「1時間1万円のJD」をご購入&ご視聴いただき、ありがとうございます! シナリオ担当の毛ガニです。ラノベでは榊一郎の『ストレイトジャケット』とオキシタケヒコの『筐底のエルピス』が、貴志祐介では『新世界より』と『天使の囀り』が特に好きです。(読書家的挨拶) 本作のコンセプトは、「売れるやつ その2」です。身も蓋もないですね。 普段、需要を気にせずクオリティのみを追求した作品ばかり作っておりますので、サークルの知名度を上げたかったのです。 それと、『プロよりもうまくなるためのバイノーラル音声作品文章教室』などという文章術の本を書いたので、ちゃんと売れるシナリオも書けるんだぞというのを示す目的もあります。 ただ、需要のあるシナリオを書くにしても、僕は流行の調査も効果音も三流。 既存の需要を追いかけていたのでは有名サークルの劣化品しか作れません、あくまで僕のウリは文章です。 というわけで、普通のシチュエーションボイスに文章力を付け加えてみました。 ここでいう文章力というのは、ストーリー性とキャラクターの描写、テーマ性です。 ストーリー性等については、詳しくは『プロよりもうまくなるためのバイノーラル音声作品文章教室』に書いていますが、それぞれ簡単に言いますと、 ・ストーリー性:聴き手が納得のいく問題解決。 ・描写:設定を述べるのではなく、設定を噛み砕いて伝えたい魅力を述べる。 ・テーマ性:キャラクターや場面に合った展開。 といった感じでしょうか。本作では、 ・ストーリー性:初めお金目当てだった女子大生と親密な関係になる。 ・描写:処女、女子大生、読書家、したたかといったキャラクター性を表現。 ・テーマ性:性知識や好意が無い状態から徐々にステップアップしていく。 というようにしてみました。 ストーリー性やテーマ性のあるシチュエーションボイスは本作以前にも存在すると思います。ですが、これだけ丁寧にやった作品は珍しいのではないでしょうか? この程度で文章力を語るとはお笑い草だな、という方がいましたら申し訳ございませんでした。 そして、途中から表現の追求に走ってしまったので、当初の目的である需要にマッチしたものに仕上がっているのかは怪しいですね……。 大きな需要のあるがっつりエロとか、臨場感あふれる効果音というのには欠けますが、厚みのあるキャラクターとの関係が進むエロスや精神的な満足感といった本作独自の魅力は表現できたのではないでしょうか? そんな所をお楽しみいただけましたら、シナリオライターとしては嬉しいです。 そして、「コイツ、なかなかいいシナリオ書くじゃねーか」と思っていただけたようでしたら、他作品のサンプルだけでもお聴きください。オンリーワンな尖った作品ばかり用意しております。 さて、声優は柚木つばめ様。 緊張していたり、親密になったり、演技したりとコロコロと表情を変える更紗ちゃんをイキイキと表現していただきました。息遣いが特に好きです。 更紗ちゃんは、したたかに立ち回る共生関係なファムファタール(男を食い物にする比喩的な意味での吸血鬼女)として書いたつもりですが、見事に演じていただけたかと思います。こんな娘に上手くコントロールされるの、いいと思われませんか? イラストは、たぬま様。 「無音の僥倖」を読んで、「この人最高だ」と思いました。特に口から〇〇を出すシーンは震えましたね。イラストを引き受けていただけた時には思わずガッツポーズが出ました。 更紗ちゃん美人過ぎる、視線が画面の中に吸い込まれてしまうようです。 音声編集で疲れた時も、いただいたラフを見ると、「よし、この娘のためにもうひと頑張りするぞ!」とガッツが湧いてきました。