……あら?  どうしてこちらへ……?  ……ぁっ⁉  あ……。  ……そうよね。何も言わずに出てきてしまって、驚かせてしまったわよね。  御免なさい。  うん?  うん。  ……。  ふふ……❤  それを伝える為に、ここまでいらして下さったのね。  おはよう。  私も愛してるわ。  探しに来てくれてありがとう。  んっ……。  ちゅっ❤  あぁ……それはね。  昨日、窓からこの庭園が見えたから。  一度来てみたいと思っていたの。  それで、その。  今日の学会が終わったら、貴方と……と、思っていたのだけれど。  先程目が覚めてしまって。  それで、少し歩きたくなって。  何となく外へ出ていただけなのよ。  ……あ、その。ええっと……。  貴方と来たかったのだけれど。  一人で、頭を冷やしたくもあったの。  その。実は。  これから発表をしに行く事が、怖くて……。      私が、余裕? とんでもないわ……。  実は、物凄く緊張しているの。  だって学会なんて、いつぶりか忘れてしまう程久しぶりなんですもの。  汽車の乗り方だって、すっかり忘れていて。  乗る時も、駅員さんに凄く迷惑をかけてしまったわ。  ……いいえ。それも、違うわ。  今回参加を決めたのはね。  『絶対にしなければならない重要な発表がある』ですとか。  『誰かに強くお願いされたから』といった事ではないの。  ……貴方に。  私でも、ちゃんと。  格好よくお仕事ができるのだと、知って頂きたかっただけなの……。  そうよ?  これでも、貴方の前では。  いつでも、少しでも……。  素敵な自分をお見せしたいと思っているのよ?  なのに、ちっとも気づいて下さらないなんて、ひどいわ。  ……でも、そうね……。  そうよね。  確かに、説明不足だったかもしれないわ。  今だって、何も言わずにここへきて、貴方を心配させてしまったし。  ……あのね。  私はこういう……その。  足りない所の多い人間だから。  きっと、これからも、貴方を困らせたり、悲しませたりする事が、あるかもしれない……。  でもね。それでも私は、貴方と一緒に居たいの。  わがままで、図々しいお願いだという事はわかっているわ。  ……でも。これからも、私の事を、もっと知ってもらって。  貴方の事も、もっと知りたい。  そんな風にして……もっと良い関係になって。  貴方の未来を、ずっと支え続けたい。  勿論、自分のよくないと思う所は、これからも、積極的に。  変えていくつもりよ。  少しでも……貴方が、一緒に居たいと思える人になりたいから。  だから……契約期間が終わっても。  これからもずっと、私と。  私の、お嫁さんとして……一緒に居てくれますか?  ……え?  ? お嫁さんとして、一緒にいて欲しいと、お伝えしたの。  そう。貴方がお嫁さん。  でも、私も女だから……私も、お嫁さん。  うん。二人で、お嫁さん。  あの……。何かおかしかったかしら。  私、もう、ずっと。  初めて『好き』とお伝えした時から。  ずっとそのつもりで居たのだけれど……。  あら……。もしかして、伝わっていなかった?  あれでも、とても勇気を出して告白したのよ……?  じゃあ、もう一度言うわ。  好きです。  私は初めて貴方と過ごした日から、貴方の事が、女の子として、魔法薬師さんとして、助手さんとして、大好き。  だから、私のお嫁さんになって。  私だけのお姫様になって欲しいの。  如何、かしら……?  ……ぁ……!  ……うん?  ええ、聞かせて。  ええ。  ええ。  ええ……!  ふふ。ふふっ。ふふふふっ❤  ……あぁ、よかった……。  もしお断りされたら、どうしようかと思ったの。  だって、どの私も、もう貴方なしでは生きていけないわ。  一晩離れただけなのに、植物の私も、液体の私も、石の私も。  もう貴方の帰りを待ちわびている。  早く貴方に会いたいという気持ちが、こんなに離れていても伝わってくる位。私は。私達は……貴方を愛してるの。  だから、ね?  また。  キス、してもいい?  ふふ……❤ ん……っ。  !  ええ、勿論よ。一体、如何なさったの?  ……!  昨日お会いした駅員さんだわ。すぐに参ります。  案内していただけるかしら?  えぇ……!  ええ、そうね。  今日もこれからお仕事でしょうに、こんなに早くから来て下さるなんて。  本当によい方ね。  一刻も早く、お会いしなくっちゃ。  ……でも。  ちゅ❤  今だけは……こちらが大事。  ちゅ❤ ちゅ❤  ちゅっ……❤  愛してるわ……これからも、ずうっと一緒よ。  ……ふふ!