■シーン1 ;>>SE:列車が駅に滑り込んでくる音 ;>>SE:歩く足音 ;>>SE:改札機にICカードをタッチ ;>>SE:遥が近づいてくる足音 ;>>声:ダミーヘッド位置16(16(遠く)→1へ移動しながら) 【遥】「お待ちしておりました」 ;>>声:ダミーヘッド位置1 【遥】「お帰りなさいませ、坊ちゃん」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「ふむ……」 【遥】「自己紹介いたします」 【遥】「幼い頃、気弱だった坊ちゃんの手を取り、毎日一緒に幼稚園まで通い……」 【遥】「小学校で嫌いな給食が出たときには、別の学年なのに代わりに食べに行き……」 【遥】「私と同じ学校に通いたいという坊ちゃんのために、高校受験でも大学受験でも、手取り足取り勉強を教えていた……」 【遥】「坊ちゃんの家にお仕えしている、メイドの如月遥でございます」 【遥】「いえ、坊ちゃんが口をあんぐりと開けたまま立ち尽くしていたので、すっかり私のことなどお忘れになっているかと思い、ご挨拶を差し上げたまでです」 【遥】「決して坊ちゃんがお屋敷に中々帰ってこないどころか、連絡もたまにしか寄越してこないことを怒っていたとか、ましてや寂しかったなどということは、毛頭微塵もございません」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「なるほど……」 【遥】「坊ちゃんは、私がなぜここにいるかを、不思議がっているご様子」 【遥】「わかりますよ、坊ちゃんのメイドですから」 【遥】「ご自身でおっしゃっていたではありませんか、今日の昼すぎには帰る、と」 【遥】「つまり、朝からお待ちしていれば、確実に坊ちゃんを出迎えられる、というカラクリです」 【遥】「立ち話はここまでにして、お屋敷に向かいましょう」 【遥】「坊ちゃんのご希望で、迎えの車は寄越していません。荷物は私がお預かりします」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「ん……? どうして、渡そうとしないのです?」 【遥】「もしかして、女の私に持たせると、男としての株が下がるとでもお思いですか?」 【遥】「ご立派になられましたね」 【遥】「では、ここは坊ちゃんの男を立てることにいたしましょう」 ;>>小声で独り言 【遥】「……ファッションやアクセサリーの趣味に変化はなく、浮気の線はないようですね。まあ誠実な坊ちゃんに限って、万に一つもないでしょうが」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「いえ、なんでもございません。さあ、参りましょう」 ;>>SE:一緒に歩く ;>>SE:草木が風に揺れる音 ;>>SE:小鳥のさえずり ;>>声:ダミーヘッド位置7(並列) 【遥】「初めての一人暮らしはいかがですか?」 【遥】「炊事、洗濯、掃除……仕事をされながら、全てをご自身でこなすのは、大層大変でしょう」 【遥】「それともまさか、充実しているとでも?」 【遥】「そう思えるのも、今だけです」 【遥】「この生活をこの先、10年も20年も続けていくことになるのですよ?」 【遥】「考えてもみてください。その間に家事に消費される時間を」 【遥】「いえ、別に家事を貶しているわけではありません。むしろ、家事に従事されている方を尊敬しております」 【遥】「私はこの機会に、坊ちゃんにとって効率的な時間の使い方とはなにか、というものをご提案したいのです」 【遥】「坊ちゃんは生まれながらにして、特別な才をお持ちの方です」 【遥】「しかし、仕事と家事に追いやられていては、それを十二分に発揮することはかなわないでしょう」 【遥】「ときには、休息や、趣味に興じるのも大切です」 【遥】「そういった心と身体の安定が、創造力と生産性の向上へと繋がっていくのです」 【遥】「であれば、どうすればいいか」 【遥】「答えは簡単です」 【遥】「坊ちゃんの身の回りのお世話をする方を、傍に置けばよいのです」 【遥】「幸いにして坊ちゃんは、それをいともたやすくかなえられる環境におります」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「もう少し、自分1人の力で頑張ってみたい、という表情ですね」 【遥】「わかりますよ、坊ちゃんのメイドですから」 【遥】「なぜそこまで頑ななのかは存じませんが、私は坊ちゃんのご意思を尊重いたします」 【遥】「ですが、お気持ちが変わったときには、遠慮なく私にご相談ください」 ;>>SE:一緒に歩く 止める ;>>声:ダミーヘッド位置7(向かい合って) 【遥】「とまあ、積もる話をしている間に、お屋敷に着いてしまいました」 【遥】「いかがですか、久しぶりのご実家は」 【遥】「都会と違い、緑が多くて、空気が美味しいでしょう」 【遥】「ここには、坊ちゃんを急かすものはなにもありません」 【遥】「たしかまた、明日は仕事に立たれるのでしたよね?」 【遥】「もう少し、ごゆっくりされてはいかがかとも思いますが……」 【遥】「それまでの間、心のままにお過ごしください」 【遥】「あ……」 ;>>声:ダミーヘッド位置7(向かい合って) 【遥】「1つ、お伝えすべきことを失念しておりました」 【遥】「旦那さまと奥さまは、昨日から海外へクルージングに出かけられました」 【遥】「あわせて、大半の使用人たちにお暇を出されましたので、お屋敷に残っている者は私を含めてわずかです」 【遥】「旦那さまからは、あとは適当によろしく、と仰せつかりました」 【遥】「つまり、坊ちゃんと二人きり、ということです」 ;>>【坊ちゃん】「――」 ;>>声:ダミーヘッド位置7(近く・向かい合って) 【遥】「1つ、先ほどの発言を訂正してよろしいでしょうか?」 【遥】「寂しくなかった、などということはございません」 【遥】「少し、意地悪でしたね、申し訳ございません」 【遥】「この日が来るのを、今か今かと、心待ちにしておりました」 【遥】「もちろん坊ちゃんが健やかに過ごされていたのは喜ばしい事です」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「ですが……私としては寂しい時間でもありました」 【遥】「坊ちゃんのメイド……いえ、メイド兼彼女ですから」 【遥】「だから今日は、スマホのカメラ越しではない坊ちゃんに会えて、とても嬉しいです」 【遥】「お帰りなさい、坊ちゃん」 【遥】「お屋敷にいる間はずっと、坊ちゃんのお世話をさせてくださいね?」 ■シーン2 ;>>声:ダミーヘッド位置9(向かい合って) 【遥】「長旅でお疲れでしょう」 【遥】「坊ちゃんの大好きなスコーンと紅茶をご用意いたしますね」 【遥】「スコーンは今朝、坊ちゃんをお迎えに行く前に私が焼いた手作りですよ」 ;>>SE:紅茶の準備(茶器のカチャカチャ音) ;>>声:ダミーヘッド位置1(右を向いて) 【遥】「茶葉はもちろん、坊ちゃんが愛飲されていたダージリンのF・T・G・F・O・P・1を、この日のために取り寄せました」 【遥】「上質なゴールデンティップをふんだんに含んだ、最高級品です」 【遥】「華やかな香りと、繊細な味わいをお楽しみください」 【遥】「坊ちゃん、私の手元を見て、どうかなさいましたか?」 【遥】「もしかして、紅茶の淹れ方にご関心が……?」 【遥】「お屋敷を出られる前は、微塵も興味がないご様子でしたのに……」 【遥】「それほどまでに、私の淹れた紅茶の香りが、恋しかったとか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 ;>>照れ 【遥】「あ、ぅ……」 【遥】「まさか、素直に頷かれるとは、予想外でした」 【遥】「コホン……いっていただければ、いつでも淹れに行きましたのに」 【遥】「では、お教えしますね。ですが、なにぶん私の独学ですので、お許しください」 【遥】「まず、このようにティーポットとカップをお湯で温めます」 ;>>SE:ティーポットに熱湯を注ぐ ;>>SE:ティーカップに熱湯を注ぐ 【遥】「十分に温まったところで、ポットのお湯を切り……」 ;>>SE:ティーポットの熱湯を捨てる 【遥】「計量した茶葉を入れます」 ;>>SE:茶葉をスプーンですくう 【遥】「ポットは、丸みを帯びたもののほうが、対流しやすいのでオススメです」 【遥】「お湯は、沸騰直後のものを、一気に注ぎます」 ;>>SE:ポットに一気に熱湯を注ぐ 【遥】「あとは、茶葉が蒸れるのをじっくりと待つだけです」 ;>>声:ダミーヘッド位置1(向かい合って) 【遥】「ほら、見てください」 【遥】「茶葉がポットの中でグルグルと踊っているでしょう?」 【遥】「(10秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「ジャンピング、といって、紅茶が本来持っている香りや風味を引き出せるのですよ?」 【遥】「(10秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「こうして、蒸れていく様子をじっくりと眺めるのも、紅茶の楽しみ方の1つですね」 【遥】「(40秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「茶葉が開いているのがわかりますか?」 【遥】「フワフワと揺れ動いて、まるで桜の葉が散っているように美しいと思いませんか?」 【遥】「(10秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「もう少しで、完成です」 【遥】「(40秒程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置1(右を向いて) 【遥】「茶こしを使って、ポットの中の茶殻は全て濾して、もう1つ、別に用意しておいたポットに移し替えます」 ;>>SE:ポットからポットに紅茶を濾す ;>>SE:紅茶をカップに注ぐ 【遥】「こうすることで、時間の経過とともに味に渋みが混ざるのを防ぎ、最後の一滴まで美味しい状態で飲むことができるのです」 【遥】「さあ、できましたよ」 ;>>SE:ティーカップを差し出す音 ;>>声:ダミーヘッド位置1(向かい合って) 【遥】「どうぞ、温かいうちにお召し上がりください」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「食べないのですか?」 ;>>SE:椅子を引く 【遥】「どうしたのですか? 隣の椅子をひいて……」 【遥】「もしかして、私も一緒に食べてよろしいのですか?」 【遥】「ですが、お屋敷での私はメイド……坊ちゃんと食事をご一緒するわけには……」 【遥】「……いえ、そうですね」 【遥】「坊ちゃんのご要望とあらば。坊ちゃんと私は、恋人ですので」 【遥】「私も、坊ちゃんと一緒に、アフタヌーンティーを楽しみたいです」 【遥】「それでは、坊ちゃんの隣に、失礼しますね」 ;>>SE:椅子に座る ;>>声:ダミーヘッド位置3(並列) 【遥】「紅茶もですが、本日のスコーンは自信作です」 【遥】「りんごのジャム、もものジャム、クロテッドクリームも、この日のために準備した私の手作りなのですよ?」 【遥】「坊ちゃんに喜んでいただけると嬉しいのですが……」 ;>>SE:坊ちゃんが紅茶を飲む(カップの音のみ) ;>>SE:坊ちゃんがスコーンを食べる(お皿の音のみ) ;>>声:ダミーヘッド位置3(向かい合って) 【遥】「あ……」 【遥】「坊ちゃん、そんなに慌てて食べなくとも、紅茶もスコーンも逃げていきませんよ」 【遥】「ほら、欠片がズボンに落ちてしまっているじゃないですか」 ;>>声:ダミーヘッド位置3(下を向いて) 【遥】「動かないでください」 ;>>SE:布巾で食べクズを拾う 【遥】「こういうところは、以前と変わっていませんね」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「いえ、馬鹿になどしていませんよ」 ;>>声:ダミーヘッド位置3(向かい合って) 【遥】「実のところ……少し、安心しました」 【遥】「しばらく会わない間に、私の知っている坊ちゃんではなくなっていたらどうしよう、というようなことを考えていましたので」 【遥】「『男子三日会わざれば刮目してみよ』という故事成語もございますから」 【遥】「今まさに、杞憂に終わったわけですが」 【遥】「やはり坊ちゃんは、私の知っている坊ちゃんでした」 【遥】「ですが、顔つきは少し、凜々しくなったように思います」 【遥】「一人暮らしをはじめた、たまものでしょうか」 【遥】「ですが、いくら端正な顔つきも、口のそばに食べカスをつけていては、台無しになってしまいますよ?」 【遥】「私がとって差し上げます」 【遥】「じっと、していてください」 ;>>声:ダミーヘッド位置3(近く) 【遥】「……(顔を近づける息遣いをお願いいたします)」 【遥】「……ちゅっ」 【遥】「坊ちゃんの汗で、少しだけしょっぱいですね。こういうスコーンも、たまにはありかもしれません」 ;>>【坊ちゃん】「――」 ;>>声:ダミーヘッド位置3(向かい合って) 【遥】「坊ちゃんは今、内心でとても恥ずかしがっていますね?」 【遥】「わかりますよ、坊ちゃんのメイド兼彼女ですから」 【遥】「いっておきますが、先ほどのは、坊ちゃんだけの、一度きりの特別サービスです」 【遥】「“わざと”食べカスをつけても、二度目は普通に布巾で拭います」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「そう露骨に残念な顔をしないでください」 【遥】「まだ帰ってきたばかりじゃないですか」 【遥】「まずはゆったりと、アフタヌーンティーをしながら、会話を楽しみませんか?」 【遥】「坊ちゃんの仕事のこと、一人暮らしのこと、色々と聞かせてください」 ;>>声:ダミーヘッド位置3(並列) ;>>小声で独り言 【遥】「……そうでもしないと、私も心臓が高鳴り続けて、平静を装うのが大変ですから」 ■シーン3 ;>>声:ダミーヘッド位置10 【遥】「小腹が満たされたところで、露天風呂で旅の疲れを癒やされてはいかがでしょう?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃんがそういうだろうと思い、すでに準備を整えております」 ;>>声:ダミーヘッド位置2 【遥】「替えのお召し物とバスタオルは、私がお持ちしますね」 【遥】「それでは、参りましょう」 ;>>時間経過 ;>>SE:露天風呂 ;>>SE:小鳥のさえずり ;>>声:ダミーヘッド位置12 【遥】「いかがですか、久しぶりのお屋敷の露天風呂は」 【遥】「坊ちゃんが一人暮らしをされている部屋は、ユニットバスでしたね?」 【遥】「以前メッセージで、思いっきり足を伸ばして入りたい、と嘆かれていましたので、今日は思う存分この開放感をご堪能ください」 ;>>【坊ちゃん】「――」 ;>>声:ダミーヘッド位置11 【遥】「ふむ……」 【遥】「なぜ私が一緒に入っているのか、不思議なご様子」 【遥】「もちろん、坊ちゃんのお背中をお流しするために決まっております」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃんの、何事も1人でこなしたいというお気持ちも、わかります」 【遥】「ですが、ご実家にいらっしゃる間くらいは、私に身の回りの全てを任せ、ゆるりとお過ごしいただきたいのです」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「ご理解いただけてなによりです。では、こちらにお座りください」 ;>>声:ダミーヘッド位置2 【遥】「こちらの石けんは、坊ちゃんのために私が手作りした、特別製です」 【遥】「ラノリンという、羊から採れる動物性のオイルを配合していて、保湿性は抜群です」 【遥】「万が一にも坊ちゃんのお肌に傷がつかないよう、こちらを丁寧に丁寧に泡立ててまいります」 ;>>SE:泡立てる音 【遥】「(10秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「はい、十分泡立ちましたので、この泡で洗っていきますね」 ;>>声:ダミーヘッド位置4(近く) ;>>SE:石けんで身体を洗う 【遥】「(40秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃんは石けんの起源をご存じですか?」 【遥】「諸説あって、バビロニア人が作ったとも、古代ローマ人が作ったとも、メソポタミア人が作ったともいわれています」 【遥】「動物性の脂肪と木の灰、それに水が混ざることで、汚れを落とせると発見したのが石けんの始まりだそうです」 【遥】「もっとも当時は、身体を洗う、というよりは、物を洗ったり、皮膚疾患などの医療のために使われていたそうですが」 【遥】「こうして坊ちゃんの身体を洗えるのですから、その方たちに感謝しなければいけませんね」 ;>>声:ダミーヘッド位置6(近く) ;>>SE:石けんで身体を洗う 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「それにしても、坊ちゃんはたくましくなられましたね」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「体つきが、です」 【遥】「これも、一人暮らしのたまものでしょうか、すっかり大人の男性ですね」 【遥】「職場でも、大層おモテになるのではないですか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「もし、坊ちゃんを放っておくような女性がいれば、その方の目は節穴です」 【遥】「ですが、坊ちゃんと私の日々には、波風を立てていただきたくないものですね」 【遥】「はい、隅々まで洗い終わりました。それでは身体を流してまいります」 ;>>SE:桶でお湯をかけて泡を流す(体) ;>>声:ダミーヘッド位置5 【遥】「さあ、続けて髪の毛も洗いましょうか」 【遥】「頭皮のマッサージもかねて、丹念に洗わせていただきます」 ;>>SE:シャンプーで髪の毛を洗う 【遥】「(30秒程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置5(近く) 【遥】「坊ちゃん、かゆいところなどはございませんか?」 【遥】「ご要望があれば、遠慮なく、なんでもおっしゃってください」 ;>>声:ダミーヘッド位置5 【遥】「(30秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「少しだけ、頭頂部が硬くなっているようです」 【遥】「もしかして、仕事で疲れやストレスが溜まっておいでで?」 【遥】「もし仕事が嫌になったときは、いつでも辞めて、お屋敷に帰ってきてくださっていいのですよ?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「どうやら、坊ちゃんの意思は固いようですね」 【遥】「かしこまりました」 【遥】「では優しく、しっかりともみほぐしておきます」 ;>>SE:シャンプーで髪の毛を洗う 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃん、泡を洗い流しますので、少しの間、目をつむっていただけますか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃんは素直ですね」 【遥】「目をつむって背中を向けるなど、何でもしてくださいといっているようなものですよ?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「もしかして今、なにかを期待しましたか?」 【遥】「それとも、私の思い過ごしでしょうか?」 【遥】「流していきますね」 ;>>SE:桶でお湯をかけて泡を流す(頭) 【遥】「前髪から滴が滴ってしまいましたね」 ;>>声:ダミーヘッド位置5(5→7→1に移動しながら) 【遥】「お顔を拭いましょう」 ;>>声:ダミーヘッド位置1(近く) ;>>SE:顔をタオルで拭う 【遥】「ふわふわで、心地よくありませんか?」 【遥】「はい、綺麗になりました」 ;>>声:ダミーヘッド位置1 【遥】「それでは、露天風呂でごゆるりと羽を伸ばしてください」 ;>>SE:足音(裸足・2人) ;>>SE:露天風呂に入る ;>>声:ダミーヘッド位置9 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「私も、入ってよろしいのですか?」 【遥】「それでは……失礼いたします」 ;>>SE:露天風呂に入る ;>>声:ダミーヘッド位置7(並列) ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃん、気持ちよさそうな声が出ていますよ」 【遥】「坊ちゃんとこうしてお風呂に入るのは、いつ以来でしょう?」 【遥】「幼い頃は毎日のように一緒に入っていたのに、思春期を迎えたあたりからは、1人で入る、と私を拒まれましたよね?」 【遥】「今だからいえますが、寂しかったのですよ?」 【遥】「坊ちゃんの成長は、もちろん嬉しかったのですが……」 ;>>声:ダミーヘッド位置7(向かい合って) 【遥】「あの、坊ちゃん……」 【遥】「もう少し、坊ちゃんのお傍に寄っても、よろしいでしょうか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「ありがとうございます」 ;>>SE:湯船の中を移動 ;>>声:ダミーヘッド位置7(近く) 【遥】「……(嬉しそうな吐息)」 【遥】「坊ちゃん……」 ;>>SE:湯船の中で腕組み 【遥】「先ほどは、“なにか”を期待されていたようですし」 【遥】「ご期待に添えるのも、メイドの役目ですので……」 【遥】「……腕組みくらいはいいですよね?」 【遥】「坊ちゃんと私は、恋人同士なのですから」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃん……、坊ちゃんは恐らく、自立しようと一人暮らしを選ばれたのだと思います」 【遥】「お屋敷では、旦那さまと奥さまに、これでもかというほど可愛がられておりましたから」 【遥】「それで、お屋敷にもほとんどお顔をお見せにならないのですよね?」 【遥】「ですが、仕事でツラいことがあったときなどは、いつでも帰ってきてください」 【遥】「私、毎日ここの掃除をしているんです」 【遥】「坊ちゃんがいつ帰ってきてもいいように……。気持ちよく入っていただけるように……」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「このような些末なことでしか坊ちゃんのお役に立てませんが……」 【遥】「メイドとして、恋人として、いつでも私に頼っていただいていいのですよ?」 【遥】「私はいつでも、坊ちゃんの帰りを、ここでお待ちしております」 ■シーン4 ;>>声:ダミーヘッド位置10 【遥】「湯上がりのバスローブ姿も、とても様になっております。さすが坊ちゃんですね」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「いえ、からかってなどおりません」 【遥】「私が坊ちゃんに嘘をついたことがありますか?」 【遥】「坊ちゃんには、偽りのない、謙虚で誠実な男性になっていただきたいと、幼い頃より、常日頃接してきました」 【遥】「その自信のなさは改善の余地があるかと思いますが、それ以外はどこに出しても恥ずかしくない、立派な男性になられました」 【遥】「誇っていいのですよ?」 ;>>声:ダミーヘッド位置10(10→2へ移動しながら) 【遥】「こういうときは、自信と余裕を持った笑みを浮かべて、『ありがとう』のひと言でよろしいのです」 ;>>声:ダミーヘッド位置2 【遥】「ほら、おっしゃってみてください。『ありがとう』」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「まだ少々、自信のなさがうかがえますね」 【遥】「もう一度、おっしゃってみてください。『ありがとう』」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「先ほどよりはよくなりましたが、あと一歩というところですね」 【遥】「わかりました。今の坊ちゃんは恐らく、慣れない一人暮らしで、大層疲弊されているのでしょう」 【遥】「身体の疲れは心の疲れであり、逆もまたしかりです」 【遥】「坊ちゃんに、自信と余裕のある男性になれるよう、私が誠心誠意、真心を込めて、坊ちゃんの心と身体を癒やさせていただきます」 【遥】「さあ坊ちゃん、バスローブを脱いで、ベッドに横になってください」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「なにを恥ずかしがっているのですか。屋敷を出て行かれる前は、よくして差し上げたことですよ?」 【遥】「ためらう必要など、どこにもないではないですか」 ;>>声:ダミーヘッド位置2(2→1へ移動しながら) 【遥】「仕方ありません。私が脱衣のお手伝いをいたしますので、こちらを向いてください」 ;>>SE:バスローブを脱がす ;>>声:ダミーヘッド位置1 ;>>恥ずかしい 【遥】「…………」 【遥】「……やはり、ずいぶんとたくましい身体つきになられましたね」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「コホン……いえ、お気になさらず」 【遥】「では、少しお待ちください」 ;>>SE:ベッドにバスタオルを引く ;>>声:ダミーヘッド位置9 【遥】「さあどうぞ。バスタオルを敷きましたので、この上にうつ伏せになってください」 ;>>SE:足音(ベッドへ移動) ;>>SE:ベッドにうつ伏せに寝る ;>>声:ダミーヘッド位置13 【遥】「坊ちゃんの心と身体に休息を与えられるよう、ゆったりとオイルマッサージをさせていただきます」 【遥】「マッサージオイルは、坊ちゃんのために私が特別に配合した、オリジナルです」 ;>>SE:ビンの蓋を開ける ;>>声:ダミーヘッド位置5 【遥】「坊ちゃんは、この香りがお好きでしたよね?」 【遥】「どうぞ今日は、マッサージだけでなく、香りもお楽しみください」 【遥】「まずは……坊ちゃんのお肌がビックリしてはいけませんから、念入りにオイルを温めてまいりますね」 【遥】「もちろん、私の手のひらで、です」 ;>>声:ダミーヘッド位置3 【遥】「よぉく見ててください。垂れたオイルを、こねていきますよ」 ;>>SE:オイルをねちゃねちゃ 【遥】「(10秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「こうやってゆっくりこねていくと、徐々にちょうどいい温かさになっていくのです」 ;>>SE:オイルをねちゃねちゃ 【遥】「(40秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃん、なんだか顔が赤くなっていませんか?」 【遥】「はっきりとわかりますよ」 【遥】「耳まで赤くして、可愛いですね」 【遥】「坊ちゃんがもう少し見ていたいようなので、いつもより多めにこねましょうか」 【遥】「私の肌で、じっくりと人肌の温かさになるまで……」 ;>>SE:オイルをねちゃねちゃ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置3(3→5へ移動しながら) 【遥】「さあ坊ちゃん、準備が整いました」 【遥】「ご安心ください、十分に、人肌で温まっております」 【遥】「それでは、両方のおみ足に塗ってまいりますね」 ;>>声:ダミーヘッド位置5(しゃがんで) ;>>SE:オイルを足に塗る 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「感じますか、私の肌の温度……」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「イヤらしいとは心外ですね。坊ちゃんの思考を読んだまでです」 【遥】「それとも、私の読み間違いでしたか?」 【遥】「言い訳でしたら、いくらでも受け付けて差し上げます」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「そうですか。では、そういうことにしておきましょう」 【遥】「塗り終わりましたよ」 【遥】「それでは、坊ちゃんの足の指先から足の甲……ふくらはぎ、膝、太ももに至るまで、左足からしっかりとほぐしてまいりますね」 【遥】「最初は、足先から……」 ;>>声:ダミーヘッド位置4(しゃがんで) ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「足の指の間の隅々まで、私の指でマッサージされて、くすぐったいですか?」 【遥】「しっかりとほぐしていくと宣言したばかりじゃないですか」 【遥】「坊ちゃんの疲れを癒やすためです。少しだけ、我慢しててください」 【遥】「足の甲から足首も、たっぷりオイルを塗り込んで、撫でていきます」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「いかがですか、久しぶりの、私のオイルマッサージは? 昔を、思い出してきましたか?」 【遥】「坊ちゃんの足は、ずいぶんと男らしくなりましたね。以前は、もっと細かったように思います」 【遥】「それだけ、一人暮らしを頑張っているということですか」 【遥】「坊ちゃん、少し指先に力を入れて、膝に向けて流していきますね」 ;>>声:ダミーヘッド位置4(しゃがんで、上の方を向いて) ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「おや、ふくらはぎがパンパンに張っておりますね」 【遥】「もしや仕事で、外回りばかりさせられているのではないですか?」 【遥】「まさか坊ちゃんのお家柄、お人柄を羨む誰かが命令して、強制的に身体を痛めつけようなどと考えて……?」 【遥】「もしそうなのであれば、少々問題があるように見受けられますね。そういう会社は早々に辞めて、お屋敷に帰ってきてもよろしいのですよ?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「なるほど、私の思い過ごしでしたか、安心しました。毎日、自転車で通勤してることが原因だったのですね」 【遥】「ですが、会社から交通費は支給されてるのですよね? どうしてそのようなことを……」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「まあ坊ちゃんにも、私に秘密にしたいことの1つや2つはあるでしょう。これ以上は聞かないでおきます」 【遥】「それでは、太もももしっかりとほぐしてまいりますね」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「別に、坊ちゃんが教えてくれなかったからといって、怒ってなどおりませんよ?」 【遥】「揉み方が強くなったと思うのでしたら、それは坊ちゃんの気のせいです」 【遥】「左足は、これくらいでいいでしょう」 【遥】「次は、右足をしていきます」 ;>>声:ダミーヘッド位置6(しゃがんで) 【遥】「今度も、足先からほぐしてまいりますね」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「……申し訳ございません」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「先ほどのことです」 【遥】「怒ってないのは本当ですが、拗ねてはおりました」 【遥】「私はいつしか、坊ちゃんの全てを知り尽くした気分になっておりました」 ;>>メイド面:めいどづら 【遥】「ええはい、専属メイド面、と書いて、“かのじょづら”と読むやつです」 【遥】「ですが、私にも知らない坊ちゃんの一部があるのだな、と……」 【遥】「いえ、坊ちゃんが一人暮らしをされてからますます、知らない坊ちゃんが増えているように思います」 【遥】「そのことが私に、どうしようもない歯がゆさを感じさせるのです」 【遥】「……いえ、今のことは忘れてください」 【遥】「こちらのふくらはぎも張っておりますね。入念にもみほぐしておきましょう」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「こうしてもみほぐすことで、足のむくみやコリを解消することができるのです……って、お屋敷を出て行かれる前にも同じ話をしたことがありましたね」 【遥】「このマッサージはセルフでもできるとお教えしたはずですが、この様子だとサボっていましたか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「やはり、坊ちゃんは私がいないといけませんね」 【遥】「さあ、最後の太ももも、精一杯マッサージさせていただきます」 ;>>声:ダミーヘッド位置6(しゃがんで、上の方を向いて) ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「だいぶ、こわばっていた足がほぐれてきたのではないですか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃんにご満足していただけてなによりです」 ;>>声:ダミーヘッド位置7 【遥】「それでは、背中もしてまいりますね」 【遥】「先ほどと同じように、手のひらでオイルを温めて……」 ;>>SE:オイルをねちゃねちゃ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「さあ、私の肌の温度まで温まりましたよ」 ;>>声:ダミーヘッド位置7(7→5へ移動しながら) 【遥】「背中に、失礼いたします」 ;>>声:ダミーヘッド位置5 ;>>SE:オイルを背中に塗る 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「これは、困りました……」 【遥】「坊ちゃんの背中が広いので、一度のオイルでは足りませんでしたね」 【遥】「もう一度、オイルを温めましょう」 【遥】「どうやら坊ちゃんも、私がオイルをこねる音がお気に入りのようですし」 【遥】「口にしなくとも、顔を見ればわかります」 ;>>声:ダミーヘッド位置5(5→7へ移動しながら) 【遥】「さあ、思う存分、ご堪能ください」 ;>>声:ダミーヘッド位置7 ;>>SE:オイルをねちゃねちゃ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「先ほどより量を多くしたので、温めるのに少し時間がかかりますね」 ;>>SE:オイルをねちゃねちゃ 【遥】「(10秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃん、お顔がとろんとしておりますよ」 【遥】「この人肌に温まったオイルでマッサージされる事を想像しているのですね」 【遥】「もう少しだけ、お待ちくださいね」 ;>>SE:オイルをねちゃねちゃ 【遥】「(40秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「はい、たっぷりとこねさせていただきました」 【遥】「坊ちゃんもご満悦なようでなによりです」 【遥】「ですが、あくまで余興ですので、これで満足してもらっては困りますよ?」 ;>>声:ダミーヘッド位置7(7→5へ移動しながら) 【遥】「背中の残りも、塗っていきますね」 ;>>声:ダミーヘッド位置5 ;>>SE:オイルを背中に塗る 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「準備が整いました。腰から、ほぐしていきましょうか」 【遥】「まずは背骨の中心から、左右に開くように、手のひら全体を使って、揉み込んでいきます……」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃんは、デスクワークもされているのですよね?」 【遥】「1日中、椅子に座ったままという日もあるのではないですか?」 【遥】「きっと、相当腰に負担がかかっているはずです」 【遥】「もしかして、今も腰が痛いのでは?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「やはり、そうなのですね」 【遥】「ですが、ご安心ください。坊ちゃんの心と身体に安らぎを与えるのが、私の役目です」 【遥】「きちんとケアして、万全の体調で坊ちゃんを送り出します」 【遥】「次は、先ほどより少し外側をほぐしていきますよ」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「さらに指先も使って、押し込むように揉みほぐしていきますね」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「腰の具合はいかがですか? 少しは痛みが和らぎましたか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「そうですか。ですが、あまりご無理はなさらないでください」 【遥】「続いて、肩もほぐしていきましょう」 【遥】「この感じだと、肩こりもひどいのではないですか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「しっかり、肩こりも解消しておきましょう」 【遥】「まずは肩甲骨です。首側から、肩甲骨に添って、下に向かって流していきます」 【遥】「同時に、坊ちゃんのコリのポイントも探っていきますね」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃん、肩甲骨の少し内側の、このあたりが凝っていませんか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「触って、すぐに気づきました」 【遥】「坊ちゃんのことですから、なおさらですね」 【遥】「一般的にも、コリが溜まりやすいポイントだそうです」 【遥】「ここは重点的に、ほぐしておかないといけませんね」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置5(近く) 【遥】「気持ちよすぎて、眠くなってきましたか?」 【遥】「お疲れでしょうし、どうぞお休みになってください」 【遥】「何だか、寝てしまっては勿体ない、というお顔ですね」 【遥】「坊ちゃんのことでしたら、何でもわかりますよ」 【遥】「少し、うぬぼれてしまってもよろしいでしょうか?」 【遥】「私との時間を大切にしてくださって、ありがとうございます、坊ちゃん」 ;>>声:ダミーヘッド位置5 ;>>恥ずかしい 【遥】「ま、まだコリが残ってますね。徹底的にほぐしておきましょう」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「だいぶ柔らかくなりました」 【遥】「肩のコリ、少し良くなったのではないですか?」 【遥】「坊ちゃんのお役に立てて嬉しいです」 【遥】「最後に、肩甲骨から腰にかけて、そして、肩から肘にかけて、背中全体をじっくりと流していきます」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「はい、これで背中は終わりです」 【遥】「ですが、まだ終わりではございません」 【遥】「最後の最後に、手のマッサージもしておきましょう」 ;>>声:ダミーヘッド位置5(5→3へ移動しながら) 【遥】「また、オイルを温めてまいります」 ;>>声:ダミーヘッド位置3 ;>>SE:オイルをねちゃねちゃ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃんは呆れるほど、この音が好きなのですね」 【遥】「それとも、好きなのは、オイルをこねている私の姿でしょうか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「本当に、坊ちゃんはいやらしいですね」 【遥】「ですが、そういう素直なところは、私の知っている坊ちゃんのままです」 【遥】「さあ、温め終えましたので、まず左の腕をこちらに差し出してください」 ;>>声:ダミーヘッド位置4 ;>>SE:オイルを手に塗る 【遥】「(30秒程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置4(4→6へ移動しながら) 【遥】「右の方にもぬっていきます」 ;>>声:ダミーヘッド位置6 ;>>SE:オイルを手に塗る 【遥】「(30秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「はい、どちらの腕にも塗り終わりました」 【遥】「腕も疲れが溜まっているでしょう。しっかりとほぐして、血流をよくしていきましょう」 【遥】「右の手首から肘に向かって、手のひらでマッサージしていきます」 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「やはり、だいぶ疲れが溜まっていたようですね」 【遥】「デスクワークですと、腕も酷使しますからね。入念にケアしておきした」 ;>>声:ダミーヘッド位置6(6→4へ移動しながら) 【遥】「では、反対側の腕も同じように、肘に向かって流していきますね」 ;>>声:ダミーヘッド位置4 ;>>SE:オイルマッサージ 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「少し、血流が良くなってきた感じがしませんか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「身体の内側がポカポカしているようでしたら、その証拠です」 【遥】「坊ちゃんの指先も、マッサージしましょう」 【遥】「もう、オイルは温めなくても構いませんね。私の手のひらに、じっとりと染みこんでおりますから」 ;>>声:ダミーヘッド位置4(4→6へ移動しながら) 【遥】「それでは、右手から」 ;>>声:ダミーヘッド位置6 【遥】「坊ちゃんの男らしい手のひらから、指の1本1本まで、丁寧にほぐしていきますね」 ;>>SE:オイルマッサージ(右手のやつ使ってください) 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「手のひらは、こうして親指で押してマッサージすると、気持ちよくありませんか?」 【遥】「特に厚くなっている部分は懲りやすいですからね、しっかりとほぐしておきました」 ;>>声:ダミーヘッド位置6(6→4へ移動しながら) 【遥】「同じように、左手もしていきましょう」 ;>>声:ダミーヘッド位置4 ;>>SE:オイルマッサージ(左手のやつ使ってください) 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「なんだか、こうしていると恋人繋ぎをしているようですね」 【遥】「私としたことが、少々ロマンチストでしたか……」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「……!」 【遥】「坊ちゃん……今はマッサージ中ですよ?」 【遥】「本当に恋人繋ぎをしてしまっては、私の指が動かせません」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「別に、嫌ではありません……」 【遥】「その、むしろ、どちらかといえば……歓迎、といいますか……」 【遥】「ですが、今は」 【遥】「……メイドとして、恋人として、最後まで、坊ちゃんのお世話を全うさせてください」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「ありがとうございます、坊ちゃん」 【遥】「続けますね?」 ;>>SE:オイルマッサージ(左手のやつ使ってください) 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置3 【遥】「お疲れさまでした。これでマッサージは終了です」 【遥】「先ほどよりも、健やかなお顔だちですね」 【遥】「それでは……」 ;>>SE:手を繋ぐ(衣擦れ) ;>>SE:手を繋ぐ(オイル音) ;>>声:ダミーヘッド位置3(近く) ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「恋人繋ぎですよ。坊ちゃんが先ほどしてくれたではありませんか。マッサージはもう終わりましたから……」 【遥】「オイルまみれの手は、嫌でしたか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「でしたら、勇気を出して、よかったです。こういうことは、いつも坊ちゃんからしてくれますので」 【遥】「坊ちゃん専用の特製マッサージは、いかがでしたか?」 【遥】「もちろん、坊ちゃんのご希望とあらば、出張メイドマッサージも承りますよ」 【遥】「今日のように、疲れたと感じたときは、いつでもおっしゃってください」 ;>>声:ダミーヘッド位置3 ;>>小声 【遥】「……用がなくとも歓迎ですが」 【遥】「いえ……」 【遥】「坊ちゃん、耳かきをさせていただいてもよろしいですか?」 【遥】「身体だけでなく、坊ちゃんの隅々まで、癒やしたいのです」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「ありがとうございます。坊ちゃんからお礼の言葉までいただけるとは、感無量です」 ■シーン5 ;>>声:ダミーヘッド位置9 【遥】「坊ちゃんのお耳をケアする準備が整いました」 【遥】「さあ、こちらへどうぞ」 【遥】「私の太ももに頭を預けて、左耳をこちらに向けてくださいますか」 ;>>SE:足音 ;>>SE:膝枕(衣擦れ) ;>>声:ダミーヘッド位置11 【遥】「ありがとうございます」 【遥】「それでは、坊ちゃんのお耳をチェックいたします」 ;>>声:ダミーヘッド位置3 【遥】「ふむ……ふむ……」 【遥】「坊ちゃん……しばらく、お耳のお掃除をサボっていましたね?」 【遥】「慣れない一人暮らしで、致し方ない部分もあるかとは存じます。慌ただしい日々の中、中々細やかなところにまで気を配れないのでしょう」 【遥】「申し訳ございません。やはり、坊ちゃんがお屋敷を出て行かれるときに、私がお供するべきでした」 【遥】「ですが、気に病んでもどうしようもありません」 【遥】「せめて坊ちゃんがお屋敷におられる間は、全て私にお任せください」 【遥】「まずは、お耳の表面のケアからはじめましょう」 【遥】「お耳の汚れといえば、真っ先に穴の中を連想すると思いますが、意外にも、表面にも汚れがついているのですよ?」 【遥】「こちらの綿棒と、専用のローションを使って、お掃除していきます」 【遥】「万に一つでも、坊ちゃんのお耳に傷をつけるようなことがあってはいけませんので……」 ;>>SE:綿棒にローションを数滴垂らす ;>>声:ダミーヘッド位置11 【遥】「綿棒の先に、適量のローションを垂らして……」 【遥】「坊ちゃんは、身体の力を抜いて、リラックスしていてください」 【遥】「ローションを染みこませた綿棒で、お耳の表面を、やさしく、やさしく、擦っていきます」 ;>>SE:綿棒で耳の表面を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「やはり、少しばかりお耳の汚れが目立つようですね」 【遥】「ですが、気にする必要はありません」 【遥】「それだけ、坊ちゃんが一人暮らしも仕事も、頑張ってきたということでしょう?」 【遥】「それは、坊ちゃんが汗水を垂らしてきた証……尊いものなのです」 【遥】「それに、坊ちゃんの身だしなみを整えるのが私の役目……」 【遥】「いえ、生き甲斐なのです」 【遥】「ですのでむしろ、感謝させてください」 【遥】「では、続きをしてまいりますね。やさしく、やさし〜く、です」 ;>>SE:綿棒で耳の表面を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃん、かゆいところなどはございませんか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「なるほど、このあたりが少し気になるのですね」 【遥】「このローションには、お耳を清潔に保つほか、かゆみを抑える効果もあるのですよ?」 【遥】「汚れはだいぶ落ちましたが、気になるところを重点的にケアしておきましょう」 ;>>SE:綿棒で耳の表面を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置3 【遥】「いかがですか? かゆみはおさまりましたか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「どうやらもう大丈夫なようですね。お耳の表面のケアはこれくらいにしておきましょう」 【遥】「あまりやりすぎて傷がついてしまっては大事ですからね」 ;>>声:ダミーヘッド位置11 【遥】「耳の穴は、こちらの耳かきを使ってしていきます」 【遥】「見覚えがありますか?」 【遥】「坊ちゃんがお屋敷にいた頃に使っていた耳かきです」 【遥】「お屋敷を出て行かれたあとも、またこういう機会が巡ってくるだろうと期待して、大切にとっておりました」 【遥】「あの頃と同じように、まずは入り口の浅いところから……」 【遥】「撫でるように、丁寧にしていきますね」 ;>>SE:耳かきで耳の入り口を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「さっそく、耳垢がとれました」 【遥】「相変わらず、小さくて可愛い耳垢ですね」 【遥】「ふふっ」 【遥】「ああ、いえ、失礼いたしました」 【遥】「小さかった頃の坊ちゃんは、そういうと必ず『可愛くない!』と拗ねられていたのを思い出しまして」 【遥】「坊ちゃんもれっきとした男の子なのだと、感心したものです」 【遥】「ですが今は、平然としておられますね。それだけ、大人になったということでしょうか」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「あ、動いてはいけませんよ? まだ、お耳のお掃除の途中です」 ;>>SE:耳かきで耳の入り口を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃん、何を恥ずかしそうにされているのですか?」 【遥】「もしかして、ずっと私に膝枕をされていることに対してでしょうか?」 【遥】「きっと、独り立ちされた坊ちゃんには、社会的な立場というものができたのでしょうね」 【遥】「ですが今は、誰も見ておりません」 【遥】「二人きりのときくらい、思い切り私に甘えてくれていいのですよ?」 【遥】「そのほうが、私も嬉しいです」 【遥】「あ、入り口のところに、まだ少し残っているようです。綺麗にしてしまいますね」 ;>>SE:耳かきで耳の入り口を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「はい、これで浅いところは綺麗になりました」 【遥】「奥の方にも耳垢があるようですので、そちらもお掃除していきますね」 【遥】「先ほどより、ほんの少し、奥までです」 【遥】「あまり奥までやりすぎると、坊ちゃまの大切なお耳を傷つけてしまうかもしれません」 【遥】「もし、万が一にも、少しでも痛みを感じるようなことがあれば、すぐにおっしゃってください」 【遥】「羽毛が触れるように、ソフトタッチで、慎重にやってまいります」 ;>>SE:耳かきで耳の奥を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「どうやら、痛みはないようですね」 【遥】「坊ちゃんがじっとしてくれていたので、安全に耳垢をとることができました」 【遥】「ありがとうございます」 【遥】「おや、こちらの壁にもついていますね」 【遥】「もうしばらくそのまま、リラックスしていてください」 ;>>SE:耳かきで耳の奥を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置3 【遥】「少し、くすぐったかったですか?」 【遥】「坊ちゃんは昔から、ここが弱かったですね」 【遥】「そのくせ、もっと強く掻いてくれとせがまれてしまって……」 【遥】「『傷になるのでいけません』と、何度も申し上げましたのに……」 【遥】「もしかして、また強く掻いて欲しいのですか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「仕方ありませんね。本当に傷になってしまうといけませんから、少しだけですよ?」 ;>>声:ダミーヘッド位置11 ;>>SE:耳かきで耳の奥を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「いかがでしょうか?」 【遥】「気持ちよかったですか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「それは、よかったです」 【遥】「目に見える耳垢も、安全に全て取り除くことができました」 【遥】「坊ちゃんが協力してくれたおかげです」 【遥】「では、こちらのふわふわで仕上げをしていきましょう」 ;>>SE:梵天で耳の中を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃんは、これでお耳の中を撫でられるのが好きでしたね」 【遥】「気持ちよさそうに目を細められていたのを、覚えています」 【遥】「その姿はまるで、日向ぼっこをする猫のようで、大変愛おしかったです」 【遥】「今ではすっかり大きくなって、頭さえ私の太ももにおさまりきらないくらいですが」 【遥】「なんだかこのふわふわが、猫じゃらしのように思えてきましたね」 【遥】「猫さんをもう少しからかってしまいましょうか」 ;>>SE:梵天で耳の中を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「お疲れさまでした」 【遥】「これで、坊ちゃまのお耳には、チリひとつございません」 【遥】「それでは次は、反対側のお耳を――」 【遥】「え? まだしてほしいのですか?」 【遥】「ですが、もうお耳は綺麗になりましたし……」 ;>>どうしようか考えている吐息 【遥】「…………」 【遥】「それでは、こういうのはいかがでしょう?」 ;>>声:ダミーヘッド位置3(耳元で) ;>>耳の中に息を吹き込む 【遥】「ふーーっ」 ;>>声:ダミーヘッド位置3 【遥】「あ、申し訳ございません……驚かせてしまいましたか?」 【遥】「坊ちゃんが昔、お耳の中に私の息を吹き込むと、くすぐったそうに笑っていたのを思い出しまして……」 【遥】「私を驚かそうと狸寝入りをしている坊ちゃんに、私がイタズラを仕返したことがきっかけでしたね」 【遥】「さすがに、この年ではお嫌でしたか」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「もしかして、もっとしてほしいのですか?」 【遥】「わかりました。メイドとしてはあるまじき事ですが、私も昔の悪戯心がわいてきてしまいました」 ;>>声:ダミーヘッド位置3(耳元で) ;>>耳の中に息を吹き込む 【遥】「ふーっ……ふーっ……ふーっ……」 【遥】「嬉しそうにはしてくださいますが、笑ってはくださらないのですか?」 【遥】「私は、坊ちゃんの笑ったお顔が見たいのに……」 【遥】「それとも、笑わせてみろ、という挑戦状でしょうか」 【遥】「そうであれば、受けざるを得ません」 ;>>耳の中に息を吹き込む 【遥】「ふーっ……ふーっ……ふーっ……」 【遥】「表情がピクリとも動かなくなってしまいました……」 【遥】「これくらいでは足りないということですか」 【遥】「では、今度は少し長めに……」 ;>>耳の中に息を吹き込む 【遥】「ふーーーっ……ふーーーっ……ふーーーっ……」 【遥】「笑ってくださいましたね」 ;>>声:ダミーヘッド位置3 【遥】「坊ちゃんの笑顔は、いつも周囲を和やかで、優しい気持ちにさせてくれるのです」 【遥】「私も、そういう坊ちゃんだからこそ、心からお仕えしたいと思えたのですよ」 【遥】「坊ちゃんが私に向けてくださる笑顔は、どれも私の宝物です」 ■シーン6 ;>>声:ダミーヘッド位置11 【遥】「さあ、では右耳をしていきましょう」 【遥】「グルリと身体を反対側に向けて、右耳をこちらに向けてくださいね」 ;>>SE:頭と身体を反対側に向ける(衣擦れ) ;>>声:ダミーヘッド位置15 【遥】「ありがとうございます」 【遥】「さて……こちらもまずは、お耳の表面からケアしていきましょうか」 ;>>SE:綿棒にローションを数滴垂らす 【遥】「綿棒に、ローションを垂らして……」 【遥】「お待たせいたしました。それでは、はじめていきますね」 ;>>SE:綿棒で耳の表面を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃん……1つ、お尋ねしたいのですが」 【遥】「坊ちゃんは、誰か他の方に、こうして耳かきをしてもらった経験はございますか?」 【遥】「都会には、耳かきを専門に行うお店があると、聞いたことがあります」 【遥】「坊ちゃんも、もしかしたら、そういうお店に通われているのかと……」 【遥】「ああ、いえ、申し訳ございません。出過ぎた発言でした……続けますね」 ;>>SE:綿棒で耳の表面を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「え、耳かきの専門店には通われたことがないのですか?」 【遥】「そうですか……」 【遥】「坊ちゃんのお耳のケアは、これからも私にお任せください」 ;>>声:ダミーヘッド位置7 【遥】「あ、ここは少々頑固な汚れが溜まっているようです……。ですが、私にかかれば造作もございません」 ;>>SE:綿棒で耳の表面を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置15 【遥】「こちらで、表面のお掃除は完了です」 【遥】「いかがでしょうか? お耳が少し軽くなったような感じがしませんか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃんの身体に汚いところなど、1つもございません」 【遥】「少しくらい汚れがついていようと、私が幻滅などするはずがありませんよ」 【遥】「そもそも、耳掃除をさせてほしいとお願いしたのは私です」 【遥】「私は、こうして坊ちゃんのお世話をしている時間が、何よりも幸せなのです」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「わかっていただけましたか?」 【遥】「では、お耳の中もお掃除していきますね」 【遥】「こちらのお耳も浅いところから……」 【遥】「傷つけないように、優しくしてまいります」 ;>>SE:耳かきで耳の入り口を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「こうして、坊ちゃんのお耳をケアさせていただくのは、これで何度目でしょう」 【遥】「何百……もしかしたら、1000回を越えているかもしれませんね」 【遥】「今思えば、私の人生のあらゆるところに、坊ちゃんがおりました」 【遥】「おしめを替えて差し上げたこともあったのですよ?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 ;>>SE:膝枕(衣擦れ) ;>>声:ダミーヘッド位置15(15→16に移動しながら) 【遥】「あ、坊ちゃん、動かないでください。本当に坊ちゃんのお耳を傷をつけてしまったら、私は死ぬに死にきれません」 ;>>【坊ちゃん】「――」 ;>>SE:膝枕(衣擦れ) ;>>声:ダミーヘッド位置15 【遥】「ありがとうございます。では、お耳のお掃除を再開します」 ;>>SE:耳かきで耳の入り口を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「先ほどのおしめの話。坊ちゃんにとっては恥ずかしいでしょうが、私にとってははじめて坊ちゃんをお世話した、大切な思い出なのです」 【遥】「とはいえ、当時の私は小学校に上がったばかりで、何もかも、まわりの大人たちの見よう見まねでしたが」 【遥】「なんといいますか、まるで弟ができたようで、嬉しかったのです」 【遥】「もしかすると坊ちゃんは私の家系によって、坊ちゃんにお仕えしたと思われているかもしれませんが、それは違います」 【遥】「私の意思で、坊ちゃんにお仕えしたのです」 【遥】「ああ、失礼いたしました。私としたことが、手がお留守になっていましたね」 ;>>SE:耳かきで耳の入り口を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃんは今、先ほどの私の話が気になっておられますね?」 【遥】「初めて聞く私の過去話だったのに、耳かきで中断されてしまった、と……」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃんの考えていることなど、何でもお見通しです」 【遥】「私の家が、代々坊ちゃんの家にお仕えしていたことは、坊ちゃんもご存じですよね?」 【遥】「ですが、坊ちゃんのお父様――旦那様は私に、「生まれた家で生き方を縛られることはない」と、普通の女性として生きる道も与えてくださいました」 【遥】「私自身も、無愛想なことは自覚しておりましたし、メイドなど務まらないだろうと、大人になればお屋敷を出て行くつもりでした」 【遥】「ですが、そんな私を姉のように慕ってくれる坊ちゃんのお側にいたいと思うようになり、日々、坊ちゃんの新しい魅力を知り、気づけば、離れられなくなっていました」 【遥】「思えば、あの頃から私は、坊ちゃんに惹かれていたのかもしれません」 【遥】「……自分で口にしておいて、恥ずかしいですね」 ;>>SE:耳かきで耳の入り口を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「あ、浅いところは、できました……」 【遥】「…………」 【遥】「少し奥にも耳垢があるようですので、お掃除していきますね……」 【遥】「坊ちゃん、身体の力を抜いて、リラックスしていてください」 【遥】「……身体に力が入っているのは、私のほうかもしれませんね」 【遥】「慎重に……慎重に……してまいります」 ;>>SE:耳かきで耳の奥を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃんのお耳のお掃除をして、だいぶ落ち着いてきました」 【遥】「いけませんね……普段は冷静なつもりなのに、坊ちゃんのこととなると、自分を御しきれないときがあります」 【遥】「今は、坊ちゃんのお耳のケアに集中しないといけませんね」 【遥】「もう少し、奥のほうもお掃除してしまいましょうか」 ;>>声:ダミーヘッド位置15(15→7に移動しながら) 【遥】「よぉく、お耳を見せてくださいね」 ;>>声:ダミーヘッド位置7 ;>>SE:耳かきで耳の奥を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置15 【遥】「どこか、かゆいところや、気になるところはございませんか?」 【遥】「もしあれば、何でもおっしゃってください」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「なるほど、こちらがかゆいのですね」 【遥】「たしかに、ほんの少し赤くなっているようにも見受けられます」 【遥】「わかりました。では、痛くならない程度の強さで、こちらを重点的にケアしておきましょう」 ;>>SE:耳かきで耳の奥を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「気持ちよかったですか?」 【遥】「声に出さなくとも、わかります。坊ちゃんのことですから」 【遥】「こちらで、耳かきでのお掃除もおしまいです」 【遥】「次は、坊ちゃんの大好きな、ふわふわタイムです」 【遥】「さあ、ふわふわが坊ちゃんのお耳に入っていきますよ」 ;>>SE:梵天で耳の中を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「やはり、坊ちゃんはとてもいいお顔をされますね」 【遥】「私まで、幸せのお裾分けをしていただいている気分になります」 【遥】「まあ、坊ちゃんを膝枕して、お耳のケアができるだけで、私は十分に満たされているのですが」 【遥】「もう少し、お耳の中をなでなでして、仕上げをしてしまいましょう」 ;>>SE:梵天で耳の中を掃除 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「いかがでしたか?」 【遥】「こちらで、お耳のケアは全て完了いたしました」 【遥】「ありがとうございました、坊ちゃん」 【遥】「久しぶりに坊ちゃんのお世話ができて、私はとても幸せです」 【遥】「あら……ですが坊ちゃんは、何やら物足りないご様子ですね」 【遥】「もしかして、こちらのお耳にも、先ほどと同じように、ふーふーをしてほしいとか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「どうやら、当たりのようですね」 ;>>声:ダミーヘッド位置15(15→7に移動しながら) 【遥】「もちろん、坊ちゃんの頼みとあらば、お断りする理由がございません」 ;>>声:ダミーヘッド位置7 【遥】「こうされるのが、よかったのですよね?」 ;>>声:ダミーヘッド位置7(耳元で) ;>>耳の中に息を吹き込む 【遥】「ふーっ……ふーっ……ふーっ……」 【遥】「女の子にこんなことをされて喜ぶということは、坊ちゃんには少々特殊な性癖があるのかもしれませんね」 【遥】「それとも、私がそのように、坊ちゃんを目覚めさせてしまったのでしょうか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 ;>>声:ダミーヘッド位置7 【遥】「わざとです」 【遥】「わざと、坊ちゃんが喜びそうな、刺激的な言い方をしました」 【遥】「違いましたか?」 【遥】「私の勘違いでしたら、申し訳ございません」 【遥】「お詫びに、もっとふーふーいたしますね」 ;>>声:ダミーヘッド位置7(耳元で) ;>>耳の中に息を吹き込む 【遥】「ふーっ……ふーっ……ふーっ……」 【遥】「やはり、これがお好きなようですね」 【遥】「坊ちゃんが昔から好きだったふわふわと、どちらがよろしいですか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「比べられませんか」 【遥】「これから、お耳のケアのときの、定番になってしまいそうですね」 【遥】「もちろん、私としても本望ですよ」 【遥】「坊ちゃんが喜んでくださることが、私の至上の幸福です」 ;>>耳の中に息を吹き込む 【遥】「ふーっ……ふーっ……ふーっ……」 【遥】「お耳を吹かれるのは、どのような感覚ですか?」 【遥】「こそばゆいですか? それとも、ゾクゾクします?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「なるほど、それほど気持ちいいのですね。では今度、機会がありましたら、私も坊ちゃんにやっていただきましょうか」 【遥】「それはそうと……まだ満ち足りないご様子」 【遥】「わかっています。もっと長く、吹いてほしいのですよね?」 【遥】「まったく、坊ちゃんは欲張りですね」 ;>>耳の中に息を吹き込む 【遥】「ふーーーっ……ふーーーっ……ふーーーっ……」 【遥】「……ちゅっ」 【遥】「坊ちゃんがあまりにも可愛すぎて、お耳にキスをしてしまいました」 【遥】「少し、恥ずかしいですね」 【遥】「私が坊ちゃんとこういうことをしているのは、2人だけの秘密です」 【遥】「いつまでもこうしていたいですが、そういうわけにもいきませんね」 ;>>声:ダミーヘッド位置7 【遥】「坊ちゃん、ご満足いただけましたか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃんにご満足いただけて、胸が躍るとはこのことでしょうか」 【遥】「思わず、表情も緩んでしまうというもの」 【遥】「このような姿を見せられるのは、坊ちゃんの前だけですね」 ■シーン7 ;>>声:ダミーヘッド位置10(遠く) 【遥】「さあ坊ちゃん、お休みの時間です」 【遥】「ベッドに、横になってください」 【遥】「電気を消しますよ?」 ;>>SE:電気のスイッチを消す ;>>SE:近づいてくる足音 ;>>声:ダミーヘッド位置2 【遥】「もしかして、眠れないのですか?」 【遥】「そういえば坊ちゃんは、ネットの動画を視聴されるのがお好きでしたね」 【遥】「それこそ、放っておけば朝から晩まで、1日中ずっと観ているほどに」 【遥】「まさか、一人暮らしをはじめたのをいいことに、毎日夜更かしをされているのでは?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「やはり、そうでしたか」 【遥】「それはいけません」 【遥】「夜更かしは、健康の悪化はもちろんのこと、肌トラブルの原因や、仕事でのミスの増加、効率の低下にも繋がります」 【遥】「坊ちゃんの健康をお守りするのも、私の務め」 【遥】「私が坊ちゃんを寝かしつけて、心地よい眠りへと誘いましょう」 【遥】「それでは、失礼いたします……」 ;>>SE:ベッドの中に入る(衣擦れ) ;>>声:ダミーヘッド位置3(近く) 【遥】「大人2人ですと、さすがに少々狭いようです……どうしても坊ちゃんと身体がくっついてしまいますね」 【遥】「多少のご不便は、お許しください」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃんの肩を、少し貸してくださいね」 ;>>声:ダミーヘッド位置2(近く) ;>>SE:肩をポンポン 【遥】「よしよし……よしよし……よしよし……(1分程度お願いいたします)」 【遥】「昔、眠れない坊ちゃんをこうして撫でると、すぐに目を閉じて、ぐっすりとお休みになられてましたね」 【遥】「そうですね、あのときのように、子守歌をうたう、というのはいかがでしょう?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「肩を撫でるだけでよろしいのですか?」 【遥】「かしこまりました」 【遥】「では、目を閉じてみてください。視界を遮るだけでも、寝付きやすくなりますよ」 【遥】「坊ちゃんはいい子ですね」 ;>>SE:肩をポンポン 【遥】「よしよし……よしよし……よしよし……(1分程度お願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置1(近く) 【遥】「坊ちゃん、どうしてまた目を開けるのです?」 【遥】「閉じていないと、眠気はやってきてくれません」 【遥】「まあ私としても、こうして坊ちゃんと至近距離で見つめ合えるのは本望なのですが」 【遥】「しかし、万が一にも寝不足で坊ちゃんのお顔にクマなど出来てしまった日には、メイドとしても彼女としても失格」 【遥】「ここは、坊ちゃんの美容と健康を優先させていただきます」 ;>>声:ダミーヘッド位置2(近く) ;>>SE:肩をポンポン 【遥】「よしよし……よしよし……よしよし……(1分程度お願いいたします)」 【遥】「坊ちゃんとこうしてベッドに入ったのは、いつぶりでしょうか」 【遥】「いつしか恥ずかしがるようになり、一緒に寝てくれなくなりましたね」 【遥】「坊ちゃんの成長を嬉しく感じると同時に、少し寂しくもあったのですよ?」 【遥】「ふふ……少し喋りすぎましたね」 【遥】「これではむしろ、坊ちゃんの睡眠を阻害してしまいます」 【遥】「坊ちゃんが眠りにつくまで傍におりますので……」 【遥】「安心して、お休みになってください」 ;>>SE:肩をポンポン 【遥】「よしよし……よしよし……よしよし……(1分程度お願いいたします)」 【遥】「まだ、眠気がやってきませんか?」 【遥】「困りましたね……」 【遥】「昔はこれくらいで、すぐにお休みになられていたのに……」 【遥】「大人の坊ちゃんを寝かしつけるには、よしよしが足りなかったのかもしれません」 【遥】「少し長めにしてみましょう」 【遥】「坊ちゃんは目を閉じて、身体の力を抜いて、私の声と、肩に触れるゆったりとしたリズムを感じていてくださいね」 【遥】「頭の中を空っぽにして、ですよ?」 ;>>SE:肩をポンポン 【遥】「よしよし……よしよし……よしよし……(2分程度お願いいたします)」 【遥】「これでも、眠れないようですね……」 【遥】「坊ちゃん……もしかして、何か悩み事があるのではないですか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「お正月でもお盆でもないこの時期に、急に帰ってこられたので、不思議に思っていたのです」 【遥】「仕事のことなのか、プライベートのことなのか、存じませんし、聞くつもりもございません」 【遥】「1人で悩み、答えを出したいときもあるでしょうから」 【遥】「ですが……」 【遥】「私で良ければ、いつでも、何でもおっしゃってください」 【遥】「坊ちゃんにとって、初めての仕事に、初めての一人暮らし……私には想像もつかないような苦労の連続でしょう」 【遥】「ときには、失敗することもあるかもしれません」 【遥】「ですが決して、それは恥ずべきことではないのですよ?」 【遥】「悩んだり、落ち込んだりするということは、それだけ坊ちゃんが真剣に取り組んでいるということなのです」 【遥】「それでももし、疲れたのならば……」 【遥】「小鳥に止まり木が必要なように……いつでも、ここに――私のもとへ、帰ってきてください」 ;>>SE:頭を撫でる 【遥】「よしよし……坊ちゃんはご立派ですよ」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「頑張っている人を褒めているだけですよ。坊ちゃん限定の頭なでなで付きです」 【遥】「子どもっぽくてお嫌でしたか?」 【遥】「私が坊ちゃんを褒めて差し上げたいので、しばらく我慢してください」 ;>>SE:頭をなでなで 【遥】「よしよし……よしよし……よしよし……(1分程度お願いいたします)」 【遥】「坊ちゃんが恥ずかしがっていては、私まで何ともいえない気持ちになってくるではないですか」 【遥】「坊ちゃんには、次期当主として、常に堂々としていていただかないと」 【遥】「昔、私に『ぼくはえらいから、いうことをきくんだぞ』と威勢良くおっしゃっていたではありませんか」 ;>>【坊ちゃん】「――」 ;>>SE:布団の音 ;>>声:ダミーヘッド位置1(近く) 【遥】「くすっ……それは冗談ですが、坊ちゃんは立派に成長されましたよ」 【遥】「ずっと傍で見ていた私がいうのですから、間違いありません」 【遥】「ですから坊ちゃんは、もっと褒められるべきなのです」 ;>>声:ダミーヘッド位置1(1(近く)→2(近く)へ移動しながら) 【遥】「さあ、大人しく頭を撫でられていてくださいね」 ;>>声:ダミーヘッド位置2(近く) ;>>SE:頭を撫でる 【遥】「よしよし……よしよし……よしよし……(1分程度お願いいたします)」 【遥】「ようやく、素直になってくださいましたね」 【遥】「それとも、少し眠くなってこられたのでしょうか?」 【遥】「坊ちゃんが人一倍頑張っていることは、私が一番存じ上げています」 【遥】「だからこういうときくらいは、甘えてくださってよいのです」 【遥】「私としては、いつ甘えてくださってもよいのですが……」 【遥】「それは坊ちゃんが、嫌がりますからね」 【遥】「坊ちゃんが甘えられないというのでしたら、私が思いきり甘えさせます」 ;>>SE:頭をなでなで 【遥】「よしよし……よしよし……よしよし……(1分程度お願いいたします)」 【遥】「そろそろ、お休みになれそうですか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「それは、よかったです」 ;>>SE:布団の音 ;>>声:ダミーヘッド位置3(近く) 【遥】「坊ちゃんが眠りにつくまでは、こうしてお側におりますので……」 【遥】「安心して、お休みになってください」 【遥】「坊ちゃん……」 【遥】「今日は、日頃の疲れをとることができましたか?」 【遥】「微力ながら、そのお手伝いができたのなら、私はとても嬉しく思います」 【遥】「また明日、坊ちゃんのお顔を、一番に見に来ますね」 【遥】「それでは……」 【遥】「おやすみなさいませ、坊ちゃん」 ■シーン8 ;>>SE:遥が扉から入る音 ;>>SE:布団を揺する(ゆさゆさ) ;>>声:ダミーヘッド位置2(近く) 【遥】「おはようございます、坊ちゃん。朝ですよ」 【遥】「いいお顔です」 【遥】「昨夜は、よく眠れたようですね」 ;>>SE:布団の音 ;>>声:ダミーヘッド位置1 【遥】「今日、帰られるのですよね?」 【遥】「私としてはもう少しゆっくりされても、と思いますが、仕事ということでしたら仕方ありません」 【遥】「…………」 【遥】「坊ちゃんはもう一人前ですので、着替えなどを私が手伝う必要はないのでしょうが……」 【遥】「今日くらいは、させていただけませんか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「ありがとうございます。坊ちゃんは優しいですね」 【遥】「立ってこちらにいらしてください」 ;>>SE:布団から出る音 【遥】「それでは、上から失礼いたします」 ;>>SE:シャツを脱がす 【遥】「(30秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「昨日のお召し物は洗濯して、アイロンをかけておきました」 【遥】「こちら、袖を通していきますね」 ;>>SE:袖を通す(右) 【遥】「(10秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「社会人になった坊ちゃんのシャツを洗って、袖を通させていただくのは初めてですね」 【遥】「坊ちゃんがご立派になられたと、またひとつ実感させられました」 ;>>SE:袖を通す(左) 【遥】「(10秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「ボタンを留めていきますね」 ;>>SE:ボタンをとめる 【遥】「(20秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「本当に、独り立ちされたのですね」 【遥】「昔はずっと、坊ちゃんには私が必要なものだと思っていましたが……」 【遥】「むしろ、坊ちゃんを必要としていたのは、私の方ですね」 【遥】「坊ちゃんがお屋敷を出て行かれてから、日々、それを痛感しております」 【遥】「坊ちゃんのお世話をするのは、私の生き甲斐でしたから……」 【遥】「お気を悪くされたなら申し訳ございません。坊ちゃんを責めているわけではないのです」 【遥】「下も、失礼いたしますね」 ;>>SE:ズボンを脱がす 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 ;>>声:ダミーヘッド位置1(しゃがんで) 【遥】「ズボンもしっかり皺を伸ばしておきましたので、さあ、こちらに足をどうぞ……」 ;>>SE:ズボンを履かす 【遥】「(40秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「着心地はいかがでしょうか」 【遥】「皺や型崩れなど、問題はございませんか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「よかったです」 ;>>SE:シッパーを上げる音 ;>>SE:ベルトの金具音 【遥】「ベルトはこのくらいで苦しくありませんか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「大丈夫そうですね」 >>声:ダミーヘッド位置1 【遥】「着替えは完了いたしました」 【遥】「髪の毛も、整えさせていただきますね」 ;>>SE:椅子を引く音 ;>>声:ダミーヘッド位置1(1→5移動しながら) 【遥】「こちらに座って鏡の方を向いてください」 ;>>声:ダミーヘッド位置5(台上) 【遥】「後ろから失礼しますね」 【遥】「ブラシで、つむじから分け目に沿って流していきます」 ;>>SE:ブラシで髪を梳く 【遥】「(30秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「襟足のところが、ほんの少しばかり寝癖になっておりますので、スプレーで直していきますね」 ;>>SE:スプレーの音 ;>>SE:ブラシで髪を梳く 【遥】「(30秒程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「坊ちゃん、先ほどからずっと押し黙られてますが、どうされたのですか?」 【遥】「何か、不手際がございましたか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「……私に話したいこと、ですか?」 【遥】「改まって、なんでしょう?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃんが、お屋敷を出て行かれた理由……?」 【遥】「ええ、はっきりと覚えていますよ。屋敷を出て、一人前の男として自立する、と……」 【遥】「あまりに突然で驚いてしまい……実はしばらく仕事が手につきませんでした」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「え……?」 【遥】「今…私との将来のため、とおっしゃいましたか?」 【遥】「…………」 【遥】「そう、ですか……」 【遥】「私との将来を考えて、自立を……」 【遥】「少しでもお金を貯めるために、自転車で通勤する節約までして……」 【遥】「坊ちゃんがそのように真剣に想ってくださっていたことを、全く存じませんでした」 【遥】「今、少し……いえ、かなり、動揺しています」 【遥】「ですが、それ以上に嬉しいという気持ちが、次から次へとあふれ出てしまって……」 【遥】「…………」 【遥】「坊ちゃんと私は元来、主従の関係……」 【遥】「メイドである私が、坊ちゃんとの交際に引け目を感じていなかったかというと、嘘になります」 【遥】「だから、事あるごとに、恋人だと口にしていたのだろうと思います……」 【遥】「そのくせ、自分から好きだと口にすることには躊躇いがあり……」 【遥】「心のどこかで、この恋は将来的には成就しないだろう、とも思っていました……」 【遥】「坊ちゃんはいずれ、立場にふさわしい女性と出会い、結婚されるのだろう、と……」 【遥】「ですが、それまでの一時でも、坊ちゃんの一番お傍にいられるのなら……と」 【遥】「それが私の幸せでした」 【遥】「坊ちゃんはそうした私の気持ちさえ、見通されていたのですね」 【遥】「坊ちゃんからそのようなことをいっていただけて…私は本当に幸せ者です」 【遥】「ありがとうございます、坊ちゃん……」 【遥】「あ……もう、頃合いですね」 【遥】「スプレーの液が寝癖に浸透していますので、ドライヤーで仕上げをしていきましょう」 ;>>SE:ドライヤーをかけながら、ブラシで髪を梳く 【遥】「(1分程度吐息をお願いいたします)」 【遥】「完成です、坊ちゃん。どこからどう見ても、立派な男性ですよ」 【遥】「出立までもうすぐですね。すぐに朝食をお持ちします」 【遥】「そのあとは、駅までお見送りをさせてください」 ;>>時間経過 ;>>SE:列車が駅に滑り込んでくる音 ;>>声:ダミーヘッド位置3(並列) 【遥】「…………」 【遥】「坊ちゃん、電車がやってきましたね」 ;>>声:ダミーヘッド位置3(向かい合って) 【遥】「また、いつでも帰ってきてください」 【遥】「私はいつもここで、坊ちゃんをお待ちしております」 ;>>SE:歩く足音 ;>>声:ダミーヘッド位置13 【遥】「あ……っ」 【遥】「…………」 【遥】「坊ちゃん!」 ;>>SE:小走りで近づく音 ;>>声:ダミーヘッド位置1 【遥】「好き、ですっ……! 坊ちゃんのことが……!」 【遥】「メイドとしてだけではなく、ひとりの女性として、坊ちゃんを愛してます!」 【遥】「ずっとずっと言いたくて……!」 【遥】「坊ちゃんに告白していただいたときさえ口にできなくて……!」 【遥】「今日、やっと伝えることができましたッ……!」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「……っ」 【遥】「いつか私を……お屋敷から連れ出して、坊ちゃんの家に住まわせてくださるのですか?」 【遥】「なんですか、その夢のような話は」 【遥】「坊ちゃんは私を泣かせたいのですか」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「待ちます。待ち続けます。いつまでも」 【遥】「坊ちゃんが、迎えに来てくださるのを……」 【遥】「……いえ、それでは今までと、なにも変わりませんね」 【遥】「私……私からも、坊ちゃんに会いにいってもよろしいでしょうか!?」 【遥】「……いけない、でしょうか……」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「あっ……!」 ;>>声:ダミーヘッド位置1(1→9移動しながら) 【遥】「仕事が休みの日に、必ず会いに行きます……!」 ;>>声:ダミーヘッド位置9 【遥】「いってらっしゃいませ。坊ちゃん……!」 ;>>SE:電車のベル ;>>SE:電車の扉が閉まる ;>>SE:列車がゆっくりと走り出す音 ■シーン9 ;>>SE:ノックの音 ;>>SE:玄関の扉を開ける ;>>声:ダミーヘッド位置1 【遥】「お、おはようございます……」 【遥】「……ああ、いえ、坊ちゃんのお家にご招待いただくなどはじめての経験で、些か緊張しているのかもしれません……」 【遥】「お気になさらず……」 【遥】「ああ、そうでした」 【遥】「こちらをどうぞ」 ;>>SE:紙袋の音 【遥】「ここへ来る途中で買ってまいりました。坊ちゃんの好物のフルーツタルトです」 【遥】「…………」 ;>>SE:服が揺れる音 【遥】「と、ところで、この服はいかがでしょうか?」 【遥】「今日のために、新調してみたのですが……」 【遥】「普段、仕事着ばかりで、自分では似合っているかどうかの判断が難しく……」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「はぅあ!?」 【遥】「そうですか…よく似合ってますか」 【遥】「勿体ないお言葉……恐悦です」 ;>>小声 【遥】「……坊ちゃんに気に入っていただけて、よかったです」 【遥】「で、では、失礼、いたします」 ;>>SE:玄関の扉を閉める ;>>SE:靴を揃えて脱ぐ ;>>SE:足音×2(スリッパ) ;>>声:ダミーヘッド位置14 【遥】「冷蔵庫を、少しお借りしてもよろしいでしょうか?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「ありがとうございます。タルトは私が冷蔵庫に入れておきますね?」 ;>>SE:冷蔵庫の開閉音 ;>>【坊ちゃん】「――」 ;>>SE:紅茶の準備(茶器のカチャカチャ音) ;>>声:ダミーヘッド位置14(14→7移動しながら) 【遥】「ん…、坊ちゃん何をなさっているのですか?」 ;>>SE:ティーポットに熱湯を注ぐ ;>>SE:ティーカップに熱湯を注ぐ ;>>声:ダミーヘッド位置7 【遥】「えっ?もしかして紅茶を淹れてくださっているのですか!?」 【遥】「い、いえ、いけません! そのようなつもりで持ってきたわけでは……!」 【遥】「場所さえ教えてくだされば、私が淹れて――……!」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「……そ、そうでした」 【遥】「ここでは、ご主人さまとメイドではなく、恋人同士でしたね」 【遥】「この前、そう約束したのでした」 ;>>【坊ちゃん】「――」 【遥】「坊ちゃんが淹れてくださるのでしたら、安物の茶葉であろうが、ティーパックであろうが、関係ありません」 【遥】「どれも、至福の味がするに違いありませんので」 ;>>少し間 ;>>SE:足音(スリッパ) ;>>声:ダミーヘッド位置7(7→1移動しながら) 【遥】「ところで坊ちゃん、一見片付いているように見えますが、慌ててまとめて、クローゼットに押し込みましたね?」 ;>>【坊ちゃん】「――」 ;>>声:ダミーヘッド位置1 【遥】「坊ちゃんのことは、何でもお見通しと申し上げたはずです」 【遥】「ティータイムの前に、まずは部屋のお掃除をいたしましょう」 【遥】「私に、お任せください。坊ちゃんのメイド兼彼女ですから」 【遥】「もちろん、坊ちゃんも手伝ってくださいね」 【遥】「さあ、はじめましょう。ふふっ」