01_焚火を囲んでの野営(寝かし付け)(16:58) 「……只今戻りました。姫、未だ起きていらっしゃったんですね。まあ……このような状況では無理もありませんか」 「恐らく、ではありますが……周囲に危険はありません。私一人では心許ないのは重々承知ですが……それでも休まれたほうが宜しいかと……」 「姫がお休みの間、私がしかとお守り致しておりますので」 「……すみません。姫が疎ましいという気持ちは一切なく、ただただ本当に休まれてはという差し出がましい私の想いからの言葉です」 「あのようなことがあり……こうして着の身着のまま難を逃れた状況、気が休まるはずもないとは思うのですが……それでも休息は大事ですので……」 「私では心許ないのは百も承知です。ですが……私、シオン、騎士としてこの身を賭してでも姫をお守り申し上げます」 「……あっ、し、失礼しました。この身を賭す、というのは言葉の綾でして……私、シオンは姫の手を引いた瞬間から、命ある限りお守りすると誓って――」 「……う、ううっ……命ある限り、というのも恐らく言葉の綾です……。私は、姫と共にあります。貴女が真に幸福になるまで」 「……ひ、姫。私は大真面目ですので……そんなに笑わなくとも……」 「大丈夫ですよ、姫。私は……貴女の幸福を見届けるまで、絶対にお仕えします」 「姫だけでも……姫だけは……必ず……」 「しかし……寝付けぬのは困りましたね。私はある程度慣れてはいるので問題ありませんが……寝不足は全ての大敵です。健康に美容、それに集中力も損なわれます」 「明日も移動せねばなりませんし、多少でも休息を取られた方が。勿論、私が姫をおぶって移動するのも問題は無いのですが……」 「……うーむ、使用人の方々のように上手く出来るかは分かりませんが……姫が寝入れるよう、一肌脱いでみましょうか」 「あ、も、勿論、衣服を脱ぎ捨てる、という意味ではありませんよ、姫」 「えーっと……姫、では、こちらにどうぞ」 「使用人よりも具合は良くないかと思いますが……膝に頭を乗せてください。膝枕、というものです」 「ふふっ、遠慮せずにどうぞ。筋肉質で心地は悪いかと思いますが、そこはご愛敬ということで」 「如何でしょうか、姫? 少し高すぎたりということは……ありませんか。それはよかった」 「えーっと、顔も声も覚えていないのですが、子供のころに眠れぬ夜に母がこのようにしてくれたのを思い出しまして」 「姫? 頭、失礼しますね」 「あ、これは……子ども扱いではないので……お気を悪くなさらずに」 「子供の頃にされただけで、その後は誰かにこうされたということは無いのですが……こうして頭を撫でられると、すっと落ち着けたのは胸に刻まれていますね」 「子供ながらに……嬉しかったのだと思います。頭を撫でられることが、こうして時を経ても覚えているほどに」 「ふふっ、やはり姫の髪の毛はとても綺麗ですね。撫でている私のほうが心地よさを感じてしまいそうです」 「……もう少し歩けば水場があったと思いますので、身体も清められれば良いのですが……」 「あー……私はあまり気にはしないのですが……私も汗やらの匂いがするかもしれませんが……もし不快でしたら……」 「ふふっ、やはり姫はお優しいですね。有り難う御座います」 「そして……あまり興味が無いかなとは思うのですが、小噺をさせて頂きます」 「使用人のように弾むような声でなくて申し訳ないのですが……是非」 「異国のお話ではありますが……少しでも不安が和らいで頂けたら嬉しいですね」 「……では、姫、眠くなったら遠慮せずに眠って下さい。寝入りましたら続きはまた別の日にしてさしあげますので」 「ふふっ、私の好きなお話なので、気に入って頂ければ嬉しいですね」 「では」 「ある町にジャガイモ・ホテルという宿屋がありました。主人というのがジャガイモだったからです」 「主人のジャガイモさんは大変親切な人だったので、このホテルにはお客様がいつも多すぎて、どうかすると一晩に二人や三人のお客様をことわらなければいけないこともありました」 「ある夕方、もう、これ以上一人のお客様も泊めることが出来ない程満員になったので、「満員になりましたから、お気の毒でも、今晩は、どなたもお泊め出来ません」という大きな満員札をジャガイモさんは、ホテルの入口にかけようとしました」 「するとそこへ、立派な玉ねぎの紳士がやって来てジャガイモさんに言いました」 「どうかジャガイモさん私を泊めて下さい。大変疲れていますから」 「ジャガイモさんは気の毒に思いましたが、空いている部屋がないので「お気の毒ですが、何分、もう満員になってしまいましたから」と断りました」 「けれど玉ねぎさんは朝から遠い道を歩き続けてくたくたにつかれているので、これ以上歩くことが出来ません」 「「馬小屋でも、屋根裏でも、どこでもいいから、どうぞ泊めて下さい。」とたのみました」 「そこでジャガイモさんは考えました。犬さんや、お猫さんならいざ知らず、玉ねぎさんを馬小屋になんぞ泊めたら、いやしんぼの馬が玉ねぎさんを食べてしまうだろう」 「屋根裏に泊めたら遠慮なしのクモが巣をかけるだろう。ジャガイモさんは大変困りましたが、地下室のことを思い出して、「では、地下室でもよろしければお泊めします。」と申しました」 「玉ねぎさんは大変よろこんで泊めてもらうことにしました。そして、ジャガイモさんに案内してもらって地下室に行きました」 「そこは真っ暗で何にも見ることが出来ませんでしたので、玉ねぎさんは手さぐりで小さいベツドを見付けて、そこへ横になるなりぐっすり寝込んでしまひました」 「すると不思議なことに、そのベッドが少しづつ、コットン、コットンと窓の方へ動き初めました」 「そして、窓際の所まで来ると一緒にベッドは急にパンとひっくり返って、そのはずみに玉ねぎさんは窓の外へ投げ出されてしまいました」 「あ、あ、皆さん、窓の外には、何があったかご存じですか。窓の外には、大きな川が流れていたのです」 「玉ねぎさんはあっとと言ふ間もなく川のナカへざぶんと落っこちて、見ているうちに水のなかへ沈んで見えなくなってしまいました」 「可哀そうに、玉ねぎさんは野菜の皮を外にすてるためにこしらへてあった機械仕かけの箱をベツドと間違えて、そのなかに入って寝ていたのです」 「しかし――そのうちに、夜が明けました」    「朝になったのでジャガイモ・ホテルの主人のジャガイモさんは地下室へ、パンと紅茶を銀のおぼんにのっけて来て見ると、昨日の晩に泊まった筈の玉ねぎさんの姿は影も形もありません。玉ねぎさんの持って来たトランクが残っているだけでした」 「ジャガイモさんは大変に心配して、早速新聞社へ行って次のような広告を出してもらいました」 「昨日の晩、私のうちに地下室に泊まった玉ネギさんが行方不明になりました。お心あたりの方は私のところまでお知らせ下さい。知らせて下さった方にはお礼を差し上げます。ジャガイモ・ホテル」 「するとその日の夕方、ひょっこり昨日いなくなつた玉ねぎさんが帰って来ました」 「ジャガイモさんは、「まあ、よく帰って下さいました。どんなに心配したか知れません」と言ったので玉ねぎさんは、どうしてベッドから川のなかへ落ちたか、そしてどんなにあわてて泳いで岸に這い上ったか、そして岸の上で新聞の広告をよんだかを話しました」 「するとジャガイモさんは頭をかいて「それは誠にお気の毒なことを致しました。その代り、今晩はとてもすばらしいお部屋があいていますから泊って下さい」と言いました」 「玉ねぎさんは笑いながら言いました「あ、あ、僕がもう一日遅くここへ来たら、昨日のようなひどい目には合わなかったよ」」 「けれども不思議なことに、玉ねぎさんはひどくこのジャガイモ・ホテルが気に入ってしまって、一生涯このジャガイモ・ホテルの番頭さんになって、ジャガイモさんと一緒に住むことになりました」 「ですから皆さん、あなた方の召し上がる洋食で、ジャガイモのついているお皿にはきっと玉ねぎがついているでしょう。それは、こんなわけです」 「その翌る日からホテルの看板がこんな風に書き変へられました」 「「ジャガイモ・玉ネギ・ホテル」と」 「ふふっ、何だかよくわからないお話ですが、子供ながらに私はこのお話、好きでしたね」 「ジャガイモさんと玉ねぎさん、きっとこんな姿だったんだろうとか、仲良く暮らしてるんだろうなあとか、母と話をした覚えがあります」 「それに、ですね。お話にある通りにジャガイモ料理には玉ねぎが添えられていることが多いんですよね」 「ですから、ジャガイモも玉ねぎも好き嫌いせずに食べてあげないと可哀そうだと、そんなことも考えたりしたのかしなかったのか、おかげ様でどちらも大好きな食べ物となりました」 「今度姫がジャガイモさんと玉ねぎさんを見かけたら、仲良く口に運んであげてください」 「ふふっ、食べ物の絡むお話はお腹が空いてしまいますね。失礼失礼」 「……さて、姫? 姫はまだお休みには……」 「ふふっ、もう……お休みになっていましたか」 「姫、ごゆっくりお休み下さい。貴女が目覚めるまで、私が貴女をお守りしますよ」 02_姫、私が先行します。(04:44) 「姫、お疲れではありませんか? 大丈夫でしょうか?」 「ふふっ、さっきも確認したばかりでしたね。これは失礼しました」 「朝からそれなりの距離を歩いたのにまだまだ平気とは……姫、なかなかですね。たまに行っていた私との訓練が役に立ったのでしょうか。なんちゃって」 「しかし……やはり人の通らない道というのは……中々に骨が折れますね、姫。整備された道を進めれば良かったのですが……」 「あ、い、いえ、い、今のは姫が悪いと言いたかったわけではなく、ただただそのほうが楽だったなということを伝えたかっただけでして……」 「ですが……少しだけ朗報です、姫。私の記憶が確かであれば、ですが……もう少し歩いた先に程よい大きさの水場があったはずです」 「立ち寄ったのが暫く前でして、多少記憶があやふやなのですが……喉を潤した覚えもあるので間違いが無いかと……先程、水鳥が飛んでいるのも見かけたので遠くもないはず……」 「城の浴場と比べてしまうと野生味溢れてしまうかと思いますし、温泉ではないので冷たいかもしれませんが……身体を清められればそれだけで気分も違うかと思います」 「ふふっ。あ、す、すみません。姫は覚えていらっしゃるか分かりませんが、昔こうして姫の手を引いて、水遊びに出かけたことがあったなあと思い出しまして」 「お、おおっ、ですです。城の裏手にあった小さな小川です。よく覚えてらっしゃいましたね、姫。流石姫、このような下々のことまで覚えていてくださって……」 「あのときの姫の嬉しそうな様子、今でも覚えておりますよ。ああして人目を憚らずに羽を伸ばせる時間はあまりありませんでしたものね」 「ふふっ、勿論、私も楽しかったのですよ? 出なければあれから幾星霜も経てなおこうして覚えているわけがありませんから」 「まあ……オマケではありますがその後、勝手に姫を連れ出してお小言を頂いたというのも今では良い思い出ではありますね」 「……大丈夫です。これからもきっと、姫には良い思い出が増えていくはずですから」 「あっ、姫。道の向こう……木々の間からですが……見えますか? 先に見えるキラキラした光!! きっと水面に反射した光ですよ!!」 「ふう、安心しました! 水場があるはずと言いつつ、ほんのちょっとだけ記憶違いだったらどうしようと思っていたもので……あははっ」 「さあ、姫、お手をどうぞ。水浴びはもうすぐです。ゆっくりと落ち着て参りましょうか」 03_久しぶりの水浴び(水浴びと頭、身体の洗浄)(21:32) 「ふぅ。やはり……水でさっと身体を流しただけで疲れも一緒に流れていく感じがしますね」 「勿論、温かいお湯であれば身体も芯から温まるとは思いますが……冷たい水に浸かるというのも……こう、文字通り身が引き締まります」 「……と、いうことで……どうか冷たい水で我慢下さい。清らかさでは城のものと大差ないと思いますので……」 「ふふっ、この水場で十分と言って頂けると私も嬉しくなりますね。有り難う御座います、姫」 「しかし……中々に良い水場ですね、ここは。それに加えて天候も水浴びにはもってこいというものでしょう」 「生い茂る木々は周囲からの視界を遮る良い遮蔽物になりますし、日光も遮ってくれます」 「それにさざ波が立っているのも良いです。水鏡のような水面も美しくはありますが、水浴びでの水紋が目立ってしまいますので」 「……あ、あー……す、すみません、姫。折角気持ち良く水浴びをしているのにこんなことを……」 「ふふっ、有り難う御座います。やはり姫はお優しいですね」 「とと、そういえば姫、ちょっと宜しいですか?」 「姫、頭を洗うの、お好きでしたよね。丁度頭も濡れていますし……」 「ふふっ、これですか? 騎士たるもの、いついかなるときに何があるか分からないので備えは必須です」 「と、言いたいところですが……何かの折に手荷物に紛れ込んでしまったものがそのまま……言ったところですね」 「あ、だ、大丈夫ですよ? 最近手荷物を整理したときのものですし、ちゃんと石鹸の良い匂いもしてましたし……ね?」 「……ま、まあ、もし不快でしたら仰って下さい。やはり気持ちも大事、ですからね。姫の気持ちであれば尚更です」 「では……頭、失礼しますね」 「……如何ですか、姫。力加減は……宜しいでしょうか? 使用人のように慣れていないもので痛かったりは……」 「そうですか。大丈夫なら良かったです」 「しかし……他人の頭を洗う、というのは初めての経験ですが……何となく、楽しい、ですね」 「ふふっ、そう、ですね。水場を見つけるたびにこうして姫の頭、私が洗って差し上げましょうか」 「あ、ち、違いますよ? 姫を子ども扱いしているのではなく、ただこう……何となく、してあげたいなという……そういう風に思わせるような何かが姫にはあるんですよ」 「勿論、私の立場上姫をお守りせねばとは常々思ってはいるのですがそれとは少し違う気がしますし、庇護欲を掻き立てられるのとも違いますし、うーん……何なんでしょうね」 「まあ……理由は分からずとも、私は姫に出来る限りのことはしてあげたいな、と思っています」 「先ほども申し上げましたが、本当に子ども扱いをしているワケではありませんからね、姫。私の嘘の下手さ、ご存じでしょう?」 「ふふっ、ですので、煩わしいときは言って頂ければと思いますが、出来れば私の言葉には甘えて頂けると嬉しくはありますね」 「さて、姫? 痒い所は御座いませんか? 洗い足りないようなところは?」 「そうですか。ではもう少しだけ……」 「……ん? どうなさいました? 私の身体を眺めても面白くはないかと……」 「あ、ああ、古傷が浮かび上がっちゃってますね、私。体温が高くなるとほんのり浮いてきてしまうことはあるのですが……姫の頭に触れていて胸が高鳴っているのかもしませんね」 「姫のような綺麗な身体には憧れはありますが、私のこの傷は勲章のようなものだと考えているのでむしろ誇らしい――とは、思っていますが、姫に見られるのでしたらもう少し綺麗な身体のほうが良かったかな、と、少し思ったり」 「はい、では姫。頭、流しますね」 「水の精よ。我の命に従い、清らなる水の加護を与え給え」 「はい、では頭、流しますね、姫」 「ふふっ、これですか? 凄いでしょう♪ 私、騎士ですが魔法も扱える魔法騎士なんですよ♪」 「と、自己紹介を1度はしてみたかったんですよ。私が扱えるのはこの魔法と種火を起こす程度の魔法ですね」 「特に才も無かったようで習得に苦労しましたが……この2つは野営でも大変便利でしたので気合でなんとか習得することが出来ました」 「まあ、何となく気恥ずかしく、大っぴらに人前で使うのは初めてだったりするのですが上手に出来て良かったです」 「はい、姫。頭を上げて大丈夫ですよ」 「ふぅ。では次は……お身体を洗いましょうか」 「ふふっ、折角ですので遠慮なさらずに。流せるうちに身体の汚れは流しておきましょう。きっと心も軽くなりますので」 「少しだけ現実的なお話をさせて頂くと……次はいつこうして身体を清められるかわかりませんからね」 「私はそれなりに慣れているので耐えられますが……なるべく姫には不快な思いはさせたくありませんからね」 「上位の魔法使いでしたら周りに水場がなくとも身体を清める程度の水は賄えると思うのですが……私も今後、もう少々魔法を学ばねばならないかもです」 「さて、では……腕から失礼しますね、姫」 「ふふっ、頭を洗う時も感じましたが……姫の身体、やはりとても綺麗ですね。こんなに綺麗な身体は見たことが無いと思えるくらいに」 「誰と比べて、というわけではないのですが……うん、綺麗です。とても。私とは大違いだ」 「ふふっ、有り難う御座います。気を遣わせてしまいましたね。私の身体はこの通りですが……好きだと言って頂けるのは光栄の極みです」 「っと、指の間まで丁寧に……」 「はい、では反対の手を」 「あ、姫? 今更になってしまうのですが力加減は宜しいでしょうか? 他人の身体をこうして洗うということがなくて、力加減が分からなくて……」 「ふふっ、丁度良いのであれば良かったです」 「こう、自分の身体を洗うときは結構強めにガシガシと洗ってしまうんですよね、私。多少強めのほうが気持ち良い気が……」 「あ、い、いえいえ、姫の身体をガシガシと洗うのは流石に……」 「う、うーん……では、もう少し慣れてきたら、徐々に強めに洗うようにする、というので如何でしょう? 急に強くというのはあまり良く無さそうですので」 「ふふっ、では、今日はこのままの強さで」 「……っと、仕上げにこちらも指の間まで……」 「はい、では次はお背中を……」 「……うーん、立ちながら背中を洗うのは安定感に乏しい気がしますね……えーっと……」 「姫、失礼しますね。こうして腕を回して背中を洗えば、誤って転倒することもないでしょう」 「では背中、失礼しますね。姫」 「ふふっ、少し身体も冷えてきている気がしますし、お互いの体温も心地よいかもですね」 「あ、あー……胸が当たるのが心地よい……? そんなことを言って頂けるととても嬉しいですね」 「鎧を着るときには窮屈ですし、戦闘では邪魔ですし、日常生活でも良いことがないなあとばかり思っていましたが……ふふっ、姫が悦んでくれるなら全て帳消しかもしれません」 「……う、うーん、そ、そうですねぇ。姫ももう少し成長すれば胸が膨らんでくるかと。私も最初から大きかったわけではありませんし」 「良く食べ、良く寝て、良く動く、でしょうか。今は難しいかもしれませんが……っと、お尻も失礼しますね」 「あー……姫? 私やはり、多少体温が上がってきている気がします。もし不快であれば言って頂けると……」 「あまり他人の身体には興味を抱いたことが無かったのですが……触れ合うのが心地よいという感覚、今ならわかるかもしれません」 「はい、背中は洗い終えたので次は……」 「あ、すみません、姫。お気遣いを」 「では、こちら側も失礼しますね」 「……っしょっと」 「……姫、お腹は冷えていませんか? 大丈夫ですか? 女性は特にお腹の冷えには注意せねばならないので……」 「……ふむ、大丈夫そうでしたら安心です。今でなくとも、違和感等あれば仰って下さいね、姫」 「折角ですし、ヘソの中も綺麗に……」 「……姫、大丈夫ですか? ヘソは苦手というのもあるかと……」 「ふふっ、大丈夫なら良しです。私は、ですが、ヘソは中々自分では綺麗にしようとしなかったりしますからね」 「こう、自分で身体を洗っているとヘソまでは気にかけずだったりしますので」 「はい、次は胸を」 「……あー……すみません、何故か私、胸が高鳴ってしまっています。では……」 「……姫の胸……柔らかい、ですね。あ、い、いえ、嫌み等ではなく……柔らかくて……触れていてとても心地が良いです」 「女性の胸は皆こうなのか……とも思いましたが、私の胸は大きさはともかく、ここまで柔らかくはない気がしますので……やはり姫の胸は特別に柔らかいのかもしれませんね」 「……わ、私の柔らかさの確認は後程に。姫の胸に触れておいてこんなことを言うのも変ですが今は何故か照れてしまう気がしますので……」 「と、姫? やはり多少身体が冷えているのではありませんか? こう……乳頭が固くなっていますが……」 「私もですが……寒くなると固くなってしまうんですよね、乳頭。ほら、姫の乳頭もこんなに固くなって……」 「あら、姫? もしかしてくすぐったかったですか? 申し訳ありません。こう……何だか私もちょっと気分が良くなってつい……」 「はい、では次は……お股を」 「……ここまで洗うのは流石にと思うのですが、折角ですし……」 「ふふっ、私も娘が居たらこうしてお股を洗ってあげたりと、そういうこともあったのかもしれませんね」 「あ、い、いえ、こ、これも何となくつい出た言葉でして、姫を子ども扱いする意味は一切なく……」 「ですが……うん。守らねばとは思います。子ども扱い、とは違いますが……私は姫を、守ります」 「ふふっ、はい。綺麗に洗えましたね。では……流しますね」 「では、身体を――」 「あー……、あ、あははっ……え、えーっと、これぐらいの魔法でしたら詠唱等必要なく出来てしまうんですよね……」 「ただこう……何となくカッコよいなあと思って、ですね? ですのでこう……さっきは詠唱、してみました。姫の前ですし……」 「ふふっ、少しはカッコよく見えました? それなら良かったです」 「はい。流し終えたので水から上がって身体、乾かしましょうか。寒くはないとはいえ、あまり冷えてしまっては事ですからね」 「火を起こして水上がりの身体を温めるの、気持ち良いんですよ、姫♪」 04_少し休憩、致しましょうか。(02:00) 「ふぅ、姫。ここは休憩に良さそうですし、少々足を休めましょうか」 「私のペースで歩いてしまっている気がするのですが……足は大丈夫ですか? もう少し気が付けば良いのですが……」 「ふふっ、姫が気を遣って大丈夫だと言って下さるのを知っていて私はこんな質問をしてしまうのかもしれませんね」 「こう、私が先行ではなく並進すれば全て解決するのですが……草木を払いながらですと中々難しいので……」 「そう、ですね。ではあまり草木の背が高くない道では並進させて頂きましょう」 「とと、では姫、そちらの木の傍は土が乾いているようなので座りよいかと思います。私は……ふふっ、では、隣に失礼しましょうか」 「大きな木を背にしていれば、背後を死角にすることもありませんしね」 「あっ、ここ……良い木が生えていますね。それに……そこに成っている実は……あっ、あそこに自生しているのは……」 05_木陰で小休止(耳かき、耳マッサージ)(27:35) 「やはりこの場所で休んで正解、でしたね。日差しも風の感じもとても心地よいです」 「ふふっ、これ、ですか? ちょっと良い木を見つけたのでちょちょいのちょいっと……」 「はい、出来ました。それなりに手先は器用なので……良い出来だと思います。野営の時に急にほしくなる時もあって何度か作ってたんですよね、耳かき棒」 「そして、ここは丁度群生地だったらしく綿毛草も生えていたので、お尻のほうにこうしてつけて……」 「完成です♪ 市場で見かけるものに比べれば多少不格好ではありますが……結構よく出来ていると思います♪」 「というわけで姫、どうぞこちらに。膝に頭を乗せてください」 「ふふっ、明るいと何だか少しだけ恥ずかしいのは私も一緒なので、遠慮なさらずに」 「いらっしゃいませ、姫」 「はい、では楽な姿勢・角度にして下さいね、姫。私、目は良いので多少であれば耳かきに支障はないので楽な感じにどうぞ」 「ふふっ、そんな感じで宜しいですか。姫が楽であれば何でも大丈夫ですよ」 「痛かったら言って下さい。耳の掃除もですが、どちらかというと気分をほぐす目的のほうが大きいので」 「では……耳かき、始めますね、姫」 「どう、ですか? 姫? これぐらいの強さでは」 「痛みを感じないなら良かったです。では、こんな感じで」 「……えーっと、どう、ですか? 姫。今しがた聞いたばかりですが……大丈夫、ですか?」 「あ、あははっ……あの、ですね、姫。じ、実は私……こうして他の人に対して耳かきをするのは……初めてでして……こう、慎重になってしまうのです……」 「あ、あら、初めてなの、悟られてしまっていましたか……それはそれは……流石姫です。やはり……あまり具合、宜しくなかったでしょうか?」 「ふふっ、有り難う御座います。心地よいのであれば私も安心です」 「私も手先はそれなりに器用だと自負しておりますので……姫の御言葉、有難く頂いておきます」 「おっ、取れました! ……っと、し、失礼しました。こう、耳かきをしていてゴミやらがちゃんと取れると結構嬉しくなってしまうもので……」 「さ、流石に自分の耳を掃除しているときはいちいち声は出しませんよ? 心の中で「やった!」くらいは思いますが……」 「にしても、人に耳かきをするのも中々気分の良いものかもしれません。まあ、かといって誰彼構わずしたいかと言われればそういうわけではないのですが」 「ふふっ、遠回しに言いましたが私が気分よく耳かきが出来ているのは、相手が姫だからに他なりませんよ」 「ですので、これからも耳かきのご用命があればお気軽に仰ってください。この丁度良い木の枝もいくつか持っていきますので」 「さて、姫、平気そうですのでもう少し奥の方まで耳かき、してみますね。痛かったら即座に仰ってください」 「……どう、でしょうか? 大……丈夫……ですか。それは良かったです」 「私も……ですね、あまり良くないことだとは分かっているのですが……自分でするときは大分奥の方まで耳かき、してしまいます」 「こう、最初はやはり浅い部分をカリカリとしていた記憶があるのですが、気付けばギリギリいっぱい奥の方まで耳かきするようになっていました」 「1度野営の時に何気なく耳かきをしていて、その様子を人に見られたのですが……何も言ってきませんでしたが表情が完全に「えっ……そんなに耳かき棒を耳に突っ込むなんて……」と如実に物語っていました」 「ま、まあ、別に誰に迷惑をかけるわけでもありませんし、あまり強く耳かきをして耳を傷めたりしなければ問題ありません」 「……というか、注意されたところで私、今更浅い耳かきだけでは満足なんて出来そうにありませんので……」 「流石に人様――特に姫のお耳ですと、一気に奥までと言ったわけにはいきませんので……少しずつ慣れていくことと致しましょう」 「あ、でも姫? 私に気遣い奥まで、でなくとも構いませんよ? 浅めが心地よければ浅めをカリカリと耳かきさせて頂きます」 「……ふふっ、では今日のところは私にお任せ、ということで。両方のお耳を奥の方まで耳かきさせて頂きましょうか」 「はい、こちらのお耳はこれぐらいにしておきましょう。奥まで、というのは平気でも、長時間しすぎてお耳を傷めてはいけませんので」 「では、仕上げに綿毛草のほうで……」 「城で使用しているものに比べれば品質は劣るかもしれませんが……自然の綿毛草の感触も悪くないものですよ」 「私もこの感触は好きではあるのですが……自然のモノの宿命か、両耳に使ってしまうと後は何だかイマイチになってしまうんですよね」 「まあ、この手の綿毛草はあちこちに自生しておりますし、耳かきの都度探す感じで大丈夫かと思いますが」 「あー……ですが、雨の日や湿り気の多い日は難しいかもしれませんね。綿毛草もべしょっとしてしまいますので」 「っと、はい。こちらのお耳はここまで。では次は反対を」 「どう、ですか? 姫? まずはこちらも小手調べに浅いところから……」 「ふふっ、人様の耳をじっくりと見ることはまずないのですが……こう、やはり左右でほんの少しだけ形が違っていて面白いですね」 「先ほどと同じ感じに、ではなくちゃんとこちらのお耳に合わせて耳かきを……」 「勿論、多少でも痛みを感じた場合は仰ってくださいね、姫。痛気持ち良い程度でしたら我慢して頂いて結構ですが」 「……しかし……こうして姫のお耳を耳かきするときが来るとは、人生何があるか分かりませんね」 「あー……すみません……つい思い出させるようなことを言ってしまい……」 「……ふむ、気にされる方が心苦しいというのであれば……多少はついうっかりと口に出しても許される、ということですね。有り難う御座います」 「……ええ、こうして姫のお耳を、というのは想像の欠片すらしておりませんでした」 「お側に召し仕えた際にいつも素敵な方だなと感じておりましたし、微笑みかけて下さったときにはとても嬉しく思ったものです」 「ふふっ、私だけではなく、他の兵たちも姫のことは素敵だと感じていたはずですよ」 「まあ……その中でも、私は格段に姫のことを素敵だと感じていた気がしないでもないですが……」 「……何と形用すれば良いか私にも分かりませんが……姫には何か、他の方にはない魅力のようなものがあります」 「私がこんなにも姫に惹かれているのですから、間違いではないと思いますよ?」 「さて、姫、こちらのお耳ももう少し奥の方まで耳かき、ますね。痛かったらすぐにお声がけを」 「……どうですか? こちらのお耳も……ふふっ、大丈夫そうですね」 「えーっと……あー……あっ、姫が魅力に溢れている、といった話でしたね。失礼失礼」 「意地悪でこんなお話をさせて頂いているわけではなく、ただただ私の本心をお伝えしているだけですが……気に障るのであれば止めておきます」 「ふふっ、大丈夫であればもう少々お話を続けましょうか。耳かきをしながらですとなぜか饒舌になってしまいますね」 「うーん、恐らく忠誠心……だとは思うのですが、自分でもいまいちよくわかっていなかったります」 「服従することにも満足感は覚えてはおりましたが、今こうしているような感じなのも大分満足してしまっておりますし……」 「あー……い、いえ……この状況に満足というのは……姫とこうして耳かきやら……水浴びやら……そういうことが出来て、という意味でして……こうなったことが良かったという意味では……」 「う、うーん……あ、有り難う御座います……本当に……こうして姫をいると何かぽろりと不躾な言葉を漏らしてしまっていますね、私」 「あっ、あっ……あーっ……こ、これは姫が悪いという意味は一切なく、私が何か変に気を昂らせてしまっていて……」 「……ええ、姫のそういった優しいところも私は好いておりますよ」 「はい、では、こちらも仕上げを……」 「……こうして姫が私に気を許して下さること、大変光栄に思っております」 「ふふっ、私から申し出ておいてこのようなことを申し上げるのも変ですが、気を許していない人間に耳かき等させませんからね」 「私は絶対にしませんが……気を許した瞬間にぶすり!!とされてしまったり……」 「……まあ、そもそもそんな相手に耳かきはさせませんか……させませんね」 「っと、はい。耳かきの仕上げは十分です。耳かきはここまで、ですね、姫」 「やはりあまりしてしまうと耳を傷めてしまうことになり兼ねませんので……」 「と、言うわけで……姫? 耳かきの次があるのですが、続けて宜しいですか?」 「ふふっ、有り難う御座います。実は先程そこに群生しているのを見つけたので……折角ですから、耳かきの後にと思いまして」 「この木の実の油分、とても肌に良いんですよ。ですので、こちらを使用してお耳を揉み解して差し上げます♪」 「では姫? お耳、揉み解しますね。何か気に掛かるようでしたら遠慮なさらずに」 「如何ですか? 姫。恐らく……お耳でも心地よいと思うのですが……」 「あ、え、えーっと、お耳の揉み解しに使うのは初めて、なのですが……他の箇所の揉み解しには使用したことがあります」 「ですので、お耳でも心地よいかなと思いまして」 「あっ、えっ、えーっと、勿論、自分自身で使用したことがあるという意味でして、誰かに揉み解しをされた、したというのことはありませんので……」 「あ、あははっ……な、何を焦って言い訳をしているのでしょうね、私は」 「このぬるりとした肌触りも中々に素晴らしいですし、保湿やら美肌の成分も多分に含まれていると兵たちが言っているのを耳にしました」 「私も疲労を感じた際には身体を揉み解したりもしますが、疲労回復になかなか良い効果があるなと思っておりますし」 「乾いた後もイヤなベタつきもなくさらりとしていますし、素晴らしい自然からの贈り物ですね」 「それにこの実の油分、こうしているときもほのかに良い香りがしますが、乾いた後も暫く良い香りが持続するのでほんのり幸福感に包まれます」 「まあ、姫はこのようなものがなくとも普段から良い香りに包まれているなあと思っているのですが。流石姫、です」 「ふふっ、勿論ですが、物凄く褒めておりますよ」 「はい、マッサージはお終いなのですが……もう少々だけお付き合い下さい、姫」 「ほんの少しだけ指先で火を起こして……油に熱を加えると……」 「ふふっ、面白いでしょう♪ 私も初めて味わった時は驚きました♪」 「熱に反応してしゅわしゅわになるなんて……最初に発見した人はさぞ驚いたことでしょうね」 「姫は口にしたことがあるかどうか分かりませんが、熱を加えてしゅわしゅわさせた後に氷系の魔法にて急速に冷やして作る飲み物のあるんですよ」 「あのしゅわしゅわした喉越し、仕事終わりに飲むとまた格別で――」 「……す、すみません……私は温度を下げるほどの氷系の魔法も体得しておりませんので……今作るのは難しく……」 「ふふっ、ではそのうち、落ち着きましたらグラスで乾杯、致しましょうか」 「っとと、しゅわしゅわ、落ち着いてきましたね。長続きしないのが難点といえば難点です」 「はい、では、逆側も揉み解しから致しましょう」 「ふふっ、有り難う御座います。では、早速こちらも……」 「如何ですか、姫。こちらのお耳の揉み解し、具合は」 「ふふっ、宜しいようでしたら問題ありません。先ほど同様、このまま揉み解し、続けさせて頂きますね」 「あー……もしかして……先程のように耳かきから連続して、のほうが宜しかったりするでしょうか? 次回、希望がありましたら遠慮なく仰ってください」 「といっても……次回があるのかどうなのか……あ、ありそうですか! それは大分嬉しいですね」 「……とまあ、私は喜んでしまっているわけですが……やはりずっとこのまま、というわけにはいきません」 「私は騎士として生きることしか頭になく、どうすれば良いのかというのはあまり見当も付かないのですが……」 「それでも私は、姫が再び幸せそうに暮らしているのを、少し離れた場所からで良いので眺めていたいのです」 「そのためにどうすれば良いのか、あれやこれやと考えてはいるのですが……私の頭では中々に纏まらず……」 「ですがとりあえず、直近での目標として、姫が安心して少しでも心地よく生きられるようにはしていければなと思っています」 「何度も言っていますが……状況が状況なのに安心も心地よくも絵空事には聞こえるでしょうが……」 「ふふっ、有り難う御座います。そう言って頂けると私は喜びますよ、姫」 「はい、嬉しくなったところで揉み解しはこれぐらいにして」 「では、ほんの少しだけ温かくしますよ、姫」 「ふふっ、姫の反応を見ていると私まで何だか嬉しくなってきてしまいます」 「あ、え、い、いえいえ、別に滑稽だなどというつもりはなく、ただただ微笑ましいなと……」 「え、えーっと……で、では、後程私も同じように耳をしゅわしゅわさせて頂いて、姫に反応をみられるということでお相子で……」 「う、うーむ、姫に見られながら耳がしゅわしゅわされるとなると、想像しただけでこう……耳がむずむずっとしてくるような」 「ですが折角の機会、楽しみにしておりますね、姫」 「こう、滑稽な反応をした際は思いっきり笑って頂ければ私としても本望ですので」 「っと、やはりしゅわしゅわは長続きしませんね。だからこそ、と言われればそうなのですが……」 「ふう、それでは……姫? 多少でも心地よくなって頂けたようなので……このまま少々お休み下さい」 「目が覚めましたらまた歩くこととなりますので、ごゆっくりと」 「ふふっ、勿論、姫の命とあらばその御身体、私が背負って参りますけどね」 「貴女が眠っている間、私が命に代えてもお守りしますので……ごゆっくり……」 06_姫、このキノコ!! 高級な食材ですよ!(03:14) 「ふぅ。やはり私のお粗末な味付けとはいえ……お肉は美味しいですね。大分野性味溢れる味わいでしたが……」 「うーむ……いつも調理長に任せっきりでしたが、このような機会もありますし料理についても学ばねばなりませんね」 「口に運べて栄養が摂れれば良いとは考えますが、美味しいに越したことはありませんかららね」 「と、やる気を出してはみたところで、まだ暫くは腕を磨くような機会もなさそうですので……ですが、なるべく姫に喜んで頂けるよう努めます」 「ふふっ、私は……状況が状況ではありますが、姫と一緒に食事を出来て、それだけで普段よりも美味しく感じられますので♪」 「っとと、そろそろ日が通った頃合いでしょうか」 「……うん、良さそうですね。はい、どうぞ、姫。お肉の後にキノコというものアベコベかと思いますが……これ、かの有名なゲキウマ茸ですよ」 「このよう場所にしては珍しくゲキウマ茸が生えていたことには驚きです。貴重な食材らしく中々食べられるものではありませんので」 「火で炙っただけですのに……この香ばしい香り、流石と言わざるを得ません。これも何か調理出来れば良かったのですが……」 「ふふっ、香りだけでも美味しそうなので平気、なら、良いです」 「では、少しずつですが……頂きます」 「あむあむもぐもぐ」 「ふむ……食感は悪くないですね……もぐもぐ……外側がサクっとしていて中はムチムチで……もぐもぐ……香りが口の中いっぱいに広がって行って……もぐもぐ……満足感がありますし……もぐもぐ……こう、何だか気分が良くなってくるような……もぐもぐ……そんな気もしてきたり……もぐもぐ……やはりゲキウマ茸は凄いんですね……もぐもぐ……」 07_美味しそうなキノコで夕飯(耳舐め)(27:18) 「う、うーん……あ、あの、ひ、姫? あ、熱くはありませんか? 焚火の火、強すぎでしょうか?」 「あ、い、いえ、あ、熱くないのでしたら全然。な、何だか私……少々身体の中から熱さを感じているように思えまして……」 「焚火が強すぎるということでなければ……今夜は気温が高いのでしょうか……」 「……っと、姫の身体も多少熱くなっているような……こう、熱が出ているというよりは……ぽかぽかと熱くなっているような……そんな……」 「……」 「……姫? 姫のお耳、まだとても良い匂いがしますね? 木の実の油の香りが……高くなってきた体温でまた香ってきたのでしょうか……」 「……こうして肩を寄せている距離でさえ、私の鼻をくすぐる位に良い香りが……」 「物凄く……姫の匂いが……」 「くんくん、くんくんくん」 「ふふっ、ほら、凄く良い匂い、してますよ、姫」 「くんくん、くんくんくん」 「……甘くて、胸が高鳴るような匂いが……こんなに……」 「くんくん、くんくんくん」 「くんくん、くんくんくん」 「こちらのお耳も……とても良い匂いがします」 「くんくん、くんくんくん」 「……姫? 本当に良い匂いですよ? 本当に本当に、とてもとても良い匂い」 「くんくん、くんくんくん」 「……ああ……姫のお耳の匂い……脳が焼けそうな程良い匂いで、私……」 「すー……はー……すー……はー……」 「わ、私、何をしようとしているんでしょうね!? 騎士たるもの、お、落ち着かないと……」 「すー……はー……すー……はー……」 「……やはり……とても良い匂い……ですね、姫」 「くんくん、くんくん」 「……本当に、良い匂い」 「ぺろぺろぺろり」 「くんくん、くんくん」 「ぺろぺろぺろり」 「……思わず舐めてしまいたくなるぐらいに……良い香りです……姫」 「ぺろぺろぺろり」 「くんくん、くんくん」 「ぺろぺろぺろり」 「……やはりこちらも……木の実と姫の良い匂いが……」 「くんくん、くんくん」 「ぺろぺろぺろり」 「……匂いもですが……舌触りも……」 「ぺろぺろぺろり」 「ぺろぺろぺろり」 「……姫」 「くんくん、ふふっ」 「……姫? 私は……何をしているのでしょうね?」 「くんくん、ふふっ」 「やっぱり……こんなに良い匂いをさせて……姫ったら……」 「くんくん」 「……ふふっ、姫のお耳、良い匂いで美味しいんですね」 「くんくん、くんくん」 「ふふっ、本当に私……何を……ふふふっ」 「……あーっ……ふふっ」 「はむはむ、はむはむはむっ」 「……姫は、こんな噛み心地だったのですね」 「はむはむ、はむはむはむっ」 「やはり姫……匂いも噛み心地も素晴らしくて……ふふっ、流石です」 「はむはむ、はむはむはむっ」 「くんくん」 「……ふふっ、ふふふっ、姫」 「はむはむ、はむはむはむっ」 「……こちらのお耳も……素敵な噛み心地ですよ、姫」 「はむはむ、はむはむはむっ」 「……ふふっ、ふふふふっ♪」 「ふぅ」 「何をしてるんだろうと……思っているのに……止められなくて……姫」 「くんくん」 「ふふっ、姫の匂い♪」 「……私、この匂い大好き……もっと……もっと……♪」 「くんくん」 「ふぅ」 「くんくん」 「……はぁ……好き……美味しい……良い匂い……」 「……姫? 本当に……本当に……ごめんなさい……好き……止められなくて……」 「……中からも良い匂いがしますね」 「くんくん、くんくん」 「……ふふっ、やっぱり♪」 「……凄く美味しい……」 「くんくん、くんくん」 『……止めたいのに……止まらないんです……姫……』 「……ふふっ、良い匂いで美味しくて……姫……」 『……姫の匂いが……欲しすぎて……』 『口の中まで……鼻の奥まで……姫の匂いで満たされて……』 『……姫のことしか……考えられなくなってしまって……』 『姫は……とても良い匂いで……美味しいですね』 「……ううっ」 「……姫……こんなことをしてしまって……本当に……」 「くんくん、くんくん」 『姫の匂い、大好きです』 「はぁ……はぁ……」 『姫』 「ふぅ」 『私が二人いれば……両方のお耳、一緒に舐められるのに』 『……想像しただけで……姫の匂いで脳が焼けそうですよ、私』 『……後から……罰なら何でも受けます……だから……』 「くんくん」 『……姫』 『本当に……本当に……私は……何てことを……』 「くんくん」 『ああ……姫……ふふっ、おいしそうな匂い♪』 08_謝罪は雨宿りの後に……。(02:42) 「……う、ううっ……何度も何度も何度も何度も言っていますが……姫……本当に本当に本当に本当にすみません……」 「わ、分かっております。何度謝ろうとも姫がその寛大な御心でお許し下さると言うのは……とても分かっているんです」 「ですが……ううっ……謝らずにはいられず……ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいで……」 「あ、あんな……姫のお耳の匂いをはしたなく嗅いだだけに留まらずあ、あの、あのようにお、おみ、お耳をべろべろと……」 「……お、恐ろしく醜態を晒した上に、姫に恥辱の限りを尽くしてしまうなんて……これはもう私の命をもって償うしか……」 「あ、い、いえ!! そうも思いましたが、流石にそこまでは致しません!! 私には姫をお守りするという至上命題がありますので……」 「……ううっ……姫、これからは専門家立ち合いの場合以外は……キノコを採集して頂くのはやめておきましょう……」 「た、確かに……毒キノコで命に係わるというわけではなかったのが救いではありますが……」 「……今後は……一層身を引き締めて、そして気を付けて――」 「……あっ、あれ、雨……」 「あ、えっと、話の途中ですが……少し足を速めましょう。これは……少し強めに降り始めそうな気がします」 「ええと、あちらの山にほうへ。恐らく大きな木やら、雨宿り出来そうな場所があるはずです」 「さあ、姫、お手を。ほんの少しだけ急ぎますので、足元にはご注意を」 09_雨宿り(キス、クンニ)(18:37) 「ふーっ……手ごろな洞穴があって助かりましたね、姫」 「このように雨宿りにうってつけの場所がすぐに見つかるなんて……姫にも良いことが少しずつやってくる前兆かもしれませんね……な、なんて……」 「こう、雨風も防ぎつつ焚火も出来そうですし、雨が上がるのを待って枝木や食料を集めて、本日はこのままここで野営でも良いかもしれません」 「……降り続いた場合は……ふふっ、その時考えましょうか」 「あー……姫? これからは一切言いませんが……最後にもう1度だけ。本当に申し訳ありませんでした」 「あのような不快な思いを姫にさせてしまうなんて……私は騎士として、もっと精進せねばと決意を新たにしましたので……」 「あ、は、はい。も、勿論、姫からの質問であれば、包み隠さず全てお話します」 「え、えーっと……わ、私は……正直にお答えしますと……はい……実はそれなりに記憶はハッキリしておりまして……」 「気持ちだけがふわふわと浮いてしまって……気持ちを理性が止められなくなったというか……」 「……姫がとても良い匂いだったというのは鮮烈に覚えております」 「姫は不快だったかと思うのですが……私は……申し訳なさを感じつつも、とても満たされていたのを覚えていて……」 「……本当に正直に申しますと……自分でもまだよく分からないのですが……私は姫に、ただならぬ感情を抱いています」 「憧憬や忠誠心とも違う……姫、貴女の笑顔を見ているだけで満たされてしまう、良く分からない感情が」 「ただ、姫のことを強く想っているというのは揺るぎない確固たるものです」 「また……遠くからでも構いません。花のような貴女の笑顔を眺めたいのです」 「あ、あの、姫? え、えーっと……も、勿論……近くで素敵な笑顔を見られれば……私はとても嬉しいのですが……」 「今日は少し……姫の御顔を真正面から見るの……気恥ずかしいですね……」 「え? 目を瞑る、ですか? 確かにこうすれば気恥ずかしさは薄れますが……そうすると姫の御顔が見られな――んっ」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「……あ、あの……ひ、姫……?」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「……姫? あの……驚いて目を開けてしまったのですが……あの……」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「んっ、んっ、あっ」 「……唇が触れる瞬間には目を瞑ってしまいましたが……これは……あの……」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「んっ、んっ、あっ」 「……姫……本当に……これは……」 「ちゅっ」 「あっ」 「お、お待ち下さい姫。い、いけません……こんなことは……」 「私の失態を慰めようとされているのかと思いますが……あの……これ以上は……私、勘違いをしてしまいます……」 「これ以上は……慰めではなく……姫が……私を、と……勘違いを――んっ」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「んっ、んっ、あっ」 「……すみません、姫。私も……貴女が欲しいです……」 「……姫。嫌でしたら……顔を背けるなり……して下さい……」 「……まだ……今の私でしたら……止められる理性があります……」 「慰めや気の迷いでしたら……ここで止めて頂けたら……私もまだ姫への気持ちを抑えられ――んっ」 「……姫……私はもう……貴女への気持ちが……抑えられなくなりますよ……?」 「……私が抱いていて気付かぬふりをしていた……貴女への想いを……」 「……姫? これが何かの間違いで、後から姫が後悔するようなことがあれば……私の全てを賭して謝罪します」 「……ですが……今はもう……抑えられません」 「……姫」 「……姫……姫……」 「ちゅっ、ちゅっ」 「……姫……お許しを……」 「ちゅっ、ちゅっ」 「……もう……戻り方を忘れてしまいそうです……姫……」 「……ああ……姫……」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「……姫」 「……もしこれが夢であっても……私は……幸せです」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「……私は……私は、姫……貴女のことが……」 「……はぁ……はぁ……姫……本当にもう……私は……貴女への気持ちが……」 「あ、あの……ひ、姫? そ、そのような姿勢で一体何を――」 「え、あ、服と下着に手が……あ、い、嫌ではありませんが……あ、あの……こんなところで……んっ、姫に脱がされては……」 「う、ううっ……姫の前に性器を曝け出すなんて……恥ずかしい……」 「あ、あの……ひ、姫? い、一体何を――んっ♪ んんんっ♪」 「あっ♪ あっ、んっ、んっ♪ ひ、姫、あっ、はーっ、ふーっ、そ、そんな……んっ、性器を……んっ、お口で……あっ、んっ♪」 「今日は、んっ、まだ、あっ、あっ♪ んっ、洗ってないので、んっ、んっ、んんんっ、汚い、あっ……ですよ、んっ、姫」 「んっ、んっ、んっ、あっ、んっ、ですが……んっ、凄く……気持ち良い、です、姫、んっ」 「はっ……はっ……ふーっ……ふーっ……んっ……あっ……ふーっ……ふーっ……」 「姫が……んっ、私が想いを寄せていた、んっ、姫が……んっ、んっ♪ 私の性器を……んっ、あっ、あっ、こうして……んっ、愛らしいお口で、ふぁっ、舐めて……んっ、んっ」 「んっ、あっ、あっ♪ 凄い、んっ、頭……ふーっ、んっ、本当におかしく、んっ、なってしまいそうなくらいに、ふぁっ、気持ち、良い……」 「はっ……はっ……ふーっ……ふーっ……んっ……あっ……姫……ふーっ……ふーっ……」 「こんなに……気持ち良いことが……んっ……あっ……この世にあるのかと……はーっ……ふーっ……思ってしまうくらい、んっ、気持ち良い……はーっ……です……」 「姫が……んっ、私の目の前で……あっ、んっ、私の性器を、はーっ、はーっ、ふーっ、お口で……んっ」 「姫……はーっ……ふーっ……んっ、姫……姫……あっ、んっ、んんっ♪」 「あっ、そこっ、んっ、はーっ……ふーっ……そこ、凄く……んっ、あっ」 「そんな風に……あっ、んっ、性器を舐められたら……はーっ……ふーっ……んっ……」 「んっ、んっ、んんんっ♪ あっ、姫、そんなに強く、あっ、あっ、んっ♪」 「ふーっ、ふーっ、んっ、あっ、ふーっ、姫、んっ、あっ、あんっ、んっ」 「姫、思わず声が漏れて、んっ、恥ずかしいです……んっ、んっ、んんんっ♪」 「あ、そこ。それ、んっ、凄い、んっ、あっ、姫、姫……姫、んっ、んんっ」 「ふーっ、ふーっ、んっ、あっ、ふーっ、姫、んっ、あっ、あんっ、んっ」 「あっ、あっ、あーっ……んっ、ふーっ、はーっ、んっ、んっ、んんっ……姫、んっ、本当に……あっ、あっ♪ 私、んっ、んっ、幸せで、んっ、んっんんんんっ」 「はぁ、はぁ、はぁ、あっ、あっ、姫、私、んっ、んっ、はぁ、はぁ、何だか、んっ、んっ、あっ、あっ、んんんっ」 「うっ、くはっ、うっ、うっ、あっ、んっ、姫、はぁ、はぁ、そこ、そこ、んっ、あっ、あんっ、それ、んっ、本当に、んっ、んっ、あっ」 「あのっ、姫、んっ、んっ、それ以上は、あっ、あっ、性器が、はぁ、はぁ、性器が気持ち良すぎて、んっ、んっ、んんっ、あっ、頭、んっ、はぁ、はぁ、おかしくなりそう、んっ、んっ、ああああっ」 「んっ、んっ、んんっ!! あっ、あっ、ひ、姫っ、んっ、んっ、んんんん!!」 「はぁ!はぁ! んっ、あっ、あっ、姫、だめ、んっ、はぁ、はぁ、はぁ、あっ……んっ、んっ、性器が、あっ、凄い、んっ、気持ち、んんっ」 「あっ、はぁ、はぁ! あっ、んっ……んんんっ、はぁ、はぁ! 姫、私……んっ、あっ、私、はぁ、はぁ、あっ、んっ、ふぁっ」 「はぁ、はぁっ、あっ、あああああっ!!! だめ、んっ、姫っ、んっ、んっ、はぁ、はぁ」 「あっ、本当に、んっ、だめっ、ですっ、んっ、んっ、はぁ、はぁ、あっ、あっ、んっ、んっ」 「姫っ、んっ、あっ、姫、姫姫姫姫姫姫姫姫っ、あっ、あっ、んっ、んんんっ!」 「はぁ! はぁ! んっ! んっ! んっ……んんんんんんんんんんんんんんっ!!」 「あっ……あっ……あああああっ……はぁ……はぁ……はぁ……」 「……はぁ……ひ、姫……はぁ……はぁ……う、ううっ……はぁ……はぁ……」 「はぁ……あっ……私……はぁ……姫のことが……はぁ……」 「あ、あの……ひ、姫?」 「んっ」 10_恐らく、今宵はゆっくり休めますよ。(03:50) 「ふーっ。天気も悪くないですし、本日は中々に道中も順調な気がします」 「それに、ですね。私の見立てなので確実ではありませんが……もしかしたらですが、本日はちょっとくらい良いことがあるかもしれません」 「あまり期待をさせるのも良くないかと思いますし、それに私の見立てが外れているやもしれませんし……とりあえずは歩きましょう」 「ふふっ、私の足取りが軽やかに思えるのは……あ、あのようなことがあり、姫と親密になれたから……というのも多分にありますが……恐らく道がそこまで悪くないせいでしょう」 「ふふっ、道が悪かろうが姫と一緒であれば私の足取りは軽やかそのものですが」 「……と、あまり浮ついていてもよくありませんね。騎士として、姫を守る者として」 「はてさて……日が落ちる前には良いことがあると思うのですが……というか……ここまで言っておいて何もないということになると……姫を大分がっかりさせてしまうことになるような……」 「う、ううっ……もう少し黙っていれば良かった気がしてきました……」 「……あ、あの……姫? やはりこう……先程のちょっと良いことがあるかも、という話は……えーっと……やはり、万が一もしかしたらちょっと良いことがあるかもしれないかもしれない、ぐらいで考えて頂いて、というのは……」 「あ、あははっ……げ、ゲキウマ茸の群生地がありそうという話ではありませんね……といいますか……ゲキウマ茸がそんなに生えていても……本物であろうと流石にこう……またあんな風になってしまってはと思うと……」 「……少し……ほ、ほんの少しだけ、食べてあのようになってしまって良かったなあとは思ってはおりますが……」 「……すみません。本当は食べて良かったととても思っております……食べていなければ……姫とこう……あのような……このような……」 「……ううっ……とても良かったには良かったのですが……やはり意識だけ鮮明で記憶がしっかりと残っているというのは……思い出してもとても恥ずかしいです……。かといって、覚えていなければ覚えていないで何かこう……それはそれで勿体ない気がしますし……う、ううっ……一体全体どうすれば……」 11_山小屋にて(クンニ、貝合わせ)(34:47) 「ふぅ。久しぶりに屋根のある場所での食事、やはり良いものですね、姫」 「恐らく遠くない場所に山小屋があるのでは、とは思ったのですが……これほどまでに綺麗な山小屋というのは嬉しい誤算でした」 「定期的に管理はしているようで小奇麗ですし、少量ですが調味料もありましたし、薪に寝床まであるなんて……夢のようです」 「ま、まあ、城の部屋と比べてしまうと流石に見劣りはしますが……それでも、姫と一緒ですのでもはやこの山小屋は城の一室のようなものでしょうか、ふふっ……な、なんて」 「えーっと姫? こうも居心地が良いと少しだけ長く滞在してもと思ってもしまいますが……なるべく早くにここも発つべきだと私は考えます」 「1日2日程度であれば休息のためにとは思うのですが……出来る限り早く、もっと遠くへ」 「う、ううっ……用心のし過ぎなのは百も承知です。神経質過ぎると自分でも思います。ですが……やはり、姫の安全が第一ですので……」 「ふふっ、有り難う御座います。お気遣いさせてしまって……では、可能な限り明日にでも出立する、ということに致しましょう」 「さて、では……本日は早めに休みましょうか。火はこのままにしておいて……姫は寝床にどうぞ。埃は叩いて軽く干したので気持ち良く寝られると思いますよ」 「ふふっ、どうです? 野営ばかりでしたので寝床の上というだけで大分身体が休まる気がしますよね」 「枕の高さは大丈夫ですか? 眠るのに寒くはありませんか? 出来ることは少ないですが、何かあれば仰って頂ければ私が――」 「はい? 私、ですか? 私はこうして座りながら休息を取ることに慣れておりますし、もし横になりたくなったらこの場にごろんと横になれるので大丈夫ですよ」 「ふふっ、屋内ですので安心して寝られはしますが、横になったときの寝心地は草の上のほうが好みかもしれませんが」 「どうしました? 姫。もし灯りが気になるようでしたら、一旦消して明日の朝に――」 「……ではなく? えーっと、では……」 「……」 「……は、はい? い、一緒に……眠り……たい……と……」 「し、しかし……姫? 寝床、どうみても1人分でいっぱいな気がしますし、一緒に眠ると大分狭くなって……密着してしまうような……」 「あ、い、いえ、い、嫌ということは一切なく、むしろほんの少し期待しておりましたし喜んで……」 「……ううっ……つ、つい本音が……というわけで……」 「では、御言葉に甘えて」 「姫、隣、失礼しますね」 「……多少狭くはありますが……割と十分寝られる感じですね、これは」 「あ、あの、ですがやはり距離が近いですし、暑苦しかったりしましたら遠慮なく言って頂けると……」 「……ひ、姫? こちらを向かれると……私はとても胸が高鳴ってしまいま――んっ」 「……姫」 「……すみません……今夜ここに泊まると決めてから……少し期待していました……」 「……寝る時間が少しだけ遅くなるかもしれませんが……お許しください」 「……姫」 「……あの……姫? この前の……姫がしてくれたこと……私がしてあげたいのですが……宜しい……でしょうか?」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「……それでは……私が……」 「……姫、御召し物、失礼します」 「すみません……人様の服を脱がせるなんて……経験が無くて……」 「あははっ……手が震えてしまって……お恥ずかしい……っしょ……っと」 「ちゃんと脱がせられましたが……寒くはありませんか? 姫」 「それなら良かったです」 「……では……姫の性器……お口で……」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「思わず口付けをしてしまうくらいに……綺麗です、姫」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「……不快では……ありませんか?」 「ふふっ、それなら良かったです」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「……姫の性器……本当に綺麗……」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅーっ、ちゅーっ」 「ぺろぺろ、ぺろぺろぺろり。ぺろぺろ」 「……姫? 痛かったりは……しませんか。それなら良かったです」 「……姫の……性器」 「……こんなことを言うのはおかしいかもしれませんが……凄く……美味しいです、姫」 「……姫」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「……私……とても幸せな気持ちです」 「じゅるるるるる」 「んっ、あっ……姫に頭を撫でられたら私……胸が高鳴ってしまいます」 「……姫が声を漏らして下さるのも……とても嬉しいです……」 「姫の御声……とても可愛らしい」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅーっ、ちゅーっ」 「……姫……姫……」 「……姫の性器……美味しい……」 「……姫……私……とても幸せです……」 「……凄い……美味しい……」 「……姫……姫」 「ふぅ……姫の性器……美味しくて魅力的すぎて……何もかも忘れてしまいそうになります……」 「……あの、姫?」 「あの……女性同士だと難しいかもしれませんが……私……姫と……性器を合わせたいです……」 「……姫が恋しすぎて……性器を合わせたくて仕方ないんです……」 「抵抗があるのでしたら、お断り頂いて全然構いませんので……でも、出来れば――んっ」 「……では……姫」 「あの……お召し物、全て……失礼します」 「私も……」 「水浴びをしたときにも裸はお目にかけたはずなのに……今宵はとても恥ずかしく感じてしまいます……」 「……恋する乙女の気持ちというものが……この年になってようやくわかった気がします」 「ふふっ、姫だけを裸にさせては……いけませんよね」 「……姫。姫の前で裸になるの……恥ずかしいですが……とても嬉しいです」 「姫の裸……この前見たときよりも凄く……綺麗で魅力的に感じます」 「……姫」 「ちゅっ、ちゅっ」 「裸でする口付けは……姫の体温が感じられて……愛おしさが溢れ出てしまいます……」 「……姫」 「……私は……貴女が恋しいです……」 「ちゅっ、ちゅっ」 「……あの……性器を合わせますが……したことがないので……上手くないかと思います……」 「苦しかったりしたら……遠慮など一切せずに仰って下さい」 「ちゅっ、ちゅっ」 「……姫。いきます……ね?」 「……んっ……姫の性器を……私の性器が……んっ、あっ♪」 「んっ……ふぁっ……口付けるように合わせただけで……身体の中が幸福感で……んっ、満たされていきます……」 「……あ、あははっ、すみません……少し涙が出そうです……嬉しくて……幸せで……」 「このままでも十二分に満たされているのに……んっ、それでももっと貴女が欲しくなってしまっています」」 「姫、このまま動いてしまいますが……苦しければ……仰ってください……」 「……姫」 「……んっ、あっ……凄い……んっ……少し動いただけで……んっ、性器が溶けてしまいそうなぐらいに、んっ、気持ち良い……」 「……こうしてずっと……んっ、性器を合わせていたくなる程に、あっ♪ 姫を近くに感じて……んっ、幸せで……気持ち良い、です、んっ」 「んっ、あっ♪ こんなに、んっ♪ こんなに気持ち良いなんて……んっ……あっ」 「私、んっ、もっともっと姫が、んっ、欲しくなってしまいます……あっ♪」 「んっ……ふぁっ……ふふっ……姫……とても……気持ち、良い……です、んっ♪」 「あっ♪ んっ、ほんの少し動かすだけで……んっ、勝手に声が……んっ、出てしまうくらいに……んっ」 「んっ、んっ……あっ♪ えへっ、姫も……気持ち、んっ、良いです……んっ、か? んっ」 「ふふっ……んっ、姫も気持ち良いのでしたら……んっ、私も満足……んっ、です、ふぁっ♪」 「んっ♪ 姫との性行為……んっ……気持ち良くて……あっ、幸せで……んっ」 「もっともっと……んっ、欲しくなります、あっ」 「姫? あんっ、んっ、姫の御顔……んっ……あっ、んっ、艶を帯びていて、んっ、とても素敵です、あっ♪」 」 「んっ、はぁ……はぁ……あんっ、こんなにも可愛らしいお顔、あっ♪ 可愛らしい声、はぁ……はぁ……んっ、恋しくてたまりません、あっ♪」 「んっ♪ もっともっと、可愛いお顔を、んっ、見せて頂きたい、んっ、です。もっともっと、んっ、あっ、はぁ、はぁ、可愛いお声、あっ、あんっ、聴かせて頂きたい、んっ、です」 「ふふっ、んっ♪ 恥ずかしそうにお顔を隠そうと、んっ、する仕草も、あっ、胸を高鳴らせます♪ でも、あんっ、やはり私は、んっ、姫の御顔が、んっ、見ていたいです、あんっ」 「はぁ……はぁ……姫? あの……昂ってしまいこうしていますが……あの……嫌、ではありませんか……?」 「もし……姫が少しでも嫌だと感じるのであれば……私はここまででも……」 「……ううっ……す、すみません……無粋なのは分かっているのですが……それでもほんの少し心配で……」 「姫? この姿勢は……苦しくはありませんか?」 「ふふっ、大丈夫でしたら……良かったです」 「……姫」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ♪」 「私……姫との口付け……とても好きです……」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ♪」 「……姫」 「……ああっ……もう、んっ、姫のこと以外……んっ、何も考えなくなりそうです、んっ、あっ」 「はぁ、はぁ、んっ♪ 愛おしい姫と、んっ、口付けをしながら、んぁっ、性行為をするなんて、あんっ、んっ、幸せ、んっ、過ぎます、んっ♪」 「んっ、あっ、すみません、気持ち良すぎて、んっ、幸せすぎて、あんっ、んっ、ちょっと、んっ、涙出そうです、んっ」 「えへっ、姫の御身体に、落としてしまったら、んっ、すみません、んっ」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「んっ、あっ、こんなに恋しい人と、んっ。こんな風に、んっ、交われて、んっ、幸せです、んっ、あっ♪」 「んっ、んっ、愛おしさの止め方が、んっ、あっ、もう分かりません」 「んっ、姫……あっ、あんっ、姫、貴女が……んっ、ふぁっ、あっ、本当に、んっ、大好きです」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「……んっ、あっ、んっ、姫、あんっ、私、あっ、貴女が、んっ♪」 「あっ、んっ、恋しい、ふぁっ、んっ、好き、あっ、んっ、あんっ、大好きです、んっ」 「あっ、あっ、んっ、凄い、んっ、性器も、んっ、あっ、お腹の奥も熱くなってきて、んっ、んっ♪」 「姫の体温も、んっ、上がってきているのが、んっ、あっ、伝わってきて、んっ、んっ、幸せ、あっ、です、んっ」 「こんなに気持ち良くて、んっ、あっ、幸せな気持ちなのは、んっ、ふぁっ、姫とだからですよ、あんっ♪」 「ずっと、んっ、交わり、んっ、性行為をしていたくなるくらいに、あっ、あっ、んっ、満たされてしまいます、んっ♪」 「あっ……はっ……んっ……んっ……ダメ……んっ、あっ、私……ふぁっ、貴女が欲しすぎて、んっ、あっ♪」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「んっ、あっ、姫、んっ、私、んっ、姫のことしか、んっ、考えられない、です、んっ♪」 「凄い……あっ、あっ、んっ、性器、んっ、溶けそうなくらい、んっ、気持ち良くて、あっ、ふぁっ♪」 「んっ、あっ、頭、、んっ、真っ白になりそう、んっ、あっ、ですっ、あっ♪ んっ、気持ち良いの、止められません、ふぁっ」 「恋しくて恋しくて、んっ、愛おしくて愛おしくて、あっ、あっ♪ んっ、止まらない、あんっ、止められない、ふぁっ」 「……姫? 私、あっ、ふぁっ、頭、んっ、あっ♪ 真っ白に、んっ、なりそう、です、あっ♪」 「本当にっ、あっ、あっ……んっ、もう……私、あっ、んっ、んっ、気持ち良すぎて……んっ、姫、姫姫姫姫」 「んっ、んっ、んんんんんっ……んんんんんんんんんっ」 「あっ……あっ……姫……んっ、ふぁっ……はぁ……はぁ……」 「はぁ……はぁ……すご……きもち……はぁ……はぁ……良かった……です……」 「……はぁ……あ、ああっ……汗……お身体に……はぁはぁ……落として……すみません……」 「姫も……はぁ……はぁ……気持ち良く……んっ、はぁ……はぁ……なってくれたみたいで……はぁ……嬉しい、です……」 「……ふふっ……はぁ……愛おしい人との性行為……本当に……はぁ……幸福です……」 「……姫……はぁ……大好きですよ」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「姫? 私……このまま……裸のまま、一緒に眠りたいのですが……如何でしょう、か?」 「あ、あの、肌寒ければ服を着て頂いてでも、私は変わらず満足ですので大丈夫――んっ」 「姫……姫……」 12_貴女の騎士として。(02:28) 「ふぅ。本日も良い天気ですね、姫」 「荷物も持ちましたし、小屋の中は片付けましたし、立つ鳥後は濁していないはず、ですが……」 「姫? 書置きはともかく……イヤリング、置いて行って良いのですか? 今一度の確認なのですが……」 「はい。お礼、と仰るのであれば……良しとしましょう」 「……わ、私もとても良い想い出が作れましたし……あれぐらいのお礼は当然ですよね」 「では、何も問題はありません。今日も元気に参りましょうか」 「と、その前に」 「姫、お手を」 「私、シオンは騎士として……命ある限り、貴女の傍にお仕えすることを誓います」 「いついかなるときも、心も身体も貴女の傍に」 「ちゅっ」 「あ、あははっ……改めてですと……大分照れますが……全て私の本心です」 「これからの旅路も容易いことではないかと思います。それでも……ともに歩ませて下さい」 「さ、さて! 恥ずかしいことを言ってしまいましたが……さあ、参りましょうか」 「では、姫、お手を」 「どこまでもこうしてお供しますよ。貴女がこの手を放したくなるまで、ずっとずっと、大好きな貴女とどこまでも一緒に」