな未来、たとえご先代――ますたぁさんのおじいさまでも、まるで想像叶いんせんことでござりんしょうし」 【切子】「今の永崎――あの焼け野原から立ち直り、往時を上回る繁栄を誇るようになってくれた明るく輝く永崎を紹介なさりんすなら、切子よりも海さんの方が好適と……。切子自身が、誰より強く感じるところでもありんすゆえ」 【切子】「……逆に伊満里の歴史と深みを伝えさせていただくんざんしたら、酸いも甘いも……ま、そこいらの若手レイルロオドよりはよほど噛み分けさせてもろうとりんす――ああ」 【切子】「さいざんしたか。そこざんしたか。ますたぁさんが、カチンコチンになられておりゃりんす、そな勘所(かんどころ)は」 【切子】「大丈夫。ますたぁさん。気楽に構えておくんなんし。そこはそれ、役割分担で参りんしょう」 【切子】「歴史や深みを切子が見つけ――否(いな)、音ですゆえ聞き取って。 切子の耳では捉えられんせん、若さや軽さを、ますたぁさんのお耳にきっと、聞き取っていただく」 【切子】「そな役割分担を果たせなんせば、他のどのマスターとレイルロオドより素敵な音を。伊満里の、嵯峨(さが)の、松浦鉄道沿線の音の魅力を、きっと余さず紹介することが叶いんしょう」 【切子】「そは似た者同士でありんした切子とご先代――ますたぁさんのお祖父様とではできんせん、素敵な役割分担でござりんすゆえ……ああ」 ;3/右 接近囁き 【切子】 「(ふーーーーーーーーーーーーっ)(ほっぺに軽いキスのリップ音)」 【切子】「表情、やぁっとほぐれなんしたねぇ。 上等上等。カチカチにしゃちほこばっておりなんしたときより、ずうっと素敵で男前になりんした」 【切子】「ほぐれたところで、今日の取材、録音取材の予定をここで、今一度確認しなんしょう」 【切子】「このあとは、虎仙窯(こせんよう)――トラの仙人のカマと書く工房に参りんして、陶芸体験をさせていただきんす」 【切子】「音を聞くのが主目的ではありんすが、せっかくでありんす。ますたぁさんなり切子なりが、普段遣いにできる器のひとつもこさえることが叶えば、一石二鳥となりんしょう」 【切子】「とは申せ、切子は手先にあまり自信がありゃんせんゆえ――」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「頼りにさせていただきんすよ? ますたぁさん」 【切子】「ああ、いいことを思いつきんした。せっかくですから少し手ほぐし、ゆびほぐしをなぞしてまいりんしょう」 【切子】「ね? ますたぁさん。両手をひらいて、それぞれをそれぞれのお耳の横に―― 『よぉ聞こえんせん』って手を耳のわきにあてるときの感じで――そうそう、そな感じにしておいてくりゃんせん」 【切子】「そうしたら、まずハンドクリームを」 ;SE ハンドクリームだし→切子自身の手に塗り拡げ 【切子】「切子の両手にたっぷり広げんして――ん……(クリーム塗ってる2呼吸)」 【切子】「広げんしたら、左右同時に――にちゃあ」 【切子】「ますたぁさんのお手々の両面、表と裏に塗り拡げんして――」 【切子】「(4呼吸)」 【切子】「で。指、ちくとひらいておくんなんし。ああ、そう――そしたら――指と指との隙間ごと、切子の指をにゅるうりと――」 ;SE 指からめでのぬりひろげ 【切子】「(指と指に隙間に指をいれて塗り拡げる4呼吸)――指の隙間に――(2呼吸)クリームたっぷり――(2呼吸)――塗りん、して(2呼吸)」 ;SE stop 【切子】「塗りおわったら、今度は指をほぐしんす。まずは右手の親指から。筒にした手のひらでつつんで、根本から先まで、伸ばすみたいにひっぱりこすって――」 ;SE 筒にした手で指を包みこする(繰り返し) 【切子】「しゅっしゅ。――のばし、のばし――(2呼吸)したら、人差し指――(2呼吸)中指――(2呼吸)――薬指――(2呼吸)――小指――(2呼吸)」 【切子】「左手にうつりんして、親指――(2呼吸)人差し指――(2呼吸)中指――(2呼吸)――薬指に――(2呼吸)――最後は、小指(2呼吸)」 ;SE stop 【切子】「ん。指だけじゃなくて、頬もぽーっとあからんできなんしたね。 血行のよーなって、よーぉほぐれている証拠でありんす」 【切子】「こな勢いで、手首も伸ばしてほぐしんしょう、 左右同時に。くるっと手首をつかまえて――」 ;SE 手で手首を包んでの手首伸ばしストレッチ 【切子】「包んだ手で、手首をひねるイメージで、しゅる、しゅる、くる、くる――(4呼吸) そしたら、前後に――手首の骨の出っ張りを――ぐりぐり、うごかし――(4呼吸) 最後はもいちど――しゅるしゅる――くるくる――(4呼吸)」 ;SE stop 【切子】「はぁい、上手にほぐせんしたね。っと。くりいむ、少し手にまだべとつき感が――えい」 ;SEクリームで両耳マッサージ 【切子】「いささかもったいありんせんゆえ、ますたあさんのお耳に塗り込んでしまいんしょう」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「お耳、これから、たくさんたくさん使いんしょうゆえ」 ;1/前 【切子】「じゃ、参りんす」 ;1/前 ;SE 左右同時に、耳にクリーム塗り 【切子】「(静かに耳にクリーム塗り込む8呼吸)――ん」 ;SE stop ;3/右(密着吹きかけ) 【切子】「(ふーーーーーーーーーっ)」 ;7/左(密着吹きかけ) 【切子】「(ふーーーーーーーーーっ)」 ;1/前 【切子】「はぁい、おしまい、そしたらいいあんばいにほぐれたところで」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「陶芸体験、いってみなんし」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track2:切子と密着ロクロ体験(伊満里・虎仙窯でのろくろ体験。ぬるぬるの陶土を楽しみながら、お茶碗や湯呑をつくる) ;//////// ;SE 電動ろくろの音 on ;3/右 【切子】「……電動ろくろ。音。小さいでありんすな」 ;SE 電動ろくろの音 off ;環境音 鍋島藩窯公園_ろくろ体験.wav ;(電動ろくろの音ない部分を基本使ってください。onの間は別記します) 【切子】「とは申せ、陶芸用の粘土――陶土(とうど)に触れる音も多少は立ちんしょうし、ろくろ体験、このまま続けてまいりんしょう」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「さ、ますたぁさん。陶芸の、伊満里焼きの先生(せんせ)がおっしゃるとおりに」 ;3/右 【切子】「まずは両手の親指を、ろくろの回転面に対して垂直にしなんして――そうそう、そな感じで、泥に沈める」 【切子】「指の力で形がぬるりと……ぁぁ――陶土のなんとなめらかそうなことでありんしょうか。 (マスターの話を待つ2呼吸)――ふぅん、手触り、それほどよいもんでござりんすか」 【切子】「(呼吸音)(呼吸音)――あら、よろしいんざんすか? それなら切子も失礼して少し……(決意の一息)」 ;SE ;7/左にいる切子が、その正面にある陶土をぺたぺたと触る(継続) 【切子】「(陶土をぺたぺたと触る4呼吸)――ふふっ、まことに素敵な手触りでござりんすなぁ」 【切子】「なめらかで、しっとりと濡れた感じもあって。ひんやりとしているのにほのあたたかで、指がつるつると滑っていくのに、少し力をいれてみたなら、しっかり食い込む」 【切子】「これはさぞかしお肌にも……じゃ、ござりんせんね。いまは体験。ますたぁさんの陶芸体験のお時間ざんした」 ;SE stop 【切子】「仕切り直しで、親指をろくろの上の陶土の固まりにしずめんしたら――ふんふん、ろくろはフットペダルがスイッチでコントローラー、踏めば動き始めて、踏み込むほどに回転速度があがっていく――でござりんすか」 【切子】「最初はゆるゆる……らしいざんすよ、ますたぁさん。さ」 ;SE ろくろon 【切子】「ほ、まわりはじめんしたね――(見守る2呼吸)――ふむふむ、見る見るうちに、沈めてる親指のとこ、穴がぐいぐい広がっていくでありんすねぇ」 【切子】「次は……(2呼吸)――ほぉん、開いてる四本ずつの指を、泥を挟んで親指の反対側に」 【切子】「親指と、外側に出した4本指とで挟んでいる土を、少しずつ少しずつ、回転にあわせ外へ外へとじわじわ広げ……(マスターのろくろの様子を伺う8呼吸)――ああ」 【切子】「見事なもんでありんすなぁ。だんだんお茶碗というかどんぶりというか、そな形に――(嬉しげに見守る4呼吸)――」 ;3/右 (接近囁き)→驚きで離れて;3/右(通常) 【切子】「さすがは切子のますたぁさ――あっ!?」 ;SE ろくろstop 【切子】「ああ……切子が余計なことを申したせいでありんしょうね。せっかくできかかっとりんした器が、急に歪んで一気にぐしゃん、と」 【切子】「(先生の話を聞く3呼吸)――はぁ。左右の手で力の入り方が変わってしまいんすと、バランスもすぐ崩れてしまう」 【切子】「崩れ始めたらすぐに立て直さないと、いまのよーにあっという間に、復元不可能に――でありんすか」 【切子】「(物思わしげな深い息)……ありとあらゆることに通じそうな、深い深い教訓を得られざんすねぇ、陶芸」 【切子】「……立て直しの秘訣なんぞが、もしありんしたら……ほうほう――(話聞く2呼吸)」 【切子】「『とにかく体を安定させて、手と指の当て方を一定に落ち着けること』――ざんすか」 【切子】「そなできたなら、崩れ始めに気づきやすくなりんすし、気づきが早ければ早いほど、立て直しも簡単になる」 【切子】「気づきがおくれて、大きく崩れてしまっておりんしたら、もう何をやってもムダでしかない……ははぁ、まっこと、大事な教えでありんすねぇ」 【切子】「なら――ね、ますたぁさん。今のお話をくんで、切子からひとつご提案がござりんす」 【切子】「切子はレイルロオド。バランスや安定といった身体動作の面においてが、人間であるますたぁさんより、そもそもの構造からして有利でありんす」 【切子】「ゆえ、ね? 切子がこう――」 ;SE 切子の衣擦れ(マスターをすっぽりかかえこむようにして後ろから密着して座る) ;4/後右(密着) 【切子】「ますたぁさんをすっぽりと抱え込む形ですわりんして。その上で両手を――さいざんすね、ここ、二の腕の部分でお支えするだけで」 【切子】「――ああ、安定するならなによりでありんす。ほな、ますたぁさんがお嫌じゃないければ、このままもう一度仕切り直しを」 【切子】「陶土、整え直してもらいんしたし――さ、もう一度ペダルをゆっくり踏み込んで……」 ;SE ろくろ、さっきよりゆっくりスタート 【切子】「まずは親指を垂直に――(4呼吸)で、残る4本の指を――(4呼吸)お上手、お上手――(4呼吸)――形、だんだん、だんだん、と」 【切子】「お椀……お茶碗……(4呼吸)ご飯茶碗に……(4呼吸)――ああ、良いざんすねぇ……(4呼吸)――ふだんづかいに、まことよさげな――(4呼吸)」 【切子】「大きさは、このくらい? ……(4呼吸)あとは……なるほど……(4呼吸)――挟み込みの力の加減で……(4呼吸)……厚みを、だんだん、薄く――(4呼吸)」 【切子】「(ろくろ仕上げをじっと見守る8呼吸)――うん♪」 ;SE ろくろstop 【切子】「さすが。さすがの一言ですなぁ、ますたあさん。 まこと見事な……お店で売ってるような形の、きれいに整ったご飯茶碗じゃござりんせんか」 【切子】「厚すぎず薄すぎず、実に持ち味もよさそうで……(マスターの話を聞く2呼吸)――ええ、これで仕上がりでよぉござりんしょう。実に見事でござりんす」 【切子】「そしたら……ふんふん、少し強め・早めにろくろを踏み込んで?」 ;SE ろくろon 【切子】「タコ糸? あ! TVとかで見たことありんすね。それを回転してるろくろの根本に――」 ;SE ひもで器の底切り 【切子】「(見守る2呼吸)――♪」 ;SE ろくろstop 【切子】「実に鮮やかでござりんす。底、きれいに切れるもんざんすねぇ」 【切子】「そしたら? ……ふんふん、左右の中指と人差し指を大きくVの字にひろげて……」 【切子】「でその指で器の底を――なるほどなるほど――ああ、ますたぁさんうまい、お上手――」 【切子】「お見事! これでご飯茶碗がひとつ形になりんすたねぇ」 【切子】「この先は……(2呼吸)――はぁ、先生の方で乾燥させて釉薬(うわぐすり)を塗って焼き上げて。焼き上がったら宅配便で仕上げてもらえる」 【切子】「まこと楽しみで、待ち遠しくなりんすねぇ。(2呼吸)――なんと! まだ粘土が余ってるから、もうひとつ作っても大丈夫」 【切子】「それなら……(伝え方を考える1呼吸)――ね、ますたぁさん。お耳、貸してくれなんし」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「よそうものがご飯ではなく石炭となってはしまいんすが――よければ茶碗、さっきのと対になるようなものをどうぞ、ますたぁさんのそのお手で……(返事待ちの呼吸)――あ♪」 【切子】「うふふっ。ありがとうござりんす――(右頬にキスのリップ音)」 【切子】「ほな、ますたぁさん。も一度ゆるり、ゆるりそろりとろくろを回して――」 ;SE ろくろon 【切子】「もぉひとつ、ふたりで器を作りなんしょう――」 ;se F.O. ;環境音 F.O. ;//////// ;Track3:粘土クリーム&パックでお顔とお耳をヒーリング(キメの細やかな泥を配合した粘土クリームと粘土パックで、集中から開放されたばかりの顔・耳をつつみこんでのヒーリングセラピー) ;//////// ;1/前 【切子】「(大きく伸び)――まこと、素敵な景色ざんすねぇ」 ;環境音_伊万里・大野岳 F.I. 【切子】「伊満里を見下ろす多野岳(おおのだけ)。ますたぁさんののおすすめで足を伸ばして、大正解でありんした」 【切子】「景色がよくて、穏やかで……こなピクニックシートをひろげておりんすと、お昼寝でもしたくなるような……」 【切子】「(マスターの大きなあくびを見守る呼吸)――ありゃりゃ、見事なあくびさんでありんす」 【切子】「……おつかれでござりんすよね、それはもちろん。こな『蓄音レヱル』の録音取材ますたぁさん、準備段階から張り切って、がんばってくりゃんしたゆえ」 【切子】「『沿線の音で地域の魅力を伝える』……魅力的で、それだけに難しいテーマ。ますたぁさんの丁寧な下調べと行動力のおかげで、素敵にこなすことが叶いんしたと、切子が強く感じておりんす」 【切子】「陶芸体験の録音で、大きく一区切りつきんしたゆえ、今はどうぞ、ゆるうりとゆるんで――ああ、さいざんす」 ;7/左(接近囁き) 【切子】「ね、ますたぁさん。疲れを癒やすお手伝い、切子にさせておくんなんし。さ、さ、どうぞ、頭を切子のお膝へと――」 ;1/前→;7/左 【切子】「(ひざまくらへの体勢移行を見守る2呼吸)」 ;7/左(密着) 【切子】「うふふっ、ますたぁさん、いらっしゃい。ほんなら、お顔。いまはどうぞ真上にむけておくんなんし」 ;7/左→;1/前 【切子】「そうそう――切子とみつめあうように――ん」 【切子】「そうしたらこれ、見ておくんなんし」 【切子】「泥――クレイクリーム。伊満里の町のお土産屋さんで売っておりんした」 【切子】「これを使いんしてますたぁさんの……ね? お手々、切子に少し預けてくりゃんし」 ;マスターの両手を切子が両手でつつみこみ、撫で・さすりまくる 【切子】「(マスターの手指の肌の感触を撫でで楽しむ8呼吸)」 【切子】「さきの陶芸体験で、伊満里のあのなめらかな陶土に手の平を、指を沈めまくりゃんしたおかげでしょうねぇ――(大満足の長い息)」 ;7/左(接近囁き) 【切子】「ますたぁさんのお肌、いつも以上につるつるですべすべになっておりんす」 ;7/左 【切子】「ゆえ、こな泥の効果を活かしんしての、クレイマッサージで。ますたぁさんの疲れをぬぐっていやしんしょう」 ;1/前 【切子】「泥クリームを……とって、伸ばして――」 ;SE クリーム蓋あけ→手にとって→自分の両手に塗り拡げる 【切子】「ん……(クリーム広げの4呼吸)」 【切子】「ますたぁはんのおでこ、おはな、左右のほっぺ、顎にクリームを、ちょん、ちょん、ちょん、ちょん、とおいていきんして――」 【切子】「おけたら、まんべんなくぬりひろげましょう――ん」 ;7/左(接近囁き) 【切子】「目、閉じていておくんなんし」 ;SE セリフあわせでクリームマッサージ(継続) ;1/前 【切子】「ゆっくり、ゆっくり。かるぅく、かるぅく……(ゆったりと顔全体に塗り拡げていく4呼吸)」 【切子】「ますたぁさんのお顔――(2呼吸)見ているだけでも切子は落ち着き、癒やされんすうえ――――(2呼吸)こなして、手のひらで、指先で――――(2呼吸)丁寧に、触れておりんしても、やっぱり――」 【切子】「落ち着く……というか――(2呼吸)肌なじみ、感じてしまいんす――――(2呼吸)この辺は、もう――(2呼吸)相性の良さで、ござりんしょうね……っと」 【切子】「お耳にもしっかり塗りゃんせんと――――(2呼吸)左右同時に――――(2呼吸)まずは耳たぶ――――(2呼吸)で、耳の外側――――(2呼吸)」 【切子】「耳の縁――――(2呼吸)フチの、裏側――――(2呼吸)だんだん中に――――(2呼吸)穴の、まわり、で――(2呼吸)」 ;SE 耳穴にも指を入れつつの耳へのくリーム塗布 【切子】「(たっぷりと耳マッサージの8呼吸)――ん」 :SE stop ;3/右 【切子】「(ふーーーーーーーーーーーっ)」 ;7/左 【切子】「(ふーーーーーっ、ふっ、ふっ)」 ;1/前 【切子】「これでお肌の保湿と保護はできんしたから、少しだけ、マッサージの強度をあげてまいりんしょう」 【切子】「指先を使いんしての、老廃物を押し流すイメエジのマッサージ。 血行を良化させるだけでのーてく、美容にも効果がございんすゆえ――ふふっ」 ;7/左(接近囁き) 【切子】「切子の指先の感触に、体を委ねておくんなんし」 ;7/左→;1/前 【切子】「じゃあ、参りんす――ん……」 ;SE リンパ系のこするマッサージ。両手指を同時につかって左右対照に。セリフ合わせ 【切子】「まずは、おでこを――(2呼吸)生え際から、左右に開いて――(2呼吸)だんだん、下に――(2呼吸)下にさがって――(2呼吸)」 【切子】「眉毛も、そのまま――(2呼吸)指を長くで、こめかみまで――(2呼吸)眉毛の下も――(2呼吸)同じ、動きで――(2呼吸)」 【切子】「まぶたは、力をいれんせん、で――(2呼吸)かるく、かるぅく――(2呼吸)まぶたの下の眼球を――(2呼吸)なぞる、感じで、ゆっくりと――(2呼吸)」 【切子】「鼻筋――(2呼吸)そしたら、小鼻の、脇から――(2呼吸)左右に、ひらいて――(2呼吸)――頬骨、沿って――(2呼吸)」 【切子】「頬骨、押して――(2呼吸)頬骨の、下から、こめかみに――――(2呼吸)リフトアップ、していく感じで――(2呼吸)強めの、指で――――(2呼吸)」 【切子】「口角の、脇の、くぼみも――(2呼吸)押して、ほほごと――(2呼吸)持ち上げんして――(2呼吸)少し、強めに――(2呼吸)」 【切子】「顎の、ラインと――(2呼吸)顎の、下――(2呼吸)骨の、裏にも、指、いれて――(2呼吸)耳下の、くぼみ、まで、ぐぐぐっと――(2呼吸)――うん」 ;SE stop 【切子】「うふふっ、血行よくなりんしたね。頬がピンクになってるだけにとどまりんせんで、うっすらと汗までかいて」 【切子】「このままパック、泥パックしちゃいんすゆえ、タオルでかるぅく汗をぽんぽん、叩いてぬぐって……」 ;顔全体にタオルぽんぽんしての汗取り 【切子】「(嬉しげな作業の4呼吸)」 【切子】「で、泥パックも、さっきと同じく、顔にちょんちょん、おいていきんして――」 ;SE 泥パックのキャップあける→手に取る→額、鼻先、両頬、顎に塊を置く 【切子】「(集中した作業の4呼吸)」 【切子】「そしたら、ゆったりと伸ばしひろげて――」 ;SE 伸ばし広げ 【切子】「(丁寧に作業してあげる8呼吸)――うん」 【切子】「こなして、このまましばらく放置で……って――あ」 【切子】「泥パックしたお顔のまんまでのお外は……なんぞ、ますたぁさんが笑われ者になってしまいんそうで、少ぉしよくない気がしてきなんし」 【切子】「ゆえ――うん。いったんお宿に戻りんしょう。ああ、戻りの道なら、パックのままで構いんせん」 ;7/左(接近囁き) 【切子】「お宿まで、お部屋まで。切子がきっちりアテンドしてさしあげんすゆえ」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track4:伊満里焼耳かきでの右耳耳かき(伊満里焼の人形型のケースに入っている耳かきの、開閉音を楽しんでからの耳かき。仕上げは贅沢に嵯峨県名物、名織の手漉き和紙を使って) ;//////// ;3/右(接近囁き) 【切子】「大変おまたせいたしんした。パック、いよいよ剥がしんしょう」 ;環境音 室内空調 ;1/前 【切子】「ん……」 ;SE 顔の泥パックをゆっくり丁寧にはがしていく 【切子】「(少し楽しげにパックをはがす4呼吸)――と」 【切子】「いかがざんしょ? ますたぁさんのお肌、見た目は前よりつやつやでありんすが。さて、肌ざわりは――」 ;SE 両手で顔をさすりまくる 【切子】「(すべすべの指ざわりを楽しむ8呼吸)」 【切子】「泥パック、効果てきめんでありんすねぇ。普段こういうことなさりんせんぶん、効き目も強いのかもしれんせんが、それにしたってすべすべすぎて……切子がうらやましくなるほどの――ん?」 ;3/右(耳の穴を覗き込みながら) 【切子】「んんん~~~?」 ;7/左(耳の穴を覗き込みながら) 【切子】「ん~……あー……(深い溜息)――これはこれは、手抜かりんした」 ;1/前 【切子】「お耳、かなりの汚れがたまっておりんす。やれレイルロオドサミットだ、やれ蓄音レレヱルの取材だで、バタバタしてしまいんしたゆえ、切子のお世話がたりんせんでしたねぇ。まっこと、申し訳ごぜりんせん」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「ゆえ、ここからすぐに徹底的に、キレイに磨いてさしあげんす」 ;1/前 【切子】「使うのは、これ――」 ;参考 https://onl.la/z3MMCRa 【切子】「一見は、小さなかわいいお人形さんざんすが、首をかぽっと外すとその下に――」 【切子】「ほぉら、見ておくんなんし。首から下が小さな耳かきになっておりんす。 その上、このお人形さんも磁器。正真正銘の伊満里焼きざんすゆえ……」 ;SE 右耳元で、人形の頭を胴体につけはずしを繰り返して音をたてる(磁器同士のぶつかりあう音 【切子】「(4呼吸)――ね? 涼やかで可愛(かい)らし音が立ちなんし」 【切子】「こな耳かきで、お耳を掃除しますから、さ、ますたぁさん。まずは右のお耳を上に、切子のお膝にあたまを載せておくんなんし」 ;1/前→;3/右 【切子】「(ひざまくら待ちの落ち着いた2呼吸→ほんのり嬉しい2呼吸)」 ;3/右 【切子】「泥クリームと泥パックとで、まっこと珠のお肌になりんしたねぇ。 こな指ざわり――」 ;SE 顔の右側面を指先でさわさわ(耳以外) 【切子】「(4呼吸)――絹織物もかくやのなめらかさでございんす。ゆえ」 ;SE 指先で右耳をしつこくさわさわ 【切子】「ん……(呼吸)」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「お耳も、綺麗になめらかに――(耳にキスするリップ音)――きっと仕上げて参りんしょう」 ;3/右 【切子】「ほな、浅いとこから始めまなんし。ますたぁさんは力をぬいて、切子に一切ぜぇんぶまかせて、ただおゆるりと、おゆるりと……」 ;SE 浅い耳かき(継続) 【切子】「はじめは……(2呼吸)お耳の──(2呼吸)上の……(2呼吸)ふち──(2呼吸)」 【切子】「そこから、フチ沿い──(2呼吸)ゆるゆる、さがって──(2呼吸)さがり、ながら……(2呼吸)カリカリ、こりこり──(2呼吸)」 【切子】「ん……(2呼吸)この辺、下側──(2呼吸)でっぱりな、とこの……(2呼吸)裏側も──(2呼吸)」 【切子】「全部、やったら──(2呼吸)こんどは、うちに──(2呼吸)ゆるゆる、ゆるゆるら……(2呼吸)穴の、方へと──(2呼吸)」 【切子】「小さな、ゴミを──(2呼吸)とりなが、ら──(2呼吸)ひたすら、ゆるゆる……(2呼吸)力、いれずに──(2呼吸)」 【切子】「(集中して浅いところを仕上げていく8呼吸)」 【切子】「――っと」 ;SE stop 【切子】「(ふーーーーーーー。ふー、ふー)」 【切子】「……ふふっ、綺麗綺麗に整いんすねぇ。深いところも、このあんばいで――」 【切子】「(耳たぶにキスのリップ音)」 ;SE 深い耳かき(継続) 【切子】「――穴の、深くの(2呼吸)――入り口、付近は(2呼吸)――よごれも、たまりやすいんすから(2呼吸)――より慎重に、そろ、そろ、と(2呼吸)」 【切子】「(集中して耳かきする8呼吸)――ん……」 【切子】「深い、とこだと──(2呼吸)人形、みみかき──(2呼吸)堀りづらいかと……(2呼吸)思いんした、が──(2呼吸)」 【切子】「なかなか、どうして──(2呼吸)しなりがある、分──(2呼吸)大きな、ゴミも……(2呼吸)こな、感じん、して──(2呼吸)」 【切子】「よ──(2呼吸)っと──(2呼吸)ん……(2呼吸)ああ、うん──(2呼吸)」 【切子】「これを、掬え、ば──(2呼吸)あとは、小粒を──(2呼吸)掬って……ん(2呼吸)すく、って──(2呼吸)」 【切子】「そしたら──(2呼吸)残りは……(2呼吸)こそいで……(2呼吸)しまって──(2呼吸)」 【切子】「(慎重に耳掻きを仕上げていく4呼吸)――っと……(2呼吸)――うん」 ;se stop 【切子】「(ふっ)(ふっ)(ふーーーーーーー)」 ;角度をさまざまにかえつつ耳の奥のチェック 【切子】「んーーーー? あーーーー……うん。よーくお掃除できんした」 【切子】「あとは梵天……は、この耳掻きにはついておりんせんゆえ、懐紙、ちりがみをこよりに整えざんしょう」 【切子】「このちり紙も、嵯峨県名物、奈織(なお)の手漉き和紙。切子もそのへん、準備にぬかりはござりんせん」 ;SE ティッシュ抜く→こよりを作る 【切子】「(こよりをちゃっちゃと器用にこよっていく4呼吸)――こな感じでよろしざんしょう」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「ほな、仕上げに参りんす。こそばゆいかもしれんせんけど、すこぉしがまんしておくんなんし」 ;3/右 【切子】「ま、こよりゆえ、動いたところでお耳を痛めもせんざんしょうが……」 ;SEこよりで丁寧に耳しあげ 【切子】「――こよりは(2呼吸)――奥、から(2呼吸)――深く、から(2呼吸)――ん(2呼吸)」 【切子】「――穴に、そわせて(2呼吸)――だんだん、浅くに(2呼吸)――ぞわぞわ、ぞわぞわ(2呼吸)――引き抜き、ながら(2呼吸)」 【切子】「(作業に集中の8呼吸)」 ;SE stop 【切子】「(大満足の長い息)」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「(ふっ)(ふーーーーーーーーーーー)(ふっ)――(耳にキスのリップ音)」 ;3/右 【切子】「おつかれさまでありんした。ますたぁさんがいい子いい子にしてくださいんしたおかげさまで、右のお耳は、すっかり綺麗にしあがりんした」 【切子】「ゆえ、左耳もこのやり方で。ますたぁさん。つかれや眠気があるようでしたら、寝てしまってもかまいんせんゆえ」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「もうひとがんばりだけ、がんばっておくんなんし。さ、左耳を切子のがわに」 ;3/右 【切子】「ごろぉんって切子がもうしんすゆえ、それにあわせて、体の向きをいれかえて」 【切子】「ほな、行きなんしょお。さん、にい、いち」 ;3/右→;1/前→;7/左 【切子】「『ごろーーーーーーーーーーーーーーーーーん』」 ;環境音 F.O ;//////// ;Track5:伊万里焼耳かきでの左耳かき(伊満里焼の人形型のケースに入っている耳かきの、開閉音を楽しんでからの耳かき。仕上げは贅沢に嵯峨県名物、名織の手漉き和紙を使って) ;//////// ;7/左(密着) 【切子】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーーっ)」 ;環境音 室内空調 【切子】「ますたぁさん、お肌、ほんのり赤らんでまいりゃんしたねぇ」 【切子】「お小さかったころとおんなじ。眠たくなると、肌が赤ぅになって、手先、足先からぽかぽかとしなさってまいりんして」 【切子】「切子にぎゅーってしがみついてきなんして、そのうちふっ……って力が抜けたら、すやすや、寝息」 【切子】「(幸せに思い出す一息)――あのころはまるきり思いんせんでした。 ますたぁさんがこない立派な男さんに育たれるとは――」 【切子】「ましてご先代――おじいさまとおんなじに」 ;7/左(接近囁き) 【切子】「切子のますたぁになってくださるだなんて、ほんに、夢にも」 ;7/左 【切子】「(微笑)――切子はしあわせなレイルロオドでございんすねぇ。大好きな大好きなますたぁさんを、本当に産まれたときから今の今まで――そうしてきっとこれからも、一番近くで、見守り続けることが叶いんすゆえ」 【切子】「あな小さかったお耳も……」 ;SE 左耳さわさわ 【切子】「(幸せに楽しく耳をさわりつづける8呼吸)」 【切子】「ふふっ、大きゅう立派に育たれて。こな素敵なお耳を汚れたままにしておきんしたら、バチがあたってしまいんすねぇ」 【切子】「ついつい懐かしさに負けて、詮無き話でおまたせしてしまいんしたが――」 ;7/左(接近囁き) 【切子】「左耳、キレイキレイに耳掃除してさしあげなんしょう――(左耳にキスのリップ音)」 ;SE 浅い耳かき(継続) 【切子】「こっちも……(2呼吸)浅くは──(2呼吸)上から……(2呼吸)フチ、から――(2呼吸)」 【切子】「ゆるゆる――(2呼吸)じわ、じわ──(2呼吸)かげの、ところも……(2呼吸)丁寧に──(2呼吸)っと」 【切子】「これ……ん……(4呼吸)――おっきめの――(2呼吸)――くっつい、て――(2呼吸)」 【切子】「(集中する8呼吸)――っと、取れんした。つづきつづき……」 【切子】「んしょ……(2呼吸)っと──(2呼吸)ふにふにの、とこも……(2呼吸)きっちり、やって──(2呼吸)」 【切子】「あとは──(2呼吸)穴へと──(2呼吸)外から……(2呼吸)うちに、で――(2呼吸)」 【切子】「ゆるゆる──(2呼吸)かりこり──(2呼吸)ゆるゆる……(2呼吸)かり、こり――」 【切子】「(集中してあさいところを仕上げていく8呼吸)」 【切子】「――うん」 ;SE stop 【切子】「(ふっ、ふーーーーーーー。ふーーーーーーー。)」 【切子】「(耳たぶにキスのリップ音)」 ;7/左(接近囁き) 【切子】「深いとこ。こっちは大きいの今の時点で見えておりんすゆえ……」 ;7/左 【切子】「丁寧に、時間をかけてまいりんしょう」 ;SE 深い耳かき(継続) 【切子】「――最初に大きな(2呼吸)――見えてる、の(2呼吸)――この、蓋みたいに(2呼吸)――なって、おりんすのを(2呼吸)」 【切子】「――キワ、から(2呼吸)――かり、こり(2呼吸)――焦らず(2呼吸)――せめ、て(2呼吸)」 【切子】「【切子】「――もう、少し(2呼吸)――ん……(4呼吸)――あ、浮いて、きなんした(2呼吸)」 【切子】「(大きいの取っちゃう8呼吸)――(達成感に満ちた一息)……とーれた、ふふっ、続き、まいりんす」 【切子】「よしょっ──(2呼吸)っと──(2呼吸)蓋を、はがした……(2呼吸)うちにも、ちら、ほら──(2呼吸)」 【切子】「お耳の──(2呼吸)汚れは──(2呼吸)してみると……(2呼吸)外からじゃ、なく──(2呼吸)」 【切子】「お耳の、うちから――(2呼吸)ますたぁさん、自身から──(2呼吸)わきでる、ように……(2呼吸)出来て、かたまり──(2呼吸)」 【切子】「こな、大きな──(2呼吸)お耳の、よごれに──(2呼吸)じわじわ、そだって……(2呼吸)しまいんすかねぇ──(2呼吸)」 【切子】「お小さかった、ころには――うふふっ──(2呼吸)やれ、エビがとれた……(2呼吸)やれ、うにが取れたと……(2呼吸)小さなお耳を、海に、見立てんして──(2呼吸)」 【切子】「ひどく、なつかしゅう――(2呼吸)――ありんす、なぁ――(慎重に耳掻きを仕上げていく4呼吸)――(優しい微笑)」 ;se stop 【切子】「(ふーーーーーーー)(ふっ)(ほっぺにキスのリップ音)」 ;角度をさまざまにかえつつ耳の奥のチェック 【切子】「こなお耳も……ふんふん――ふんふんふん――うん。綺麗にしあがりんした」 【切子】「あとは懐紙を、またこよりにして――」 ;SE ティッシュ抜く→こよりを作る 【切子】「(耳掻きが終わるのを惜しんで、ゆったりとこよりをこよっていく8呼吸)――さて、参りんしょうか」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「いますこぉしだけ、ご辛抱。おねむりになってしまいんしても、かまいませんゆえ」 ;SEこよりで丁寧に耳しあげ 【切子】「――そろり、そろりと(2呼吸)――こよりを奥に(2呼吸)――お耳の、奥に(2呼吸)――差し入れ、て(2呼吸)」 【切子】「――ぞわり、ぞわりと(2呼吸)――引き抜き、ながら(2呼吸)――細かい、ちりを(2呼吸)――くっつけ、て(2呼吸)」 【切子】「あとは、くりかえし――(2呼吸)くりかえ、し――(作業に集中の6呼吸)」 ;SE stop 【切子】「(満足+少しさみしい一息)――はい。しあがりんした」 ;7/左(接近囁き) 【切子】「(ふーーーーーーーーーーー)。(一拍おいて、耳に優しいキスのリップ音)」 ;7/左 【切子】「ますたぁさんも、ご辛抱さまでありんした。じいっといいこで動かなんしたゆえ、さぞやおつかれ……ありゃ……(マスターのあくびを見守る2呼吸)――ふふっ」 【切子】「おおあくび。お小さかったころと、まこと少しも変わりんせんなぁ」 【切子】「ほなほな、このまま眠りんしょう。お小さかったころとおんなじに、切子が添い寝をしてさしあげんすから――(微笑)」 ;7/左(接近囁き) 【切子】「切子にぎゅっと、ぎゅーっとしがみついてくれてもかまいんせんよ? それも、あのころとおんなじに」 ;//////// ;Track6:切子の思い出話を聞きながら、昔とおんなじあったか添い寝で安眠導入(ウィスパートークでの切子の、そしてちいさかったころのあなた自身の思い出話を聞きながら、ゆったりあったか安眠導入) ;//////// ;このトラックから完全に安眠導入となります。ボイスは全てウィスパー方向で、ゆったりと。メリハリ等は、声のボリューム以外の方向にてでいただけますと幸いです。 ;3/右(密着) 【切子】「(安堵と布団のぬくもりへの満足の吐息)」 ;環境音 室内空調 F.I. 【切子】「懐かしい気持ちになりんすねぇ。ますたぁさんと二人。こうして仲良ぉ同じお布団で添い寝だなんて――ああ」 ;3/右(密着囁き) 【切子】「切子、きっちり暗記しておりんすよ? おちいさかったころに大好きだったお話。ね? 読み聞かせなぞいたしんしょうか?」 【切子】「(マスターの返事を聞く2呼吸)……読み聞かせより、話を聞きたい。切子の昔のお話を――でござりんすか」 【切子】「ますたぁさんのおじいさま。ご先代――切子の初代のマスターと乗務していたころのお話……それはまったくかまいんせんが――さてさて、何からお話いたしんしょうかねぇ」 【切子】「――一番強い思い出……でござんしたら、それはやっぱり、永崎のことになりんすね。 大戦末期、八月九日。突然途絶した通信と、長い長い沈黙と――そのあとに見た地獄とは、切子のメモリから決してぬぐえぬ、一番強い思い出でありんすよ」 【切子】「……あの日の切子は。切子と切子のC51 67(しいごじゅういちろくじゅうなな)は、311(さんいちいち)列車として伊佐早(いさはや)を出て、永崎に向かっておりんした」 【切子】「永代駅(ながよえき)での運転停車。給水・給炭ををしておりんすときに、慌ただしく通信が飛びかいんした。通常の列車無線とレイルロオドの共感通信、どちらも同じ内容の」 【切子】「『永崎市内上空に敵機襲来。空襲警報発令。永崎に向かう列車は全てその場に非常停止して待機せよ』」 【切子】「それからほどない午前11時2分。突如、全ての通信が途絶いたしんした。列車無線も、共感通信も、ぜぇんぶ途絶。それから、沈黙」 【切子】「こちらからどれだけ呼びかけても一切の反応がございんせん。とてつもなく悪いことが起きたと、そんな予感と緊張がどんどん膨れていきんした」 【切子】「……沈黙は、永崎ではなく運転指令からの通信で壊されんした。 『永崎に新型爆弾が投下された模様』 『永崎本線、永崎駅から裏上(うらかみ)駅までは完全に沈黙』 『311列車は救援列車として永崎駅へ急行せよ』――なる通信で」 【切子】「永崎方面に向かう乗客には、車内放送で事情を伝え、それそれの判断にお任せいたしんした。 永崎まで向かいたいという方も、下車して様子を伺いたいという方もおりゃりんした」 【切子】「永崎へ向かうと決断した人たちを乗せ、運転再開したC51 67は――けれどもすぐに、臨時停車を繰り返すこととなりんした」 【切子】「線路上で動けなくなっている負傷者や、そのままお亡くなりになられた方を……あるいは乗せ、あるいは線路脇に動かさせていただきんして……(重いため息)」 【切子】「そな繰り返しを繰り返すうち、新型爆弾なるものが、どれほど残忍な仕打ちを永崎にもたらしたのかを……切子は心底、思い知らされていきんした」 【切子】「(長い溜息。数秒の沈黙)――あの悲惨さは、とても言葉では伝えきりんせん。切子のC51 67は、結局永崎駅……駅舎も完全に焼失してしまっていたとのちに知りんしたが――永崎駅までもたどり着けず。永崎駅まで1.4km(いちてんよんきろめーとる)の地点、線路がぎりぎり残存していた円照寺(えんしょうじ)付近で先に進めなくなりんした」 【切子】「ゆえ、その場で救援を開始。負傷者たちをお載せして――海軍病院のある伊佐早駅まで戻りつきんしたのは、15:02(じゅうごじにふん)分のことでござりんした」 【切子】「(数秒間の沈黙)――(ふっと、切り替えて前向きになろうとする息)」 【切子】「……それほどの傷を負わされながら、少しじつ時を重ねるごとに。永崎は徐々に、けれども確かな、力強い復興を果たしんした」 【切子】「ご先代の指揮下、切子と切子のC51 67も、人を、貨物を運んで運んで――わずかなりと復興のお役にたったと、そな実感も確かにありんす」 【切子】「やがて大廃線(だいはいせん)が訪れ。鉄路(てつろ)のほとんどが剥がされ始めたあの頃に……切子と切子のC51 67は、永崎を離れ、松裏鉄道さんの、伊満里線のお世話になることを決意いたしんした」 【切子】「『永崎の象徴だ、永崎を走り続けてほしい』という声ももちろん、いただきんした。 ただ、同時に……決して多くはなく、大きな声でもござりんせんものでもありんしたが……」 【切子】「『あのレイルロオドを、あの機関車を目にしてしまうと、忘れたい景色を思い出してしまう』……そなお声も確かに、届きんして……」 【切子】「ゆえ、切子とご先代は永崎を離れ、伊満里を新しい拠点駅とし……(幸せな微笑)――そな決断が、今思うなら、大きなしあわせにつながりんしたねぇ」 【切子】「ご先代の息子さん、ますたぁさんのお父様が、かいらしかいらしお嫁さん――ますたぁさんのお母様と、伊満里で出会って、結ばれて。たまのようにかいらしぼっちゃん――ますたぁさんがお産まれになって」 【切子】「体があまりお強くはないおかあさまのお手伝いに、切子が子守の、子育てのお手伝いをさせていただけるようになりんして――(感情が溢れて言葉につまる)」 【切子】「(大事に大事に言葉を探す4呼吸)――しあわせ、とはこのことかと。切子ははじめて、ロールアウトしてはじめて深く、こころの底から思いんした」 【切子】「地獄のことなどなぁんもしらん、ただただあどけなくあたたかく丸く、やわらかくか弱いあかちゃん。切子にぎゅうっとしがみついて、離そうとするといやいやをして、そのまま眠り込むちいさな命」 【切子】「そな生命を守ることが、育みを見守ることが――切子には、なによりの楽しみに、なにより大事な果たすべきことになりんした」 【切子】「人を、貨物を、目的地まで安全に送り届ける――レイルロオドの本質的な使命よりなお大事なことを……切子は、見つけてしまいんした」 【切子】「すくすく育つますたぁさんが、切子を頼ってくれる手が、どれほど嬉しかったかは――切子以外の他の誰にも、たとえご先代にも、おとうさまにもおかあさまにも、決してわかりはいたしんせん」 【切子】「かけがえの無い宝物――切子はそれに、ここで、伊満里で、めぐりあわせていただきんした」 【切子】「土と水とに恵まれた伊満里に産まれ、炎と煙を子守唄に育ち。いまはこうして、切子のマスターになってくれている。切子より大きな手になって、逆に切子を、導いてさえくれている」 【切子】「……縁もゆかりもなかった伊満里を、第2のふるさとと思わせれくれるようになった――その原動力は、ますたぁさん、おちいさかったころのあなたでありんす」 【切子】「あなたが産まれてくりゃんしたゆえ、元気に育ってくりゃんしたゆえ、この土地は、切子にとって特別な場所になりんした」 【切子】「そな伊満里を、伊満里線を、こなして一緒に全国に紹介できている……なんと誇らしいことでありんしょう。切子の胸は、しあわせと、達成感とで……ありゃ」 【切子】「ふふっ、切子のお話、たいくつでござりんしたか? それとも、あるいは、もしかして――」 ;3/右(接近囁き) 【切子】「切子の声に、ぬくもりに、安心を感じてくりゃんしたか?」 【切子】「(ゆったりとあたたかなほっぺへのキス)」 ;3/右(密着) 【切子】「いずれにしても、少しの違いもありゃんせんねぇ。ますたぁさんは眠りに落ちてくださいんして。そうして、切子も――ふ……ぁ……」 【切子】「(起こさないよう、声を抑えた大あくび)」 【切子】「あふ……切子も安心して懐かしゅうて満たされて、眠とぉなってござりんす」 【切子】「ゆえ、このままで――ますたぁさんのお隣で。おちいさかった……ころと……同じに――」 【切子】「いな、反対に……おちいさかったころとは、逆、に……」 【切子】「切子、きりこ、が……ますたぁ、さんの……お胸に……ぎゅうっと……しがみ……つい、て――」 【切子】「おやすみなさい……ますたぁ……さん。……切子の……大事な……たから……もの……」 【切子】「(むにゃむにゃしつつ入眠していく8呼吸)」 【切子】「(少し落ち着いて入眠していく8呼吸)」 【切子】「(安心しきって眠りに落ちる8呼吸)」 【切子】「(穏やかな眠りに入った8呼吸)」 【切子】「(穏やかな眠りに入った8呼吸)」 【切子】「(穏やかな眠りに入った8呼吸)」 ;環境音なりっぱなし ;//////// ;Track7:切子の寝息ループ(ループトラック) ;//////// ;環境音なりっぱなし 【切子】「(落ち着いた安眠の8呼吸)」 【切子】「(落ち着いた安眠の8呼吸)」 【切子】「(落ち着いた安眠の8呼吸)」 【切子】「(完全熟睡の8呼吸)」 【切子】「(完全熟睡の8呼吸)」 【切子】「(完全熟睡の8呼吸)」 ;//////// ;Track8 おまけコーナー、テーマトーク ;//////// ;以下は一応のガイド程度です。タイトルコールと、トークテーマとお便りをくださった方のお名前と、あとは〆とをいただけましたら、そのほかの部分は全般ご自由に、やりやすいようにやっていただけましたらそれが一番幸いです。 【演者】「蓄音レヱル  ~旧帝鉄(きゅうていてつ)C51形(けい)。松裏鉄道C51 67専用レイルロオド 切子~ おまけコーナー。テーマトーク」 【演者】「こんばんわ……ですよね? きっと。このコンテンツ、安眠と癒やしのコンテンツだって聞いてますから。きっと皆さん、夜、寝る前に聞き始めて……いまはもう、眠っちゃったりしてますよね?」 【演者】 「だから静かにお伝えします、締めくくりのおまけコーナー。お送りするのは、切子役を演じました、声優のXXです。残り少ない時間ですけど、最後まで楽しんでくださいね?」 【演者】「と、いうわけで早速はじめていきますね。このおまけコーナでは、リスナーのみなさんからお寄せいただいたトークテーマにそいまして、わたし、XXが、テーマトークをお聞かせしちゃいます」 【演者】「自由に初めて自由に終わっていい……っていう、何気に難易度高いコーナーなんですけど、少しでもお楽しみいただけるよう、がんばってお送りしていきますね!」 【演者】「っていうことで、早速いただいたトークテーマをご紹介します。 今回のトークテーマをくださったのは、オグナさんです。オグナさん、おたよりありがとうございます」 【演者】「じゃ、おたよりを読みますね? 『XXさん、こんばんわ。XXさんのASMR作品、とても楽しみです。ASMRといえば癒やしのイメージが強いですが、XXさんは『癒やされたいな~』って思ったとき、どんな言葉をかけてほしいって思いますか? もしよかったら教えてください。さらにもしよかったら、その言葉を実際マイクにささやいてみてください』――ですか。なるほどなるほど~」 【演者】「(自由にトークをお願いいたします)」 【演者】「――です! オグナさん、おたより本当にありがとうございました! と、いったところでちょうどお時間みたいです。おまけコーナー、おしまいですね」 【演者】「ラストのラストまでお聞きくださり、本当にありがとうございました。おまけもお楽しみいただけましたか?」 【演者】「花魁言葉で軽やかなおねーさんでありつつも、その裏側にはたくさんの重いものや大切なものを抱え込んでる切子さん。切子さんの蓄音レヱルをお届けしたのは、声優、XXでした」 【演者】「今回の旅は、ひとまずここまで。 けれどもきっと、次の夜にも、次の駅でもお会いしましょう!」 【演者】「おやすみなさい。 明日の朝へ――『出発! 進行』」 ;おしまい