……あ……。  こんにちは。昨日ぶりだね。    あ、うん。  一人。  先生は、誰かと来てるの?  あ、今は一人なんだ。  えっ。  いいの? ここ、座って。  えっ。  帰っちゃうの?  居てほしい……。  あ。いや、やっぱりやめた方がいいかも。    あ……。  あの……。  外の大きい信号渡ってちょっと行った所にあるご飯屋さん、わかる?  そう。新しくできたとこ。  そこ、うちの店の系列で……今日私、さっき。  三時までヘルプで入ってたんだけど。  あそこの、席の人が。  なんか、店出た時からずっと付いてきてるっぽくて……。  うん。あの、全身黒コーデの人。  全然知らない人。  気のせいかもしれないけど。  なんか、怖くて……。  あの、やっぱり。  えっ?  ……先生?    で、『出よう』って。  あっ……。    あ。よ。よろしくお願いします……。  ……。    あの、先生。  いいの? タクシーなんて乗っちゃって。  その。助けてくれたのは嬉しい。  でも、ここからマンションまで、結構あるのに。  ごめんなさい。私が変な事言ったから……。    え?  そう言ってくれるのは、すごく嬉しい。  でも……。  じゃあ、せめてタクシー代払わせて。  でも……。    あ。違うの。私も、もう帰るだけだったから。  寄るとことかは、ない。大丈夫。    でも……だったらやっぱりお金。  私、先生にすごい迷惑かけちゃったし……。  あ……。  そっか。  『困った時は助け合い』か……。  そっ、か……。    じゃあ、お言葉に甘えます。  先生、ありがとう……。    えっ。お昼? まだ食べてない。  お店忙しかったし、さっきは、食べ物注文する気になれなかったし……。    いいの?  うん。寄りたい。  そうだよね、マンションの近くのコンビニなら、ルート同じだし。  あ、でも、お昼はちゃんと自分で買うから。  先生はタクシーだけ。タクシー代だけでお願いします。    気にするよ。ほんとなら、私が先生に奢らなきゃいけない位だし。  先生はお腹、空いてないの?  さっき、私のせいで出る事になっちゃったから……。    うん?  え? お菓子ならあるの?    あ……いいの?  ありがとう。いただきます。  このチョコ、うさちゃんの形してる。  ふふ。先生、こういう可愛いお菓子とか食べるんだね。    へぇ?  ……!  ほんとだ。美味しい。    ふふっ。  先生、ありがとう。  ありがとう……。